1. 先に結論
ココナラで「インボイス発行事業者」に登録している出品者は、何割いるのか。今日、検索で上位に出た出品者のページを、ログインしていない状態で1件ずつ読んで数えました。
登録していたのは、56人中15人でした。26.8%です。
同じプロフィール欄に並んでいる「本人確認」は55人(98.2%)、「機密保持契約(NDA)」も55人(98.2%)でした。3つとも同じ場所に表示される項目なのに、インボイスだけが4人に1人です。
そして登録していない場合は、同じ場所に「未登録」と表示されます。何もしないという状態も、そのまま公開されています。
2. なぜこれを書いたか
「ココナラ インボイス 登録していない」で検索すると、1番目に出てくるのはYahoo!知恵袋の質問です。
その下に並ぶ記事も「登録するべき?」「取るべき?」という意見や、制度そのものの解説でした。実際にココナラの出品者が何割登録しているのかを数えた記事は、1ページ目に1本もありませんでした。
自分が少数派なのか多数派なのかは、意見ではなく数で分かることです。それなら数えられると思って数えました。
3. 測り方(同じ手順で再現できます)
やったことは3つだけです。
・シークレットウィンドウ(プライベートウィンドウ)を開く
・出品者のサービスページを開く
・「出品者プロフィール」の欄を読む
この欄に「インボイス発行事業者 未登録」と出ていれば未登録です。「未登録」が付いていなければ登録済みです。
集め方は、8つの言葉(プロンプト、ロゴ、占い、イラスト、動画編集、ライティング、SEO、Excel)で検索して、上位に出たサービスページを62件集めました。同じ出品者が複数のサービスを出していることがあるので、出品者IDで数え直して56人分にしています。
注意点が1つあります。ページの中に「インボイス」という文字があるかどうかで判定すると、全員が「登録済み」になります。ページには説明用の定型文が入っているためです。判定は「項目名の直後に『未登録』が付くかどうか」で行う必要があります。
4. 56人のうち15人でした
出品者を1人1票にして数えた結果です。
・本人確認:55人 / 56人(98.2%)
・機密保持契約(NDA):55人 / 56人(98.2%)
・インボイス発行事業者:15人 / 56人(26.8%)
本人確認とNDAは、ほぼ全員が済ませていました。インボイスだけが4人に1人です。
3つは同じ欄に並んでいて、同じ設定ページから申請できます。手間の差ではなく、判断の差で分かれているように見えます。
5. 登録率には山がありました
サービス62件を、出品者の累計販売実績で分けてみました。
・1〜9件:0%(2件)
・10〜99件:13%(8件)
・100〜999件:37%(35件)
・1,000件以上:24%(17件)
実績が増えるほど登録率が上がっていきますが、1,000件以上でまた下がります。
ただし各段の件数が少ないので、これは傾向までです。「1,000件を超えると登録しなくなる」という意味には読めません。
6. 登録すると、表示価格が税抜きになります
ここからは公式ヘルプに書いてあることです。私の解釈ではなく、書かれている文をそのまま引きます。
「ココナラで課税事業者に登録するとサービス価格に別途消費税が10%かかります」
「適格請求書(インボイス)発行事業者登録をしている出品者のサービスページの消費税は税抜き表示としております。サービス購入時に消費税が加算されます。」
つまり、登録すると自分のサービスページの表示が税抜きになり、購入時に消費税が上乗せされます。買う側から見える支払額は、その分だけ増えます。
同じ1,000円のサービスでも、未登録の出品者なら1,000円、登録済みの出品者なら1,100円という見え方になります。
7. 自分の登録番号は購入者に渡りません
これも公式の文です。
「通常インボイスは販売者側が発行するものですが、ココナラでは媒介者交付特例を採用しており、ココナラの登録番号のみ適格請求書(インボイス)に記載されます。出品者自身の登録番号は記載されません。」
購入者が受け取る書類に載るのは、ココナラの登録番号(T9010701026061)だけです。
公式ヘルプはこれに続けて「国税庁の適格請求書発行事業者公表システムの検索機能を通じて個人情報が知られることはありませんのでご安心ください」と書いています。
ここは分けて読んだほうがいいと思います。ココナラが購入者に渡すのはココナラの番号だけ、というのは書いてあるとおりです。一方で、登録番号を取ること自体はココナラではなく国税庁での手続きです。ココナラのヘルプにも「インボイス登録番号を取得したい方は、国税庁で申請手続きを行ってください」と書かれています。
8. 未登録の出品者から買うとどうなるか
買う側の話です。公式の文はこうなっています。
「サービス購入時点で出品者がココナラ上にて『適格請求書(インボイス)発行事業者』の登録を行っていない場合、『サービス料金』に関する適格請求書(インボイス)の発行はできません。」
「一方で、ココナラの『サービス手数料』については、インボイス発行事業者である当社へお支払いいただいているため、出品者の登録状況に関わらず、消費税額が明記されます。」
全部が発行できないわけではなく、サービス料金の分だけが発行できない、という書き分けです。
9. 登録の前に本人確認が要ります
順番は決まっています。
「本人確認が行われていない場合、課税事業者・適格請求書発行事業者の登録ができません。必ず本人確認完了後に登録を行ってください。」
もう1つ条件があります。
「国税庁に登録した情報と、本人確認時の出品者情報(個人なら氏名、法人なら法人名)が同様でないと登録ができません。」
エラー文言も公開されていて、「出品者情報に登録されている氏名が違います」「登録番号に誤りがあるため…Tから始まる13桁の数字と一致しているか確認をお願いします」と書かれています。国税庁側の氏名とココナラ側の氏名が一致していないと通らない、ということです。
なお本人確認そのものについては、何が公開されて何が公開されないのかを別の記事で56人分測りました。公開されるのはプロフィール欄の3行だけでした。
10. 公式は「登録は任意」と書いています
登録すべきかどうかについて、ココナラ自身がこう書いています。
「適格請求書(インボイス)発行事業者及び課税事業者の登録は任意となっています。登録するか否かはご自身でご判断ください。」
私は税理士ではないので、この記事でも「登録すべき」「しないほうがいい」は書きません。書けるのは、何割の人が登録しているかという数字と、公式が何と書いているかだけです。
判断材料としては、この2つで足りるとも思っています。上乗せされる10%を誰が負担するか、購入者に発行を求められる場面があるか。それは出しているサービスによって違います。
11. この記事の限界
正直に書いておきます。
・検索の上位から集めたので、無作為抽出ではありません。上位の出品者ほど熱心に設定を済ませている偏りがありうるので、実際の全体の登録率はこれより低い可能性があります。
・同じ手順で30分後に測り直したら、サービス単位の登録率が27.4%から29.0%に動きました。検索結果が入れ替わるので、この程度は上下します。
・登録している人ほど売れている、という因果は言えません。順番がどちらなのか分かりません。
・累計販売実績で分けた4段は、それぞれ2件・8件・35件・17件と少ない数です。
・私自身は未登録です。登録した場合に画面がどう変わるかは、実際には見ていません。
12. まとめ
ログインしていない状態で、56人の出品者ページを読んだ結果です。
インボイス発行事業者に登録していたのは15人、26.8%でした。同じ欄の本人確認とNDAは98.2%だったので、この項目だけが明確に分かれています。
登録すると、自分のサービスページの表示が税抜きになり、購入時に消費税が上乗せされます。
自分の登録番号が購入者に渡ることはありません。載るのはココナラの番号だけです。
登録は任意だと公式に書かれています。この記事の数字は、その判断のための材料の1つとして使ってください。
この記事の数字はすべて2026年8月4日に実際に取得したものです。
本人確認とNDAで何が公開されるのかを、同じ56人分で測った記事はこちらです。
同じやり方でココナラ全体を数えたデータと、出品作業で使っているプロンプトを、コンテンツマーケットに出しています。