強く言ったあとで、自分を責めてしまう方へ
「あぁ、また言いすぎた……」
言いすぎたと思った瞬間から、頭の中で採点が始まりますよね。
相手の反応よりも、自分への批評のほうが残るのです。
また怒ってしまった。私はこういう性格なんだ……。
あなたにも、怒った自分をあとから裁いてしまう日はありませんか?
怒った自分を嫌う気持ちには、出どころがあります
自分を怒りっぽいと思っていても、実際に声を荒らげた回数は、意外と多くない方がいます。
それでも自分への批評が増していくのは、回数ではなく、忘れられない一場面のほうだからです。
会議で語気が強くなる。返信を打ち直さずに送る。帰り道で家族に当たる。
そのうちの一つが残って、「私はこういう人間だ」と決まってしまうのです。
では、その「こういう」は、何を指しているのでしょうか?
ここが、少し不思議なところです。
私たちは、自分が怒っている姿を、自分の目で一度も見たことがありません。
声を荒らげている最中に、鏡は目の前にないからです。
だから、記憶の中の映像で代用します。
これまでに見た中で、いちばん嫌だった誰かの怒り方に結び付けるのです。
これが続くと何が起きるか?
もう、目の前で起きたこととは関係なく、怒りを感じるたびに同じ映像を流し続けます。
そして、借りてきた映像のほうを採点し始めるのです。
でも思い出してください。
採点しているのは、まだ一度も見ていない、鏡の中の自分の姿。
「力」のカードが疑っている決めごと
タロットに「力」という一枚があります。
解釈本などに並ぶのは、内なる強さ・忍耐・慈悲といった言葉です。
逆位置では、自信喪失や自己卑下を表すとされています。
感情をなだめる側のカードだと読まれることが多い一枚です。
でも私は、なだめ方よりも手前のところを見ています。
どうやらこのカードが問うているのは、「なだめなければならない」と決めたのは誰か、のようです。
別の解説では、教わってきた決めごとを超えていく一枚だとも書かれています。
「危ないと教わったから、これは危ない」
危険の中身よりも「誰かが言っていたから」が先に来ます。この順番の逆転は、よく起こります。
そしてその順番を、自分で決めた覚えのある人は、あまりいません。
力のカードが示しているのは、借りものの決めごとを自分の手に取り戻す強さであって、感情の出し方の上手さではないのだと思っています。
本当のあなたの怒り方を、あなたはまだ見ていません
少し思い出していただきたい場面があります。
あなたが生まれて初めて「ああいう怒り方はよくない」と感じた場面を一つ。
家の食卓かもしれません。学校の教室かもしれません。
最初の職場の、フロアの真ん中だったかもしれません。
思い出せたら、それがこの記事であなたにお渡ししたい問いです。
そのとき見た怒り方は、いまのあなたの怒り方そのものでしたか?
声の大きさ・続いた時間・終わったあとの相手への扱い。
並べてみると、たいていどこかが違います。
違うと分かるだけで、採点の基準が一つ減ります。
怒り方の正解を外に探しにいくと、手に入るのは技術のほうです。
数え方、伝え方、間の取り方…。
どれも役に立ちますが、あなたが何を怒りと呼んでいるのかまでは、外側からは決まりません。
その線引きだけは、外からは書き足せないものです。
次に強く言ってしまったときで構いません。
自分を責める前に一度だけ、いま採点しているのはどちらの怒り方かを、見分けてみませんか?
見分けがつかなくても構いません。
見分けようとした時点で、借りものと自分のものが、別々に置かれ始めています。
★ 新しい地図を週1で開いていきます。更新はお気に入り登録で受け取れます。
【もう一歩、自分を整理したい方へ】
この記事は「問い」を一つ渡すところまでです。
関係をどうするか決めたい段階まで来ているなら赤の女王がありますが、まず自分の姿を映すところからなら、白うさぎの鑑定が近い一枚です。
▸ 絵と読み解きを手元に残す(白うさぎ|1,500円)
▸ 転機を一緒に橋渡し(赤の女王|3,500円)
▸ まずは最小の一歩(青い芋虫|500円・テキスト3枚引き)
▸ 物語で深く(虹のかなた|7,000円)