お祝いの言葉を口にしたあとで、落ち込んでしまう方へ。
「へえ、すごいね」
そう返した自分の声は、感情がのらず、いつもより平坦に響いてしまった。
同期が昇進する。後輩が抜擢される。友人からうれしそうな報告が届く。
よかったね、と思う気持ちは本当です。
それなのに……帰り道で胸のあたりが重くなります。
あなたにも、喜んだ自分と落ち込む自分が同時に居合わせることは、ありませんか?
胸が重くなる相手は、いつも決まっています
重くなるのは、いつも誰かをお祝いした後です。
先に落ち込んでから、あとで心から祝うことはそうそうありません。
そのうえで一つ、確かめていただきたいことがあります。
あなたが落ち込む相手は、実はかなり限られています。
遠い世界の成功者が桁違いの数字を出しても、たいていは何も起きません。
別の業界で表彰された人の話も、「すごいですね」で気持ちよく終わります。
それなのに、隣の席の一人にだけは刺さります。
つまり、比べる相手はあなたの中で選ばれています。誰でもいいわけではありません。
では、何を基準に選んでいるのでしょうか?
関係性でも優劣でもありません。
あなたが行きたかった方角にいる人を選んでいるのです。
「うらやましさ」は、行きたい場所を伝えに来ています。
しかしその場所は、まだ言葉になっていないことがほとんどです。
言葉になっていないと、比べる方法は一つしか残りません。
前にいるか、後ろにいるか。それだけになってしまいます。
タロットの「月」が聞いているのは、どちらを向いているかです
タロットに「月」という一枚があります。
解釈本などに並ぶのは、直観・深層・暗がりといった言葉です。
逆位置では、迷いが晴れることや、隠れていたものがはっきりすることを表すとされています。
不安を扱うカードだと読まれることが多い一枚で、まっすぐでない道や、定まらない方角の話が繰り返し出てきます。
どうやらこのカードが聞いているのは、どこまで来たかではなく、どちらを向いているかのようです。
では、少し状況を巻き戻してみましょう。
比べているとき、私たちが測っているのは相手との角度です。
真横にいたはずの相手。またはあの人が斜め前、私はその後ろ。
目に見えるものなので、はっきり認識してしまいます。
けれど、その角度に意味があるのは、同じ道を歩いているときだけです。
同じ職場にいれば、同じ道に見えます。入った年も、肩書きの並びも揃っていますから。
ただ、その人が何のためにそこにいるかまで揃っていることは、そう多くありません。
重なっている部分が多いほど、残りの違いは見えにくくなります。
方角が違えば、前も後ろもありません。
一人だけ、思い浮かべてみてください
この記事でお渡ししたい問いが一つあります。
いま、いちばん胸が重くなる相手を思い浮かべてください。
その人がいま立っている場所に、あなたが立てたとします。
着いた日は、きっと嬉しいでしょう。
聞きたいのは、その次の日のことです。
そこに辿り着いた翌日、あなたは何をしていますか?
朝起きてから最初にすることを、一つだけ思い浮かべてみてください。
そこに動作が浮かぶなら、それがあなたの方角です。
浮かばないなら、ほしかったのは場所ではなく、前にいるという位置のほうだったのかもしれません。
順位がほしい日もあります。それも本当の気持ち。
ただ、順位で手に入る安心は、次の一人が現れるまでの長さになることは覚えておいてください。
翌日の様子が思い浮かばないならば、まだ核となる言葉が掴み切れていないだけです。
言葉にしていないものは、まだ誰にも渡していません。
あなたの方角は、今日も手元にあります。
★ 新しい地図を週1で開いていきます。更新はお気に入り登録で受け取れます。
【もう一歩、自分を整理したい方へ】
この記事は「問い」を一つ渡すところまでです。
着いた翌日の景色がまだ像を結ばないなら、白うさぎがその一日を映すところを引き受けます。
どちらへ進むかまで決めたい段階に来ているなら、赤の女王のほうが近い一枚です。
▸ 転機を一緒に橋渡し(赤の女王|3,500円)
▸ 絵と読み解きを手元に残す(白うさぎ|1,500円)
▸ まずは最小の一歩(青い芋虫|500円・テキスト3枚引き)
▸ 物語で深く(虹のかなた|7,000円)