「すぐにできる人」は、本当に得なのか
ギターを仕事にする前、僕はグラフィックデザイナーとして働いていました。自分で言うのも何ですが、当時は結構要領が良い方だったようで、新しい仕事も、簡単な説明を受ければすぐにこなせるようになっていました。そんなある日、勤めていたデザイン事務所の社長から、今でも忘れられない言葉をかけられました。
「お前みたいに、何でもすぐできるヤツは、本当の技術が身につかない」
正直、そのときは腹が立ちました。
「仕事ができることの何が悪いんだ」
そんなふうに思っていたからです。
本当の技術は、失敗の中で育つ
社長は続けてこう言いました。
「何度も失敗して、何度もやり直した人間の方が、最後は強くなるんだよ」当時の僕には、その意味がよく分かりませんでした。
でも、ギターを教えるようになった今なら、その言葉の重みがよく分かります。
ギターは「上手く弾けない時間」が必要な楽器
レッスンをしていると、最初から器用に弾ける生徒さんもいます。一方で、コードがきれいに鳴るまで何週間もかかる生徒さんもいます。
でも、不思議なことに、長く続けていくと後者の生徒さんの方が大きく成長することがあるんです。
なぜなら、「できない」と悩みながらも楽器に向き合ってきた時間が、その人の土台になっているからです。
一本一本の弦を丁寧に押さえる。
うまく鳴らなかったら、もう一度試してみる。
その繰り返しが、少しずつ演奏を支える力になっていきます。
「できない」は、悪いことではない
YouTubeには、分かりやすいレッスン動画がたくさんあります。僕自身も参考になる動画をたくさん見てきました。
でもそれは、すべての人に同じ内容を届けるものです。
「あなたが今、どこで行き詰まっているのか?」
「なぜ、このコードだけが上手く鳴らないのか?」
そこまでは教えてくれません。
だからこそ、一人ひとりがつまずいている場所を一緒に見つけ、その人のペースで次の一歩を考える時間には、大きな意味があると思っています。
生徒さんが教えてくれたこと
社長から言われた言葉を、当時の僕は素直に受け止めることができませんでした。でも今、何度も挑戦し、少しずつできることを増やしていく生徒さんたちを見ていると、「本当の技術は、失敗を重ねた先に育つ」ということを実感します。
レッスンでは、「早く上手になること」だけを目標にはしていません。
一人ひとりのペースに合わせて、「昨日より少しできるようになった」を積み重ねていくことを大切にしています。
それは、動画では届けにくい、一対一のレッスンだからこそできることだと思っています。
初心者のつまづきにぴったりのレッスンを提供しています。どんな細かなことでも安心してご相談ください。