収益不動産を探していると、
「土地が広いから安心」
「駐車場がたくさん取れるから有利」
「将来売却するときも高く売れそう」
そんな話を耳にすることがあります。
私自身も以前は、
「同じ建物なら土地は広い方が有利だろう」
と思っていました。
確かに、土地は建物のような経年劣化はありませんので、資産としての安定感があります。
ところが、実際に30年間の収支シミュレーションを行ってみると、少し違った結論が見えてきました。
そこで今回は、
「コンパクトな土地」と「広い土地」
どちらが収益不動産として有利なのか を、長期収支シミュレーションで検証してみたいと思います。
■ 結 論
まずは、結論からお伝えします。
今回のシミュレーションの結果では、
✅ 年間キャッシュフローは 「コンパクトな土地」 が有利
✅ DSCRも 「コンパクトな土地」 が有利
✅ IRR(投資効率)も 「コンパクトな土地」 が有利
✅ ところが30年後の純資産額は、ほぼ同水準
という結果になりました。
つまり、
「土地が広いから必ずしも有利とは言えない」
ということです。
むしろ収益不動産という視点では、
「必要以上に広い土地は投資効率を下げる可能性がある」
ことが見えてきました。
■ シミュレーション条件
今回比較したのは次の2パターンです。
ケースA(コンパクトな土地)
• 駐車場8台
• 1戸につき1台確保
• 必要最小限の土地構成
ケースB(広い土地)
• 駐車場16台
• 1戸につき2台確保
• 余裕のある土地構成
建物の規模や家賃条件は同じとし、
違うのは土地面積とそれに伴う取得価格だけです。
モデルケースとしたのは、地方都市の1棟アパートです。
基本条件
比較結果
■ なぜコンパクトな土地が有利なのか?
理由は案外シンプルです。
土地が広くなると、
当然ながら購入価格も高くなります。
購入価格が高くなれば、
借入額も増えます。
すると、
• 利息負担が増える
• 元金返済が増える
• 固定資産税も増える
という現象が起こります。
ところが、
土地が2倍になったからといって、
家賃収入も2倍になるわけではありません。
ここがポイントです。
つまり、
増えた土地代に対して収入の増加がないのです。
■ キャッシュフローで見ると差はさらに明確
毎月の収支で考えてみましょう。
「広い土地」の物件は資産価値が高くなる一方で、
借入返済や税金の負担も増えます。
その結果、
手元に残るお金は意外と増えません。
一方で「コンパクトな土地」は、
余計な支出を抑えられるため、
毎年のキャッシュフローが大きくなります。
不動産投資において、
現金が残ることのメリットは想像以上に大きいものです。
新しい投資への資金にもなりますし、
金利上昇や大規模修繕への備えにもなります。
■ 一番驚いたのは30年後の純資産額
検証するまでは、もっと大きな差が出ると思っていました。
土地が広いのだから、
当然純資産額も大きくなるだろうと考えていたのです。
ところが結果は違いました。
「広い土地」のケースでは、
確かに土地の資産が多く残ります。
しかしその一方で、
「コンパクトな土地」のケースでは、
キャッシュフローが積み上がります。
その結果、
30年後の純資産額は、両者ともほぼ同水準となりました。
土地で稼いだ分と、
キャッシュで稼いだ分が、
最終的に累計した結果、近い数字になったのです。
■ IRRで見るとさらに興味深い
不動産投資では、
「どれだけ儲かったか」だけでなく、
「投じたお金に対してどれだけ効率よく儲かったか」
も重要です。
これを示す指標がIRRです。
今回のシミュレーションのIRRの結果を表とグラフに表示します。
「コンパクトな土地」の方がIRRは高くなりました。
つまり、
投資家目線で見ると、
土地を広くしたことによる追加投資が、必ずしも大きな成果につながっていなかったということです。
■今回のシミュレーションから見えたこと
不動産投資を始めたばかりの頃は、
どうしても
「広い土地=安定的な資産価値」
と考えがちです。
もちろん、
再開発の可能性がある土地や、
将来別用途への転用が期待できる土地であれば話は別です。
しかし純粋な収益不動産として考えた場合、
重要なのは土地の広さではありません。
重要なのは、
その土地が収益を生み出すために必要十分かどうか
です。
言い換えれば、
今回の収支シミュレーションから導き出された答えは、
「土地は広いほど良いのではなく、最小限が最適な投資」
ということです。
■ まとめ
今回の30年収支シミュレーションでは、
✅ 「土地が広い」と取得価格が上がる
✅ 「土地が広い」と借入額が増える
✅ 「土地が広い」と利息や固定資産税も増える
✅ キャッシュフローは「コンパクトな土地」が有利
✅ IRRも「コンパクトな土地」が有利
✅ 純資産額は意外にも大差がない
という結果になりました。
収益不動産において、
本当に見るべきなのは土地の面積ではありません。
その土地がどれだけ効率よくお金を生み出してくれるか。
今回の検証では、
そんな当たり前だけれど見落とされがちな事実が理解出来ました。
私はココナラで、収益不動産の長期収支シミュレーションサービスを提供しています。
「購入を検討している物件がある」
「将来のキャッシュフローを確認したい」
「金利上昇や空室リスクも含めて判断したい」
という方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。
感覚ではなく、数字で不動産投資を考えてみませんか?