「情報管理を見直した方がいい」
そう思って確認を始めたものの、
退職者アカウント。
共有フォルダ。
バックアップ。
クラウドサービス。
アクセス権限。
取引先からのセキュリティ確認。
気になることが次々に出てきて、
「結局、何から手を付ければいい?」
となってしまうことがあります。
専任IT担当者がいない職場では、総務・経理・管理部門などが通常業務と並行して対応することも多く、すべてを同時に進めるのは現実的ではありません。
そこで今回は、
情報管理の課題が複数見つかったとき、最初に取り組む3つを決めるための5つの視点
を整理します。
1.「今、実際に起きていること」はないか
まず確認したいのは、
すでに何かが起きているか
です。
たとえば、
退職者が出た。
担当者が異動した。
新しいクラウドサービスを導入した。
管理者が変わった。
取引先から確認票が届いた。
などです。
こうしたものは「いつか確認したい課題」ではなく、
今の業務として処理する必要がある課題
です。
たとえば退職者がいるなら、
アカウント。
共有ファイル。
クラウドサービスの管理者。
外部業者に渡したID。
などを確認する必要があるかもしれません。
まず、
今起きている出来事に関係するもの
を優先候補にします。
2.外部から期限を求められていないか
次に確認したいのが、
期限の有無
です。
たとえば取引先から、
「○月○日までにセキュリティ確認票を提出してください」
と言われている場合。
社内ではバックアップや共有フォルダも気になっていたとしても、まず期限のある確認票への対応を進める必要があります。
ほかにも、
契約更新。
システム切替。
退職日。
監査。
社内会議。
など、期限が決まっているものがあります。
情報管理では、
重要度だけではなく、いつまでに対応する必要があるか
も優先順位を決める材料になります。
3.問題が起きたときの影響は大きいか
期限がなくても、
問題が起きたときの影響が大きいものは優先して確認します。
たとえば、
顧客情報。
従業員情報。
会計・給与データ。
日常業務で使用する共有フォルダ。
会社のメール。
バックアップ。
などです。
もし使えなくなったら業務が止まる。
外部へ漏れたら取引先にも影響する。
失われたら復旧が難しい。
そのような情報やシステムは、
「まだ事故が起きていないから後で」
ではなく、優先候補として整理します。
4.「誰が管理しているか分からない」ものはないか
情報管理では、
対策の有無だけでなく、
誰が担当しているか
も重要です。
たとえば、
「クラウドの管理者は?」
→分からない。
「バックアップを確認している人は?」
→分からない。
「退職者アカウントを削除する担当は?」
→たぶん総務。
という状態です。
管理者や担当者が分からないものは、
必要なときに確認できない。
担当者が退職すると引き継げない。
事故時の対応が遅れる。
といった問題につながります。
すぐ対策を完了できなくても、
「これは誰に確認すれば分かる?」
を決めるだけで前に進めます。
5.30日以内に動かせるものはあるか
重要な課題でも、
予算。
システム変更。
経営判断。
外部業者との調整。
などが必要で、すぐには改善できない場合があります。
一方で、
不要なアカウントを確認する。
クラウドサービスの管理者を確認する。
共有フォルダのアクセス権を見る。
バックアップ担当者を確認する。
緊急連絡先を整理する。
など、小さく始められるものもあります。
そこで、
「重要なもの」だけでなく、「実際に動かせるもの」も1つ入れる
ことをおすすめします。
全部が大きな課題だと、結局何も進まなくなってしまうからです。
最初の3つを決めてみる
気になる項目を並べたら、
「今起きているか」
「期限があるか」
「影響が大きいか」
「担当者が分からないか」
「30日以内に動かせるか」
という5つの視点で見てみます。
たとえば、
退職者アカウント
→ 今起きている
取引先確認票
→ 期限がある
バックアップ担当者が不明
→ 影響が大きく、担当も不明
という状態なら、
まずこの3つから確認する。
それで十分です。
情報管理を一度に全部完成させる必要はありません。
IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」でも、中小企業が段階的に対策を進める考え方が示されています。
2026年9月30日には「情報セキュリティ6か条(解説編)」などの資料も追加公開されました。
大切なのは、
完璧な計画を作ってから始めることではなく、
自社にとって優先度の高いところから実際に動かすこと
です。
自分で情報管理全体を確認したい方へ
「まず何ができていて、何ができていないか確認したい」
という方向けには、
「情報管理セルフチェック30|自動採点Excel+改善計画+管理台帳」
を用意しています。
アカウント、クラウド、バックアップ、共有、退職・異動などを30項目から確認し、
現在の状態
→ 未対応項目
→ 優先改善候補
→ 30日改善計画
まで整理できます。
「自社の場合、どれを優先する?」を整理してほしい方へ
課題を書き出しても、
「うちの場合は、結局どれから?」
と迷うことがあります。
そんな方向けに、
「情報管理の改善優先順位を3つに整理します」
という個別支援サービスを用意しています。
簡単なヒアリングをもとに、
・現在の状況
・優先改善項目TOP3
・優先する理由
・確認ポイント
・確認担当/確認先の候補
・30日アクション案
・今は後回しにしてよい項目
を、
「情報管理 優先順位整理レポート」
としてお返しします。
電話・ビデオ通話はなく、ココナラのメッセージのみで完結します。
「全部気になる」から、「まずこの3つ」へ。
専任IT担当者がいない総務・経理・管理部門の方向けです。
あわせて読みたい
「取引先へのセキュリティ確認票、『いいえ』があったらどうする?|総務・経理が整理したい5つのこと」
取引先から確認票が届いている場合は、未対応・要確認・担当・期限をどう整理するかをまとめています。
最後に
情報管理を見直すと、
気になることが増えるのは珍しいことではありません。
そこで、
「全部できていない」
と考えるのではなく、
「最初の3つは何にする?」
と考えてみてください。
今起きていること。
期限があること。
影響が大きいこと。
担当者が分からないこと。
そして、実際に動かせること。
この5つから、
まず3つを決める。
それだけでも、情報管理は「気になっていること」から「進めている仕事」へ変わります。
参考:
IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」
IPA「情報セキュリティ6か条(解説編)」
IPA「5分でできる!情報セキュリティ自社診断(解説編)」
※2026年10月1日時点の公開情報をもとにしています。