会議48分、文字起こし10分、清書2時間
この配分に心当たりのある方に向けて書いています。
録音アプリも文字起こしツールも揃っているのに、
議事録だけが翌日に持ち越される。
ツールを入れる前と、終わる時刻がほとんど変わっていない...。
私も最初はそうでした。
文字起こしさえ手に入れば議事録は片づくと思っていたのですが、
実際に短くなったのは録音を文字に変えるところまでで、
そこから先の手間はほとんど減りませんでした。
減ったのは10分です。
■ 遅いのは書く速度ではなく、捨てる判断の回数
文字起こしを上から順に読んで、一行ずつ「これは議事録に要るか」を考えていませんか?
48分の会話は、日本語の話す速度から単純に計算しても1万字を超えます。
それを一行ずつ選り分けていくと、判断の回数は数百回に届きます。
時間を食っているのは、書く作業ではありません。
この判断の回数です。
しかも判断のたびに基準がぶれるので、さっき残したのと同じ種類の発言を10分後には落としていて、通して読み返したときに整合が取れていないことに気づき、また頭から見直すことになります。
何十本か作ってみて気づいたのは、議事録を読む人が知りたいことは、だいたい3つに収まるということでした。何が決まったのか。誰が何をいつまでにやるのか。何が決まらなかったのか。欠席者も上長も、この3つを探して開いています。
■ 3つの箱に振り分けると、残りは読まずに捨てられる
先に箱を3つ決めておいて、そこに入るものだけを拾わせます。
入らないものは、読み返しもしません。
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以下は会議の文字起こしです。次の3つに振り分けてください。
【決定事項】
・決まったことだけを書く。「〜する」と言い切れる形にする
・誰が決めたか分かる場合は、担当部署か担当者名を添える
【宿題】
・担当者、作業内容、期限の3点セットで書く
・期限が発言に出てこない場合は「期限未定」と書く
【保留・持ち越し】
・議論したが結論が出なかった論点を書く
・なぜ決まらなかったかを、情報待ち/人待ち/判断待ちのどれかで示す
【ルール】
・上記3つのどれにも当てはまらない発言は、出力しない
・文字起こしにない内容を補わない
・聞き取れていない箇所は「(聞き取り不明)」のまま残す
【文字起こし】
(ここに貼り付ける)
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中心にあるのは【ルール】の1行目です。
雑談も、脱線も、言い直しも、結論の出なかった感想も、この一行でまとめて落ちるので、こちらが一行ずつ要否を考える場面そのものがなくなります。
数百回が、一行になります。
期限の扱いにも触れておきます。「期限未定」と書かせる指定を外すと、それらしい日付が勝手に入ります。誰も口にしていない期限が議事録に載ったまま配布され、それを読んだ担当者が動き出してから「そんな約束はしていない」と言われるのが、いちばん面倒なパターンです。
空欄は、空欄のまま出させます。
■ 3つの箱が埋まらない会議もある
何も決まらなかった会議では、決定事項の箱が空になります。
出てくる議事録は数行です。体裁としては物足りませんが、それでもそのまま出したほうがいいと考えていて、理由は、無理に文章を膨らませると読んだ人が「何かは決まったらしい」と受け取り、後から確認の連絡が来て手間がかえって増えるからです。空の箱は、空だったという記録になります。
もう一種類、この方法が向かない会議があります。設計方針を決める会議や、契約条件を詰める打ち合わせのように、結論よりも経緯のほうが後から効いてくる場合です。「A案が落ちたのは、費用ではなく納期が理由だった」といった情報は、決定事項ではないので3つの箱からこぼれます。半年後に同じ議論を蒸し返さずに済むのは、たいていこのこぼれた部分のおかげです。
こういう会議では、出力された議事録に人が一段落だけ書き足します。私は「検討したが採用しなかった案と、その理由」という項目を手で足しています。ここはAIには再現できない部分なので、割り切って自分で書いています。
■ 会議の種類ごとに、箱の中身は変わる
定例の進捗会議と、顧客との打ち合わせでは、残すべきものが違います。前者は宿題と期限が中心ですが、後者では先方の要望や懸念をそのまま残しておいたほうが、後の見積りや提案で効いてきます。同じ3つの箱を使い回すより、会議体ごとに項目を作り直したほうが精度は上がります。
そこまで作り込んだ形を、依頼者の会議に合わせて用意するサービスを出品しています。まずはご自身の直近の1本で、3つの箱を試してみてください。