「ありきたりな歌詞」から卒業する方法②の続きです。
前回は「説明ではなく描写する」というアプローチについてお話ししました。今回は、言葉に独自のオリジナリティをプラスする「比喩(ひゆ)」の使い方について、私なりの視点をシェアします。
比喩とは、ある物事を別の物事に例えて表現する技術です。「〇〇のような」「〇〇みたいだ」という言葉を使い、一見関係のなさそうなもの同士を置き換えます。
比喩が人の心を動かす理由
比喩をうまく取り入れると、聴き手の頭の中に「新鮮な驚き」と「深い納得」が同時に生まれます。また、何に例えるかという点に、作詞する人のオリジナリティが出てきます。その「あなたらしい比喩」が作る世界観が、人の心を動かす魅力になるのだと感じます。
例えば、好きな人の笑顔を描写する場合を比較してみましょう。
通常の描写:「君の笑顔は、とても明るかった。」
事実をそのまま伝えています。一方、比喩を使ってみると、こうなります。
比喩を使った描写:「君が笑うと、小さな太陽が昇るかのようだ。」
「笑顔」と「太陽」という、本来は別々の要素を結びつけています。
このように置き換えることで、笑顔が持つ圧倒的な明るさや温かさが、より鮮明に伝わってきますね。
比喩を取り入れるメリット
比喩を使わなくても、言葉の意味自体は十分に伝わります。しかし、あえて無関係な物事と結びつけることで、言葉に心地よい「飛躍」が生まれるのです。この飛躍こそが、ただの文章を「歌詞(詩)」へと昇華させる重要な要素のひとつになります。
【今日のトレーニング】
身の回りのもの(机、スマホ、楽器など)や、今の自分の感情を、別の物事に例える練習をしてみましょう。以下のような形式で、ノートに自由に書き出してみてください。
「このギターは、まるで〇〇のようだ」
「私の心は、今〇〇みたいだ」
ここには正解も不正解もありません。ぜひあなたの直感で自由に言葉を組み合わせてみてください。
まとめ
3回にわたってお届けした「ありきたりな歌詞」から卒業するためのステップは、以下の3つです。
観察: 世界を五感で捉える
描写: 感情を言葉で説明せず、行動や情景にする
比喩: 別の物事に例えて言葉を飛躍させる
この3つの視点をもつだけで、歌詞の景色は少しずつ変わっていくはずです。比喩をはじめとする具体的な表現技法については、今後の記事でも随時紹介していきます。
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