結婚式のスピーチを頼まれると、うれしい反面、急に手が止まる人が多いと思います。
お祝いの気持ちはあるのに、いざ原稿にしようとすると「おめでとう」だけで終わってしまう。逆に、話したいことが多すぎて、何を残せばいいか分からなくなることもあります。
私は文章の代筆・編集を仕事にしています。結婚式のスピーチは、話のうまさよりも「流れ」で決まることが多いと感じています。今日はその流れを、3つに分けて紹介します。
3つの流れの型
1. お祝い ── まずはお祝いの言葉と、自分が誰なのかを一言で
2. エピソード ── 新郎(新婦)との、心に残っている場面を1つ
3. 結び ── ふたりへの願いと、温かいお祝いの言葉で締める
たとえば、こんな形になります。
◯◯さん、◯◯さん、本日はおめでとうございます。新郎の同僚の◯◯と申します。◯◯さんは、職場でいつも周りをよく見ている人で、困っている人がいると、さりげなく手を差し伸べていました。そのやさしさは、きっとおふたりの毎日を温かく支えてくれると思います。どうぞ末永く、笑顔の絶えない家庭を築いてください。本日は本当におめでとうございます。
ここでのコツは、エピソードを「1つに絞る」ことです。
あれもこれもと話すと、かえって印象がぼやけてしまいます。一番心に残っている場面を1つだけ選び、その人らしさが伝わるように話す。立派な話である必要はありません。何気ない、本当にあった場面のほうが、聞いている人の心に届きます。
忌み言葉に、ひと注意
結婚式のスピーチには、避けたほうがよい言葉があります。
別れを連想させる「切れる」「別れる」「終わる」、繰り返しを思わせる「再び」「いろいろ」などです。神経質になりすぎる必要はありませんが、知っておくと安心です。たとえば「忙しい」も「亡」の字が入るため、「お忙しい」を「ご多用の」と言い換えるなど、少しの工夫で印象が変わります。
それでも手が止まるときは
型を知っていても、いざ書こうとすると言葉にならない。これは、よくあることだと思います。
もし「気持ちはあるのに、うまくまとまらない」と感じたら、伝えたいことを箇条書きのメモで渡していただくだけで大丈夫です。エピソードを一緒にほどいて、読みやすく、当日そのまま読める一篇に整えます。大切な日のひと言を、言葉のプロに。
(取り扱い: 結婚式のスピーチ・祝辞の作成・編集 / ほかに 退職のあいさつ・自己PR・各種文章の代筆・編集)