虐待防止委員会で何を話す?年4回の議題例と30分の進め方|介護・障害福祉

虐待防止委員会で何を話す?年4回の議題例と30分の進め方|介護・障害福祉

記事
法律・税務・士業全般
「委員会を開かなければいけないのは分かっているけれど、毎回何を話せばいいのか分からない」。
介護や障害福祉の事業所で、よく聞く悩みです。議題が決まっていないと、集まっても雑談で終わり、議事録にも書くことがなくなってしまいます。

この記事では、虐待防止委員会(身体拘束の適正化の委員会と一緒に開く場合を含みます)の議題を、年4回分の例にまとめました。現役の看護師として病棟の委員会に参加してきた経験から、30分で終わる進め方もあわせて紹介します。

話し合うことは、あらかじめ決まっている


虐待防止の委員会で検討する内容は、国の通知でおおむね示されています。要約すると次の7つです。

・委員会の組織と、それぞれの役割
・虐待防止のための指針の整備
・職員研修の内容
・職員が虐待について相談・報告できる体制
・虐待を見つけたときに、市町村へ迅速に通報するための手順
・虐待が起きたときの原因の分析と、再発防止策
・再発防止策がうまくいっているかの評価

この7つを年間で一通り扱えば、委員会としての役割は果たせます。毎回すべてを話し合う必要はありません。

毎回の定番議題は6つで足りる


毎回の議題を固定しておくと、準備が楽になり、議事録の形もそろいます。おすすめは次の6つです。

1.前回決めたことの進み具合
2.身体拘束の実施状況(実施中・新しく始めた・解除した件数と、3要件にまだ当てはまるか)
3.虐待や不適切なケアについての報告・相談
4.研修とセルフチェックの予定と結果
5.指針や体制の見直し
6.その他

身体拘束をしていない事業所でも、2は「0件」と記録しておきます。「確認した」こと自体が記録になります。

年4回の議題例


定番の6つに加えて、回ごとに1つだけ重点テーマを決めます。ここでは5・8・11・2月に開く例です。

第1回(5月):体制と年間計画を決める
委員長・担当者・委員を確認し、職員に知らせる体制表を更新します。研修・セルフチェック・指針の見直しを何月にやるかを決めます。前年度の報告件数をふり返ります。

第2回(8月):相談・報告の流れを確かめる
「おかしいと思ったら誰に言うか」「市町村への通報は誰がするか」を確認します。職員が報告しにくい理由がないかを話し合います。夏の研修の受講状況も確認します。

第3回(11月):不適切ケアのセルフチェックの結果を見る
職員にセルフチェックをしてもらい、点数の低かった項目の上位3つを取り上げます。個人を責めるのではなく、時間帯・人手・手順・環境のどこに原因があるかを考えます。

第4回(2月):1年の評価と、次の年度の準備
決めた再発防止策の効果を評価します。指針を見直す必要があるかを確認し、次年度の研修のテーマを決めます。

30分で終わらせる進め方


委員会が長くなる原因の多くは、その場で資料を読むことです。事務局が前日までに配っておけば、30分で終わります。

・5分:前回決めたことの確認
・5分:身体拘束の件数の報告
・10分:報告・相談の検討(その回の重点テーマ)
・5分:研修・セルフチェックの予定の確認
・5分:決めたことの読み上げ(担当と期限まで)

最後の5分を省かないことがポイントです。「誰が」「いつまでに」が決まらないまま終わると、次の委員会でまた同じ話をすることになります。

議事録に残すこと


議事録は、次の4つが読み取れれば十分です。

・いつ、誰が出席したか(オンラインで参加した人も)
・何を話し合ったか(6つの議題ごとに一言でもよい)
・何を決めたか(内容・担当・期限)
・職員にどう知らせたか(掲示・回覧・申し送りなどと、その日付)

利用者や職員の名前は書かず、「A様」「夜勤の職員」のように、個人が分からない書き方にします。運営指導では「開いたこと」だけでなく「職員に知らせたこと」も確認されるため、周知の記録は忘れずに残してください。

小さな事業所での工夫


職員が少ない事業所では、委員会のために全員が集まるのは大変です。次の工夫ができます。

・虐待防止の委員会と身体拘束の適正化の委員会は、一緒に開くことができます。議事録では、両方の議題をそれぞれ書いておきます
・テレビ電話を使って開くこともできます
・ほかの会議と同じ日に続けて開くと、集まる回数を減らせます
・障害福祉サービスでは、委員会は年1回以上が目安です。まずは年1回を確実に開き、余裕が出たら回数を増やします

最後に


本記事は、委員会の運営の参考として情報を整理したものです。開催の頻度や検討内容は、サービス種別や指定権者(都道府県・市町村)の基準によって異なります。運用の前に、指定権者の最新の基準をご確認ください。個別の事案の判断は、市町村の窓口や専門家にご相談ください。

なお、この記事で紹介した定番の6議題をそのまま使える議事録テンプレート(記入例つき)や、委員会の運営要領、年間計画表、不適切ケアのセルフチェック30項目は、「介護・福祉の虐待防止研修資料7点」にまとめて出品しています。委員会の準備に時間をかけられない場合は、ご覧ください。
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