月20〜100万円ほどの広告費を使い、一商品・一サービスの申込みを取る事業者向けの記事です。
LP制作を比較するとき、最初に目に入るのは価格です。
3万円と10万円なら、3万円のほうが安全に見えます。ところが、LPは完成品を置いて終わる制作物ではありません。広告費、修正費、失注、運用時間まで含めると、安く作ったページが最も高くつくことがあります。
■ 制作費は、総コストの一部にすぎない
LPを公開した後には、
・広告費
・アクセスを集めるための発信
・文章や画像の修正
・計測設定
・フォームやサーバーの保守
・担当者の確認時間
がかかります。
制作費を5万円抑えても、訴求がずれたページへ毎月20万円の広告を流せば、短期間で差額を超えます。
見るべきなのは「いくらで作れるか」だけでなく、「公開後にいくら使い、どれだけ回収する設計か」です。
■ 安いことが問題なのではない
テンプレートやAIを活用し、制作工程を効率化して価格を下げることはできます。
問題は、安い理由と提供範囲が分からないことです。
・構成は誰が考えるのか
・文章は支給か、ライティング込みか
・スマホ対応はどこまでか
・フォームや計測は含まれるか
・修正回数は何回か
・公開後の不具合は誰が見るか
同じ「LP制作」でも中身は大きく違います。
価格ではなく、成果に必要な工程がどこまで含まれているかを比較します。
■ もっとも高いのは、判断できないLP
公開後に数字を取っていなければ、売れない理由が分かりません。
広告が悪いのか、ファーストビューで離脱しているのか、CTAは押されているがフォームで止まっているのか。原因を分けられないため、全体を作り直すか、感覚で修正することになります。
最初から、
・最終CV
・CTAクリック
・フォーム到達
・主要セクションの閲覧
・流入元
を確認できる設計にしておくと、必要な場所だけ改善できます。
■ 修正回数より、修正の根拠
「修正無制限」は安心に見えますが、何を正解として直すかが決まっていなければ、好みの調整が続きます。
重要なのは、顧客の不安、競合との違い、問い合わせ内容、アクセスデータなど、修正の根拠があることです。
3案作る場合も、色違いを並べるのではなく、誰に何を強く伝えるかという仮説を変えます。
■ 価格を判断する簡単な式
LP改善の価値は、次の考え方で整理できます。
月間アクセス数 × CV率の差 × 1件あたりの粗利
たとえば月3,000アクセス、CV率が0.5ポイント変わり、1件の粗利が2万円なら、
3,000 × 0.5% × 20,000円 = 月30万円
これはあくまで試算で、改善を保証する数字ではありません。しかし、制作費だけでなく回収可能性を考える判断材料になります。
■ 小さく始めるなら、入口を絞る
予算が限られている場合は、すべてを薄くするより、
・ファーストビュー診断
・構成とワイヤー
・既存LPの改善
・一商品に絞ったLP
など、成果に近い部分から始める方法があります。
安いLPが悪いのではありません。目的、提供範囲、公開後の計測が曖昧なLPが、結果として高くつきます。
■ 月20〜100万円の広告では、LPが毎月同じ損失を生む
制作費は一度払えば終わります。広告費は毎月発生します。
月50万円の広告を12カ月続ければ、年間600万円です。LP制作費が3万円でも15万円でも、広告運用全体から見れば一部です。
ここで、広告から月5,000人が訪れ、現在のCV率が1.0%、1件の粗利が1万円とします。
月50件 × 粗利1万円 = 月50万円の粗利です。
CV率が1.2%なら月60件になり、粗利は月60万円。0.2ポイントの差で月10万円、年間120万円が変わります。
もちろん改善を保証する試算ではありません。しかし、制作費を数万円下げる判断と、CV率を少し改善する判断では、影響する期間と金額が違います。
LPを比較するときは、初期費用ではなく、広告を流す期間まで含めます。
■ 見積書で比較すべき8項目
価格だけでなく、次を同じ条件で並べます。
1.顧客・競合の調査
2.構成とワイヤー
3.文章作成と修正範囲
4.デザイン案の数と違い
5.スマートフォン設計
6.フォーム、計測、公開作業
7.修正回数と不具合対応
8.公開後の改善支援
3万円の見積りがデザインとコーディングだけで、10万円の見積りに構成、文章、GA4、フォーム検証まで含まれているなら、単純に7万円高いとは言えません。
反対に、高額でも内容が曖昧なら安心ではありません。
「マーケティング込み」「SEO対策込み」という言葉ではなく、何を調査し、何を設定し、何を納品するかを確認します。
■ 原稿支給は、本当に安くなるのか
発注者が文章を用意すれば、ライティング費用は抑えられます。
ただし、会社案内、営業資料、代表者の想いをそのまま貼ると、LPの順番になっていないことがあります。
企業側の文章は、
・私たちは何者か
・何を提供するか
・どれだけ努力しているか
から始まりやすい。
顧客は、
・自分の悩みに合うか
・何が変わるか
・信じてよいか
・いくらで、失敗しないか
を先に確認します。
文章を完全に任せる必要はありません。想い、顧客の声、実際の質問は発注者から聞き、制作側が判断順序へ編集する分担が現実的です。
■ 安いLPで起きやすい「修正できない」問題
納品後に、キャッチコピー、料金、FAQ、CTAを変えたいことがあります。
ところが、画像の中に文章がすべて埋め込まれ、編集データがなく、担当者しか更新できないと、毎回費用と時間がかかります。
WordPressやSTUDIOなどで編集できる場合も、どこまで触ってよいか分からなければ運用できません。
公開後に変わる可能性が高い部分は、更新方法と担当を先に決めます。
初期費用を下げるために運用を完全に外注へ依存すると、総コストが上がることがあります。
■ 制作会社を変えるときに失われるもの
成果が出ず別会社へ依頼すると、前の制作で考えた顧客像、競合調査、構成意図、計測設定が残っていないことがあります。
次の会社は、またゼロから調査します。
納品物として、
・対象者と主要訴求
・構成の意図
・使用した素材と権利
・計測イベント
・フォームと外部サービス
・過去の変更と結果
を残すと、改善知識を引き継げます。
LP本体だけでなく、判断の記録も事業資産です。
■ 初回LPは「仮説1号」と考える
公開前に考え抜くことは大切です。それでも、実際の顧客反応は公開しないと分かりません。
最初から永久に使う完成品として発注すると、変更を失敗と感じます。
初回LPを最も根拠の強い仮説として公開し、30日、60日、90日で確認します。
・広告文とファーストビューが一致しているか
・どの対象者がCVしているか
・どこで離脱しているか
・問い合わせの質はよいか
・営業で説明を補っている点は何か
この結果から、文章、証拠、オファー、フォームを改善します。
改良を前提にするなら、初期制作もテストしやすい構造にできます。
■ 安く始めてもよい3つの条件
低価格で始めることが合理的な場合もあります。
第一に、広告費が小さく、まず需要を確認したい場合。
第二に、既存顧客や紹介先へ見せるだけで、複雑な説得が不要な場合。
第三に、商品自体が検証段階で、内容や価格が大きく変わる場合です。
この場合も、何を検証するLPなのかを決めます。
短く作ってよい。しかし、計測せず、判断せず、広告だけ続ける状態にはしません。
■ 制作費を決める最後の質問
「このLPが想定どおりに動かなかったとき、原因を特定して直せるか」
ここまで含まれているなら、制作費は投資として評価できます。
安さは魅力です。しかし月20〜100万円の広告を流すなら、数万円の差より、顧客理解、計測、改善可能性の差を重く見ます。
■ 図解で整理する、LPの総コストと改善可能性
ここまでの考え方を、6枚の図で整理します。制作費だけでなく、広告・運用・機会損失まで含めて見ること。見積りの中身を同じ条件で比べ、公開後に原因を切り分けて直せるLPを事業資産として設計します。
図1|制作費は一度でも、広告・修正・機会損失・担当者の時間は公開後も続きます。総コストと回収で考えます。
図2|同じLP制作でも、調査・文章・スマホ・計測・公開後支援まで含まれるかで中身は大きく変わります。
図3|流入から最終CVまでの途中指標を持つと、どこで止まり、何を直すべきかを切り分けられます。
図4|月5,000人・粗利1万円の例では、CV率0.2ポイントの差が月10万円、年120万円の差になります。改善保証ではなく影響を考える試算です。
図5|見積りは8項目を同じ条件で比較します。高額でも内容が曖昧なら、公開後の安心にはつながりません。
図6|初回LPは仮説1号。30日、60日、90日で広告との一致・離脱・問い合わせの質を見て改善します。
石井DXスタジオでは、見た目だけでなく、構成・文章・導線・計測まで含めて申込みから逆算します。
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