1. 先に結論
ココナラで本人確認とNDA(機密保持契約)を済ませると、他の人から何が見えるようになるのか。今日、自分のページと、他の出品者の62件のサービスページ(出品者にすると56人分)を、ログインしていない状態で取得して数えました。
公開されていたのは、出品者プロフィール欄の3行だけでした。
・本人確認
・機密保持契約(NDA)
・インボイス発行事業者
氏名も住所も、62件すべてのページに出てきませんでした。
そして、済ませていない人のページには、同じ場所に「未登録」と表示されます。つまり、やってもやらなくても、その状態は公開されます。
2. なぜこれを書いたか
「ココナラ 本人確認 安全」で検索すると、3番目にYahoo!知恵袋の質問が出てきます。「ココナラの本人確認ってしても大丈夫でしょうか?安全ですか?」という質問で、196人が読んでいます。
ベストアンサーは「長く続いているサービスですしテレビコマーシャル等もやっていましたので安全ですよ」でした。
同じページの関連質問には「個人情報が抜かれているのではないかと心配です」「何か裏があるのでは…と不信感がつのります」が並んでいます。
知りたいのは会社の信用度ではなく、「自分の何が、誰に見えるようになるのか」だと思いました。それは測れば分かることなので、測りました。
3. 測り方(5分で再現できます)
ログインした状態で自分のページを見ても、確認になりません。自分にだけ見えている情報が混ざるからです。
私がやったのはこれだけです。
・シークレットウィンドウ(プライベートウィンドウ)を開く
・自分のサービスページのURLを開く
・「出品者プロフィール」の欄を読む
他の人の分は、8つの言葉(プロンプト、ロゴ、占い、イラスト、動画編集、ライティング、SEO、Excel)で検索して上位に出たサービスページを62件集め、同じ欄を1件ずつ読みました。同じ出品者が複数のサービスを出している場合があるので、出品者IDで数え直すと56人分です。
4. 公開されているのは3行だけでした
私のページの「出品者プロフィール」欄は、こう表示されていました。
アイQ ラボ / 本人確認 / 機密保持契約(NDA) / インボイス発行事業者 未登録 / 総販売実績 0 / 評価 0.0 / フォロワー 0
本人確認とNDAには何も付いていません。インボイスにだけ「未登録」と付いています。
62件すべてで、住所の書式(丁目・番地・〒+数字)は0件でした。「氏名」「本名」といったラベルも0件でした。
5. 「していない」ことも公開されます
済ませていない出品者のページは、同じ欄がこうなります。
本人確認 未登録 / 機密保持契約(NDA) 未登録 / インボイス発行事業者 未登録
これが今回いちばん意外だった点です。本人確認は「やると何かが公開される」ものだと思っていましたが、実際は「やっても、やらなくても、その状態が公開される」ものでした。
黙って見送る、という選択肢は表示上ありません。
6. 56人のうち55人が済ませていました
出品者を1人1票にして数えた結果です。
・本人確認 済み:55人 / 56人(98.2%)
・機密保持契約(NDA) 済み:55人 / 56人(98.2%)
・インボイス発行事業者 登録:15人 / 56人(26.8%)
本人確認をしていなかったのは1人だけでした。
インボイスが26.8%なのは対照として大事だと思っています。「並んでいる項目は全部登録するのが普通」ではありません。本人確認とNDAだけが、ほぼ全員に行き渡っています。
7. インボイスの登録率には山がありました
ついでに、その出品者の累計販売実績と並べてみました。サービス単位の62件で数えた数字です。
・1〜9件:0% (2件)
・10〜99件:13% (8件)
・100〜999件:37% (35件)
・1,000件以上:24% (17件)
実績が増えるほど上がりますが、1,000件を超えると下がります。ただし各段の件数が少ないので、傾向として受け取ってください。
8. NDAは購入者との契約ではありません
公式ヘルプに載っている契約書を読んで、私が誤解していたことが分かりました。
甲=出品者、乙=株式会社ココナラです。購入者は契約の当事者ではありません。
そして守る対象は、購入者に関する情報でした。「サービス購入者が甲に対して相談または依頼した事実」「購入した事実」「購入者から受領した一切の情報」を第三者に漏らさない、という内容です。
つまり、自分の情報を守ってもらう契約ではなく、自分が購入者の情報を守る側の契約です。
9. 増えるのは義務ではなく「表示」です
公式ヘルプにこう書いてあります。
「すでにココナラ利用規約で定められていますが、改めてココナラと契約締結することで、ページ内に表示されるため出品者としての信頼感が増し、購入者から購入や見積り依頼が届きやすくなり、双方にメリットがあります」
秘密を守る義務は、締結してもしなくても利用規約で既に負っています。締結して変わるのは、それがページに表示されるかどうかです。
これは公式が自分で書いていることなので、私の推測ではありません。
10. ただし損害賠償の条項はあります
「表示が増えるだけ」で終わらせると不正確なので、書いておきます。
締結ページにはこう書いてあります。
「本契約に違反すると、8条に基づき損害賠償を請求させていただく場合がございますので、契約の遵守をお願いいたします」
私はこれを読んで、締結する前に一度手を止めました。ただ、義務の中身が利用規約と同じであれば、守るべきことも同じです。取引で知ったことを外に出さない、という当たり前の話でした。
11. 契約書に入るのは氏名だけでした
締結後の契約書を開くと、冒頭が「(氏名)(以下「甲」という)と株式会社ココナラ(以下「乙」という)とは」となっていました。
住所は入っていません。丁目・番地・〒の書式を探しましたが0件でした。
この契約書は自分のマイページからしか見えません。ページをログインなしで取得しても、契約書は出てきませんでした。
もうひとつ、締結ページにこう書いてありました。「プロフィールが更新された場合、契約締結済み情報も自動的に更新されます」
12. 申請から承認までは翌日でした
私の場合の実測です。
・8月2日に申請
・8月3日 19時24分に「本人確認の手続きが完了いたしました」というメールが届く
方式は、株式会社Liquidの「LIQUID eKYC」を使ったスマートフォンでの撮影でした。提出する書類は、次の6つから1つです。
運転免許証 / 運転経歴証明書 / パスポート(2020年2月3日以前に発行されたもの) / 在留カード / 特別永住者証明書 / マイナンバーカード
パスポートにだけ発行日の条件が付いています。理由は書かれていませんでした。
これらが用意できない場合は、住民票と健康保険証などを組み合わせる別の方法があり、そちらは「5営業日以内に承認可否を案内します」と書かれていました。
なお、NDAは本人確認が承認されてからでないと締結できません。順番は固定です。
13. この記事の限界
正直に書いておきます。
・62件は、8つの言葉の検索結果の上位から集めました。ココナラ全体からの無作為抽出ではありません。上位に出る出品者ほど済ませている、という偏りがある可能性があります。
・同じ出品者が複数のサービスを出しているため、62件は56人分です。率は出品者単位で数え直しています。
・インボイスの登録率は、同じ手順で30分後に測り直したら27.4%から29.0%に動きました(サービス単位)。検索結果が入れ替わるので、この程度は上下します。
・本人確認をしていなかったのは1人だけなので、「未登録」の表示は1例しか確認できていません。
・承認までの時間は私1人分です。混み具合で変わると思います。
・購入後のトークルームの中で購入者に何が見えるかは、今回測っていません。まだ取引が発生していないためです。
・私は税理士ではないので、インボイスを登録すべきかどうかの判断は書いていません。書いたのは「実際に何割が登録しているか」だけです。
14. まとめ
ログインしていない状態で、自分と他の出品者の62件のサービスページ(56人分)を取得した結果です。
公開されていたのは、本人確認・NDA・インボイスの3行だけでした。氏名も住所も出てきませんでした。
済ませていない人には「未登録」と表示されます。やらないことも公開されます。
56人のうち55人(98.2%)が本人確認とNDAを済ませていました。一方でインボイスは15人(26.8%)だけでした。
NDAは購入者との契約ではなく、ココナラとの契約です。守る対象は購入者の情報で、その義務は利用規約で既に負っています。
契約書に入るのは氏名だけで、住所は入りませんでした。
この記事の数字はすべて2026年8月4日に私が測ったものです。
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