似てる?似せてる?~弟からの相談

似てる?似せてる?~弟からの相談

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コラム


私の母は、よく動く人。
休む暇なく、自分のことは後回しにして父の為に動く。
亭主関白な厳しい父で、母は家事も育児も支えることも「女の仕事」と口癖のように言っていた。

食事を作れば、父にお酒に合う前菜からだし、食べ終わるころに次の料理、
最後に、ご飯、お味噌汁、小鉢をだす。
そのため食事の時間は、母はいつもキッチンにいた。
全員が食べ終わるころにやっと机につき食事をする。
だから、食事中に母と会話をした記憶はない。



家族旅行の帰りには、いつも母は疲れた顔をして静かだった。
私は「今日、楽しかったね」と声をかけた。
母はうなずくだけで、何も言わない。
母の口から「楽しかった」「楽しい」と聞いたことがない、とその時気づいた。

そんな母をみて、私と弟は育った。



月日が流れ、弟は、3人の男の子に恵まれ父になった。
良く動く父になった。

奥さんは医療関係の仕事をしていて
弟はプログラマーをしている。
収入は安定していて弟7割、奥さん3割のバランスらしい。


在宅勤務可能な弟は、まず朝一番に起きて朝ご飯を作る。

家事全般、育児、買い物、寝かしつけ、仕事をしながら
すべて弟が1人でこなす。

奥さんは最初は家事もしていたし、何もしない人ではない。
良く動く弟が、何も言わず、頼らず、黙々としてしまうのだ。

弟は、奥さんに、してあげたいという気持ちが強い。
「僕がやったほうが早いし、やりたいし、見返りは求めてない。」と言っていた。
周りからは、「素晴らしい旦那さんだね、うらやましいお父さんだ」と
褒められるんだそう。



でも、ある日どこか満たされていない顔をして弟が相談をしてきた。

「今日仕事でトラブルがあって疲れていたからだと思うんけど、奥さんにイラっとしてしまった。」

手の込んだ料理を作り、出来立てをまず奥さんや子供たちに出し、
弟は下の子供にまず離乳食を食べさせる。
最後に冷めた料理を一人で食べたようだ。

奥さんは、食欲がなかったようでほとんど残してあったそう。
それを片付けるときにイラっとして文句を言ってしまったのだ。





「誰に認めてもらいたくてそうしてるの?」


私が弟に聞くと
「自分がしたいからしてる」と言った。


「一生懸命に、思いしてあげることは優しいし素晴らしい事だよ。
でも、自分を大切にしないといけないね。
お母さん、どうだったかな?
子供たちに、子供の頃の自分と同じ気持ちにさせたりしていないかな?」

そう伝えた。
弟はハッとしていた。

弟は、父を嫌っている。自分はそうなりたくない、
奥さんに母と同じ思いをさせたくない。
その気持ちが強かったことに気づいた、と言っていた。


食事ができたら温かいうちに家族がそろい一緒に食事をする、
一緒に思い切り楽しめる旅行をし帰りに皆で思い出話をする。
そのために必要なことは、自分の事も大切にすることだと私は思う。


完璧な人間はいない。
誰だって疲れるときもあるし、ミスをすることもある。
自分の心の叫びに気づけるのは、自分だけ。

自分を大切に、その中でできた余裕の中で他者と与え合えるから
良好な関係を築いていけると思う。

相手を思い、尽くすことは、相手のためになるとは限らないから。


・100点じゃなくて30点でも自分を褒めてあげられること
・完璧な自分じゃないところも愛せるようになること
・今の自分の気持ちを言葉にできること
・疲れた時は、自分にご褒美で甘やかしてあげられること
頼る事、頼れる自分であること



弟からの相談のおかげで、私もこれまでを思い返せた。


人として、親として、夫婦としての姿、
どれも正解はないと思う。
いろいろな幸せの形があると思うから。
でも人間誰しもがそれぞれに、理想の形もある。

基準にしているのは知らず知らずのうちに、自分の親、自分の子供の頃。
してほしかった事は、したい。
されたくなかった事は、したくない。

不器用でも、今完璧じゃなくても
長い人生だから、自分のペースで少しずつでいいと思って
自分の気持ちを素直に受け止める。

自分を大切に、そして周りに感謝して
それだけでも素敵な人生だって思えたりする。


たくさんの学びをくれた両親に、改めて弟と感謝した。
久しぶりに母をランチに誘おう♡


きこ
















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