月次報告書の「所感」欄で、毎月30分止まっている人へ

月次報告書の「所感」欄で、毎月30分止まっている人へ

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数字はもう出そろっています。売上、件数、前月比。表の部分は5分で埋まりました。問題はその下にある、「所感」とだけ書かれた空欄です。カーソルが点滅したまま、気づけば昼休みが終わっています。

私自身、集計そのものより、その下の3行のほうに毎回時間を取られていました。しかも毎月来ます。

■ 止まる原因は文章力ではなく、比較の相手を決めていないこと

「今月120件」。この数字だけを見て、良かったのか悪かったのかを判断できる人はいません。前月が100件なら増加ですが、今期の目標が150件なら未達で、同じ120件が比較の相手ひとつで正反対の意味に変わります。

コメント欄で固まっているとき、多くの人は書き出しの言葉を探しています。足りないのは、言葉ではありません。「この120件を何と比べて語るのか」を決めないまま書き始めているので、どの書き出しを選んでも途中で手が止まります。


■ 数字だけ渡すと、AIは表を言い換えた文を返してくる

これは実際にやってみて分かったことです。集計表をそのまま貼り付けて「所感を書いてください」と頼むと、返ってくるのはこういう文章でした。

  今月の受注件数は120件となりました。前月比では増加しており、
  堅調に推移しています。

表を見れば分かることを、文章にしただけです。使えません。原因ははっきりしていて、AIには比較の相手が渡されていないからです。前月の数字も、目標値も、今月何が起きたのかも知らされていない状態で、それらしい日本語を作るしかなくなっている。

出力が薄い原因は、指示の書き方ではありませんでした。材料です。


■ 比較の相手と出来事を先に渡すと、初稿が出てくる

そこで、貼り付ける前に材料を3つに分けます。今月の数字、比較の相手、今月あった出来事。この形にして渡すと、初稿として使える文章が返ってきます。

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あなたは月次報告書の所感欄を書きます。

【今月の数字】
(集計表をここに貼る)

【比較の相手】
・前月:
・前年同月:
・今期の目標:

【今月あった出来事】
(3つまで。例:大型案件が1件、翌月にずれ込んだ/新人が1名配属された)

【書き方】
・3〜5行
・増減の事実 → その要因 → 来月の見込み、の順に書く
・数字は【今月の数字】に書かれたものだけを使い、書かれていない数字は出さない
・要因が【今月あった出来事】から特定できない場合は、推測せず
 「要因は特定できていません」と書く
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最後の2行が効きます。数字を使う範囲を限定しておくと、どこかで見たような業界平均や、存在しない前年比が紛れ込むのを防げます。要因を推測させない指定も同じで、これを入れないと「季節要因によるものと考えられます」といった、誰にも確認できない一文が混ざります。

一番大事なのは【今月あった出来事】の欄です。案件がずれ込んだ、担当が1人抜けた、大口の更新月だった。こればかりは、その場にいた人しか知りません。ここを3行埋められれば、あとは組み立ての作業になります。


■ 出来事の欄が埋まらない月は、AIではなく人に聞く

うまくいかない月もあります。数字は動いているのに、その理由が自分の部署からは見えない月です。

このとき、AIに何とかさせようとすると失敗します。材料がないまま書かせて出てくるのは当たりさわりのない一般論だけで、それを提出すると、上長に「なぜ増えたの」と聞かれた瞬間に答えられなくなります。手が止まる場所が、机から会議室に移っただけです。プロンプトに「要因は特定できていません」と書かせる指定を入れておくのは、この事故を防ぐためです。

では、埋まらない欄をどうするか。電話を1本かけます。営業担当に「先月、大きい案件で動きありましたか」と聞けば、たいてい3分で答えが返ってきますし、ついでに来月の見込みまで教えてもらえることもあります。AIが埋められない欄は、社内の誰かに聞けば埋まる欄です。

この方法を使っても、所感欄の作業がなくなるわけではありません。変わるのは中身で、ゼロから文章をひねり出す作業が、材料を3つ並べて出てきた初稿を確認する作業に置き換わります。私の場合、止まっている時間が減ったという実感はありますが、削減できる時間は書式や関わる人数で変わるので、まずはご自身の1か月で測ってみるのが確実です。


■ 来月の空欄は、来月が来る前に用意しておける

この形式は、一度作ってしまえば翌月も再来月も同じものを貼り付けるだけで済みますが、毎月ゼロからプロンプトを考え直す運用にすると、たいてい2、3か月で使わなくなります。面倒だからです。

私は、こうした定型書類の仕組みを、依頼者の書式に合わせて組み立てる仕事をしています。自分の報告書に合わせて作り込みたい方は、そちらもご覧ください。

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