「あるべき思考」に苦しくなるとき。

「あるべき思考」に苦しくなるとき。

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コラム



前回のお話はこちら✨




「好きなら毎日連絡するべき。」
「恋人なら、相手を不安にさせるべきじゃない。」
「好きなら待たせるべきじゃない。」
「失敗したら、次はちゃんとしなければいけない。」

そんなふうに、頭の中に「こうあるべき」というルールが増えていくと、
気づいた時には苦しくなってしまうことがありますよね。



心理療法のひとつの認知行動療法では、
「〜すべき」「〜しなければならない」といった強い要求的な考え方を、
(べき思考)として扱います。


これは、出来事そのものではなく、
出来事をどう捉えるかという認知に関係する考え方です。



◆こうあるべきが自分を苦しめる



たとえば、好きな人から返信が来ないとき。
「忙しいのかもしれない」
と考えることもできます。


一方で、

「好きならすぐ返信するべき」
「大切に思っているなら、こんなことはしないはず」
と考えると、不安や怒りが強くなることがあります。


ここで大切なのは、

「返信が遅い」という出来事と、
「好きなら返信するべき」という自分のルールを分けて考えること。

相手の行動には、さまざまな理由があるからです。



◆「べき思考」と「完璧主義」は同じではない



「あるべき思考」と一緒に語られやすいのが完璧主義です。


ただし、この2つは同じものではありません。

完璧主義では、
「失敗してはいけない」
「できるなら完璧にやりたい」
といった、高い基準を自分に求める傾向がみられることがあります。


その中で、

「完璧にできなければ意味がない」
「失敗した自分には価値がない」
といった極端な評価につながると、苦しさが強くなることも。



「こうあるべき」というルールと、
「完璧でなければならない」という高い基準は、
似ていても別の考え方です。



◆「相手もこうあるべき」と決めすぎない



恋愛では、自分の中の「普通」が
相手にも当てはまると思ってしまうことがありますよね。


「恋人なら毎日連絡するべき」
「好きなら会いたいと思うべき」
「大切なら言葉にするべき」


でも、これは「恋愛のルール」というより、
自分が安心できる関わり方なのかもしれません。


だから、
「恋人ならこうするべき」
ではなく、

「私はこうしてもらえると安心する」
と言い換えてみる。


すると、「正解を相手に求める」考え方から、
「自分の希望を伝える」考え方に変わります。



◆「〜すべき」を「〜したい」に変えてみる



「毎日連絡するべき」
と思ったら、
「毎日連絡できたら嬉しい」
に変えてみる。


「相手を理解するべき」
ではなく、
「できる範囲で相手を理解したい」
に変えてみる。


この違いは小さく見えて、実は大きいものです。


「〜すべき」は、自分を縛るルールになりやすい。
でも、
「〜したい」は、自分の価値観や希望として捉えることができます。



◆「本当にそうなの?」と一度立ち止まる



べき思考に気づいたら、
「本当に、そうしなければいけない?」
と考えてみる。


そして、

「それは事実?」
「それとも、自分の中のルール?」
「そのルールが守られなかったら、本当にすべてがダメ?」
と分けてみる。


これは、認知行動療法で行われる認知の再評価にもつながる考え方です。

自分の考えを無理に否定するのではなく、
「他の見方もあるかもしれない」
と考えてみる。


それだけでも、気持ちに少し余裕が生まれることがあります。



◆「あるべき」をなくさなくてもいい



もちろん、
「こうしたい」
「これは大切にしたい」
という自分の基準を持つことは悪いことではありません。


問題なのは、その基準が、
「絶対にこうでなければならない」
という強いルールになり、自分や相手を苦しめるようになったときです。


だから、
「恋人なら毎日連絡するべき」
ではなく、

「私は連絡を取り合える関係が好き」と
「相手には相手のペースがある」
と考えてみる。


自分の希望も、相手の違いも、両方認める。
そのほうが、人間関係には現実的で良い余白が生まれます。



◆「正しい」より「自分に合っている」



恋愛には、
「こうするのが正解」
という一つの答えがあるわけではありません。


連絡頻度も、会う回数も、愛情表現も、人によって違います。

だからこそ、
「これは正しい恋愛なのか?」
だけではなく、

「私はこの関係で、無理をしすぎていないか?」
と考えてみる。


「こうあるべき」というルールを少し緩めることは、
何でも許すことではありません。

自分の価値観を持ちながら、
「相手は自分とは違うかもしれない」
という可能性も残しておくこと。


その柔らかさが、人間関係を少し楽にしてくれるのかもしれません。

「〜すべき」を見つけたら、
「私は本当はどうしたい?」
と自分の心に聞いてみる。


「こうあるべき」から「私はこうしたい」へ。

その小さな言い換えから、自分にも相手にも少し優しい考え方が始まるのかもしれません✨


きこ

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