引き受けたものを、最後は自分の手で仕上げてしまう方へ。
「はい、それはこちらでやっておきます」
会議の終わりに、気づくと自分の口から出ている一言があります。
説明して、待って、手直しをお願いする。
その順番の面倒くささを思えば、手元へ引き取るほうが短く済みますよね。
あなたにも、引き取ったきり行き先を誰にも聞かれていない仕事はありませんか?
引き取った仕事は、あなたの手でちゃんと片付いています
手元へ集めた仕事は、実際に終わっています。
締切に遅れたわけでも、仕上がりが落ちたわけでもありません。
引き取るという判断は、そのつど正しく働いています。
ただ、渡さなかった分、起こらなかったことが一つあります。
仕事を誰かに渡すと、受け取った相手が一度は聞いてきますよね。
「これは何のために出す資料ですか?」
「いつまでに、どこへ届けばいいですか?」
答えるために、あなたはそこで一度だけ行き先を言葉にします。
渡すという動作には、行き先を口に出す時間がセットです。
自分の手に残したものには、それがありません。
頭の中では分かっているので、わざわざ言い直す機会がないのです。
だから行き先が消えたのではありません。一度も声に出さないまま、進んでいるだけです。
では、その状態が長く続くと?
半年前に決めた行き先のまま走り続けている仕事が、手元に残っていきます。
その一本は途中で行き先を聞かれていないので、たとえ古くなっていても、誰かがそれを指摘する場面は訪れません。
「戦車」が念押ししているのは、行き先のほうです
タロットには「戦車」と呼ばれるカードがあります。
勝利・意志・前進といった言葉が解釈本などに並んでいます。
逆位置では、行き先を見失うことや、進んでいるのに前へ出られないことを表すとされています。勢いを見るカードだと読まれます。
このカードについては、前へ進むだけでは足りず、はっきりした目的地が要るという読み方もあります。
目的地がないまま走ると、誰も望んでいない場所へ着いてしまうからです。
ですから私は、その日どれだけ進んだかよりも、進んだ先がどこだったのかを見ています。
引き取った仕事は、どれもあなたが進めると決めたものです。
足りないのは決意ではなく、行き先を一度だけ声にする時間のようです。
行き先は、口に出したときにだけ確かめられます
今抱えている仕事のうち、誰にも渡していない一つを選んでください。
今日あなたの手元に残ったもので、構いません。
この記事から持って帰れるものは、一問だけです。
その一つは、どの行き先のために手元へ残した仕事でしたか?
一息で答えが出たなら、その仕事はもう行き先を持っています。
言葉が出てこないものがあっても、あなたのやってきたことが無駄だったという意味ではありません。渡していれば誰かが聞いてくれた質問が、今日は自分に届いただけです。
行き先を一度でも声にした仕事は、そこから先を変えられます。
(相手そのものが重荷になっている方は、こちらの記事に書いています)
★ 新しい地図を週1で開いていきます。更新はお気に入り登録で受け取れます。
【もう一歩、自分を整理したい方へ】
この記事は「問い」を一つ渡すところまでです。
行き先を言えないのに、それでも人に渡す気になれない一つが残ることがあります。
そこで要るのは行き先を決めることよりも、なぜ自分の手元に置いておきたいのかを先に見ることかもしれません。
渡すか手元に置くかを決める段階まで来ているなら、【赤の女王】が向いています。
その前になぜ置いておきたいのかを見るなら、【白うさぎ】からどうぞ。
▸ 絵と読み解きを手元に残す 【白うさぎ】|1,500円
▸ 転機を一緒に橋渡し 【赤の女王】|3,500円
ほかに、【青い芋虫】(500円・テキスト)と【虹のかなた】(7,000円・物語)もあります。