金融庁 出身 伊藤公祐 と申します。
「まずは価格を下げれば売れる」
事業をしていると、そう考えたくなる瞬間は少なくありません。
特に競争が激しい業界ほど、“安さ”は非常にわかりやすい武器になります。
ただ金融庁時代から現在のコンサルティング業務まで
さまざまな事業を見てきた中で感じるのは
「価格を下げる前に、粗利の声を聞くことが大切だ」ということです。
粗利というと、単なる数字の話に聞こえるかもしれません。
しかし実際にはその会社の体力や未来への投資余力
働く人の余裕まで含めて表れていると感じています。
例えば価格競争に巻き込まれて利益率が下がると、短期的には
受注が増えることがあります。一方で、長期的にはサービス品質の維持が
難しくなったり、人材育成に時間を使えなくなったりするケースも多いです。
結果として「忙しいのに前に進まない」という状態に陥ってしまう。
私はこれまで金融機関やスタートアップの現場で、多くの経営判断を
見てきました。その中で印象的だったのは、安売りをしない会社ほど
“自社の価値”を丁寧に言語化していたことです。
価格ではなく、「なぜこのサービスが必要なのか」を真剣に考えている。
だからこそ、顧客とも長い関係性を築けていました。
もちろん、価格調整そのものを否定するつもりはありません。
ただ“利益を削る前提”で動き始めると、事業は少しずつ疲弊していきます。
だから私は、まず粗利を見るようにしています。
その数字は、「今のビジネスが持続可能か」を静かに教えてくれるからです。
特に現在のように変化の激しい時代は、売上の大きさだけでなく
“どれだけ健全に利益を残せるか”が重要になっていると感じます。
経営も営業も派手な施策より、地味な数字の積み重ねが最後に効いてくる。
最近はそんなことを、以前より強く実感しています。