ふと「日本の地名って、似たような漢字が多くないか?」と思ったのがきっかけでした。「〇〇川」「〇〇山」「〇〇田」……言われてみると、どこかで見たような字ばかりが並んでいる気がする。
気になると確かめたくなる性分なので、日本全国の市区町村の名前——だいたい1,700ちょっと——をひととおり集めて、使われている漢字を数えてみることにしました。
集め方はいたってシンプル
特別なことはしていません。公開されている全国の市区町村の一覧から名前を拾い、一文字ずつに分解して、どの漢字が何回出てくるかをただ数える。それだけです。
手作業で1,700件を数えると気が遠くなりますが、一覧さえ手元にあれば集計そのものはあっという間。むしろ大変なのは、数え終わったあとに「で、これってどういうことだろう?」と眺める時間のほうでした。
結果、上位は予想どおり「自然」だった
数えてみると、よく使われていた漢字の上位はこんな顔ぶれでした。
1位 川(〔 110 〕件)
2位 田(〔 92 〕件)
3位 大(〔 80 〕件)
4位 山(〔 74 〕件)
5位 野(〔 73 〕件)
川・田・山・野といった、自然や地形を表す漢字がずらりと並びます。日本の地名の多くが、その土地の風景や成り立ちから名づけられてきたことが、数字になるとはっきり見えてきます。「田んぼがあったから〇〇田」「川沿いだから〇〇川」——昔の人の名づけ方が、そのまま今の地図に残っているわけです。
個人的に「へぇ」と思ったこと
面白かったのは、方角を表す漢字の入り方でした。「東」「西」「南」「北」の四つを数えてみると、一番多かったのは東でも北でもなく、「南」だったのです。南が63件で全体の6位に入る一方、東は49件、北は36件、西は31件と、南がひとつ抜けています。「東京」や「関東」のイメージから、なんとなく東が多そうだと思い込んでいたので、これは予想外でした。並んでいる名前をたどると、南房総市・南魚沼市・南相馬市のように、地域の南側を指す「南〇〇」という形が目立ちます。
ひとつの漢字を手がかりに地名を眺めていくと、その土地がどんな場所だったのかが少しだけ想像できて、ただの文字の集計のはずが、ちょっとした地理の散歩のようになっていきました。
おわりに
たった1,700件でも、集めて並べてみると、ふだんは気づかない傾向が浮かび上がってきます。「なんとなくそんな気がする」を「実際にこうだった」に変えられること——これがデータをいじる一番の面白さだと、あらためて思いました。
あなたの住んでいる街の漢字は、何位くらいに入っているでしょうか。