評価されるほど、なぜか肩に力が入る方へ
「さすがですね」
そう言われた瞬間に、うれしさより先に、ヒヤリとしたものが走りませんか?
口では「ありがとうございます」と返しながら、頭の中ではもう次の計算が始まっている。
次は落とせない。ここで気を抜いたら見抜かれる。
評価が上がるほど、休むのが下手になっていく。
もしその感覚に覚えがあるなら、足りないのは自信ではないのかもしれません。
自信の量ではなく、受け取り口のほうが詰まっている
実力があるのに、その実力を自分のものとして数えられない。
この状態には名前がついていて、インポスター症候群と呼ばれます。真面目に仕事をしている人ほど起きやすいと言われます。
やっかいなのは、証拠を足しても解決しないところです。
資格を取れた→運が良かっただけ。
任される→他にいなかっただけ。
感謝される→相手が優しいだけ。
積み上げた分だけ、打ち消す理由も一緒に思い浮かんでしまうのです。
足りないのは証拠ではありません。証拠を受け取る口のほうが、詰まっています。
褒め言葉が「受け取り証」ではなく「前借り」になる
ここに一つ、仕組みがあります。
褒め言葉は本来、終わったことに対して渡されるものです。
「あの日のあれは、よかった」と、過去に向かって置かれる受け取り証のようなもの。
ところが不安の強い日には、同じ言葉が未来に向けて読まれます。
「次もこのくらいはできるよね」
そう受け取った瞬間に、言葉は贈り物ではなく前借りへ変わります。借りたものは、返さなければいけません。
だから褒められた日ほど予定が増え、見直しの回数が増え、休む理由がなくなっていきます。
うれしいはずの一言が、そのたびに残高を減らしていきます。
私はこれを、自信の問題として扱わないことにしています。
自信の量ではなく、その言葉をどの時間軸で読んだかの問題だと思っているからです。
タロットの「魔術師」は、才能ではなく意志のカード
タロットの1番は「魔術師」といいます。手品師のような姿から、特別な才能に恵まれた人のカードだと思われがちです。
でも解釈辞典などに並ぶ核の言葉は、才能ではなく意志のほうです。
創造・顕現・集中といった言葉が指すのは、何もないところから生み出す力ではありません。すでに手元にあるものを、自分の意志で組み合わせる力のほうです。
つまりこのカードが問うているのは、持ち物の量ではありません。
それを自分の意志で使ったかどうかのほうです。
「たまたまです」と答えるとき、私たちは自分の意志をなかったことにしています。運が動かしたことにしておけば、次の期待まで背負わずに済むからです。代わりに、うまくいった理由も手元に残りません。
(カードを鏡として使う考え方については、最初の記事に書いています)
その一言を、明日ではなく昨日に向けて読み直す
この記事が渡せるのは、答えではなく問いのほうです。一つだけお持ち帰りください。
「あの人は、私の何を見て、そう言ったのだろう?」
直近でもらった言葉を一つ思い出して、その人が見ていた場面のほうを書いてみてください。
資料の直し方、締切前の一報、詰まった人への声のかけ方。
相手が見たのは、あなたの人格ではなく、あなたがした一つの動きです。
その動きが書き出せたなら、言葉は前借りではなくなります。
すでに済んだことの記録に戻って、返済の期限も消えます。
長い文章は要りません。動詞が一つ書ければ十分です。
次に「さすがですね」と言われたら、返事の前に一拍だけ、その人の目線を思い出してみてください。
あなたが数えていないところで、誰かはもう、あなたの手元を見ています。
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【もう一歩、自分を整理したい方へ】
この記事は「問い」を一つ渡すところまでです。
"あなた自身の3枚"で今の景色を映してみたい方は、下の鑑定をどうぞ。
褒められて不安になる状態を読むなら、白うさぎがいちばん近い一枚です。
▸ 絵と読み解きを手元に残す(白うさぎ|1,500円)
▸ まずは最小の一歩(青い芋虫|500円・テキスト3枚引き)
▸ 転機を一緒に橋渡し(赤の女王|3,500円)
▸ 物語で深く(虹のかなた|7,000円)