木造22年はもう古い?銀行が35年融資を出す劣化対策等級3とは

木造22年はもう古い?銀行が35年融資を出す劣化対策等級3とは

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マネー・副業
不動産投資を始めた方の中には、
「木造アパートの耐用年数は22年」
と、認識している方も多いのではないでしょうか。
実際、税務上の法定耐用年数は木造住宅で22年と定められています。

しかし近年、一部の金融機関では劣化対策等級3を取得した木造アパートに対して35年の融資期間を設定するケースも見られます。
私自身も、某地方銀行で、劣化対策等級3を取得した木造アパートに35年融資を付けた事例を確認しています。
では銀行はなぜ、法定耐用年数22年の木造住宅に対して35年もの融資を行うのでしょうか。

今回は、不動産投資家が知っておきたい「劣化対策等級3」について分かりやすく解説したいと思います。

■ 劣化対策等級3とは?
劣化対策等級とは、2000年(平成12年)に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく住宅性能表示制度における評価項目の一つです。
簡単に言えば、
「この建物はどの程度長持ちするように設計されているか」
を評価する制度です。
等級は1から3まであり、数字が大きくなるほど高性能になります。
一般的には次のように考えると分かりやすいでしょう。

等級1 最低限の基準を満たしている住宅
等級2 通常想定される住宅よりも劣化しにくい住宅
等級3 長期間にわたり良好な状態を維持できるよう対策された住宅

つまり劣化対策等級3とは、
「将来の建物劣化を抑えるための工夫が多く盛り込まれた住宅」
ということになります。

■ 長期優良住宅と何が違うの?
ここは非常に混同されやすいポイントです。

長期優良住宅と劣化対策等級3は同じものではありません。
劣化対策等級3は住宅性能表示制度における一つの評価項目です。
一方、長期優良住宅は国から認定を受ける制度です。
イメージとしては、

• 劣化対策等級3 = 通信簿の1科目
• 長期優良住宅 = 通信簿全体の総合評価

のような関係です。
長期優良住宅の認定を受けるためには、

• 劣化対策
• 耐震性
• 維持管理性
• 省エネ性能

など複数の基準を満たす必要があります。
つまり、
劣化対策等級3だから長期優良住宅とは限らない。

一方で、
長期優良住宅の多くは高い劣化対策性能を備えている
という関係になります。
現在の「長期優良住宅」の認定基準では、原則として劣化対策等級3相当が求められています。

■ 劣化対策等級3は木造だけの制度ではない
「劣化対策等級って木造住宅の話ですよね?」
と思われる方が多いと思います。
しかし実際はそうではありません。
劣化対策等級は、

• 木造
• 鉄骨造
• RC造(鉄筋コンクリート造)
• SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

など、様々な構造に対応しています。
構造ごとに評価する内容が異なります。

■ 木造住宅の場合
木造住宅では、
• 木材の腐朽
• シロアリ被害
などへの対策が評価されます。
いくら建物をしっかり建てても、土台や柱が腐ってしまえば建物の寿命は大きく縮んでしまいます。
そのため、
• 防腐処理
• 防蟻処理
• 通気性の確保
などが重要な評価ポイントになります。

■ 鉄骨造の場合
鉄骨造ではシロアリは関係ありません。
代わりに、
鉄骨のサビや腐食への対策が評価されます。
例えば、
• 防錆処理
• 換気対策
• 湿気対策
などです。
鉄骨は強度が高い反面、サビが進行すると性能低下につながるため、長期的な耐久性を確保するための対策が重要になります。

■ RC造の場合
RC造では、
• コンクリートの中性化
• 鉄筋腐食
などへの対策が評価されます。
一般的にRC造は耐久性が高いイメージがありますが、
適切な品質管理や施工が行われなければ劣化は避けられません。
そのため、
• コンクリート品質
• 鉄筋のかぶり厚さ
• 耐久設計
などが評価対象になります。

■ なぜ銀行は35年融資を行うのか
ここが投資家にとって最も重要なポイントです。
木造住宅の法定耐用年数は22年です。
しかし、銀行は融資期間を決める際に法定耐用年数だけを見ているわけではありません。
実際には、

• 建物の品質
• 耐久性
• 維持管理性
• 将来的な資産価値

なども総合的に評価しています。
つまり、
「木造だから22年しかもたない」
という考え方ではなく、
「適切な対策が施されている建物なら長期間使用できる」
という視点で判断しているのです。
そのため、劣化対策等級3を取得している物件は金融機関から高く評価され、より長い融資期間が認められるケースがあります。
もちろん融資期間は金融機関ごとに異なりますが、
最近では劣化対策等級を融資判断の材料として活用する金融機関も増えています。

■ これからの物件資料で確認したいポイント
これから新築や築浅物件を検討する際は、利回りや立地だけでなく次の書類も確認してみてください。

• 設計住宅性能評価書
• 建設住宅性能評価書
• 長期優良住宅認定通知書

これらの資料が残っている物件であれば、劣化対策等級などの性能を確認することができます。
特に新築アパートを検討している方は、
「この物件の劣化対策等級はいくつですか?」
と販売会社や建築会社へ確認してみることをおすすめします。
見た目は同じ木造アパートでも、金融機関の評価が大きく異なるケースがあるからです。

■ 建物性能が融資条件を変える
不動産投資では、つい利回りばかりに目が向きがちです。
しかし金融機関は、建物の耐久性や品質も重要な判断材料として見ています。
劣化対策等級3は単なる建築知識ではありません。
投資家にとっては、
「より長い融資期間を引き出すための重要な評価項目」
とも言えるでしょう。

そして、この論点は、購入時の融資期間だけにとどまりません。
将来売却する際にも、買主が長期融資を利用しやすくなる可能性があり、物件の競争力向上にもつながります。
つまり、出口戦略を立てやすくする要素のひとつでもあるのです。

不動産投資において、建物性能は収益性と資産価値の双方に影響を与えます。
今後、物件資料を見る際には表面利回りだけでなく、ぜひ劣化対策等級にも注目してみてください。

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