がんになったのは自分のせい? 1人の原因を決められない理由|編集テーマ集 第6回

がんになったのは自分のせい? 1人の原因を決められない理由|編集テーマ集 第6回

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コラム
がんと診断されたあと、「あのころの暮らし方が悪かったのでは」「もっと気をつけていれば」と、自分を責める気持ちが浮かぶことがあります。家族が「もっと早く気づいていたら」と思い悩むこともあります。

けれど、「ある1人のがんの原因はこれ」と言い切ることは、通常できないと説明されています。

【がんには、いくつもの要因が関わります】

米国国立がん研究所(NCI)は、なぜある人ががんになり、別の人はならないのかを正確に知ることは、通常できないとしています。がんのリスク要因には、年齢、家族歴、生活習慣、環境などがあります。年齢や家族歴のように、本人には変えられないものも含まれます。

国立がん研究センターも、がんの発生には遺伝的な体質や環境など個人では変えられない要因のほか、生活習慣が関わるものがあると説明しています。生活習慣を改善すれば、必ずがんを予防できるというわけではありません。

【予防可能な要因の割合は、個人の責任を示す数字ではありません】

国立がん研究センターのがん情報サービスでは、2015年の日本のがん罹患について、喫煙・飲酒などの生活習慣や感染が要因と考えられる割合を、男性43.4%、女性25.3%とした推計が紹介されています。この推計には生活習慣だけでなく、感染も含まれています。

これは2015年の日本という集団についての推計です。1人ひとりのがんの原因を特定したり、本人の責任の割合を示したりする数字ではありません。自分や家族のがんに、そのまま当てはめることはできません。

【「関連がある」と「その人の原因」は別です】

NCIは、リスク要因の多くが大勢の人を比べる研究から見つかる一方、そうした研究だけでは行動や物質ががんの原因だと証明できない場合があると説明しています。「○○とがんに関連」という報告も、あなた個人のがんの原因を示すものではありません。

生活習慣は、がんに関わる要因のひとつです。予防の情報は、これからの暮らしを考える手がかりになります。がんになった人や家族を責めるための物差しではありません。

「自分のせいかもしれない」という思いが頭から離れないときは、担当の医師や看護師などの医療者、またはがん相談支援センターに話してみてください。病気や治療だけでなく、気持ちのつらさも相談できます。

※この記事は一般的な健康情報です。個別の診断や治療については、担当の医療者にご相談ください。

【出典】
国立がん研究センター がん情報サービス「科学的根拠に基づくがん予防法」
Inoue M, et al. Burden of cancer attributable to modifiable factors in Japan in 2015. Glob Health Med. 2022;4(1):26-36.
National Cancer Institute, “Risk Factors for Cancer”

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