個人事業主や経営者の仕事は、本来なら「判断すること」や「売上につながること」に時間を使いたいはず。
それなのに実際には、情報を集める、調べる、写す、整える、といった作業にかなり時間が消えていくことがあります。
・営業先を探すために、企業情報を1件ずつ集めて一覧にする。
・競合調査のために、複数サイトの価格やサービス内容を見比べて表にまとめる。
・求人・物件・店舗・商品情報などをチェックして、必要な項目だけ抜き出す。
・あるいは、管理画面にログインして、同じような入力を何度も繰り返す。
こうした作業は、どれも「誰でもできるように見える」ので後回しにされがちです。
でも実際には、かなり強く時間を奪います。
しかも単純作業ほど、疲れている日にミスが起きやすい。
抜け漏れが出ると、結局あとで見直しが必要になり、二重に時間がかかります。
中小企業庁の白書でも、デジタル化が進むほど、業務効率化だけでなく売上面・コスト面・人材面でも好影響が出ている可能性が示されています。
つまり、日々の細かい手作業を減らすことは、単なる“楽になる話”ではなく、経営全体の余力をつくる話でもあるということです。
たとえば、『営業リストづくり』。
地域名や業種で検索して、企業名・電話番号・住所・URLを手で拾って表に入れていく作業は、やり始めるとあっという間に数時間たちます。
しかも、「ここは電話番号が載っていない」「このページは別の場所に会社情報がある」といった例外も多く、集中力が削られます。
こういうケースでは、対象サイトから必要項目を自動で集めて、一覧に整える仕組みを作ることで、かなり負担を減らせます。
『競合チェック』でも同じです。
自社サービスの価格や見せ方を考えるために、毎週いくつものサイトを開き、料金、特徴、レビュー、キャンペーン情報などを見て回る。
これも、収集ルールを決めておけば、自動で情報を集めて比較しやすい形に整理することができます。
「調べるために午前中が消える」という状態から抜けやすくなります。
もう少し身近なところでは、ブラウザ上の定型操作があります。
毎日同じサイトにログインして、特定画面を開いて、決まった内容を入力して、確認ボタンを押す。(たとえば、いいね!とかコメントを返したりするのもそうです。)
予約サイト、管理画面、EC出品、ポータル登録、社内システムなど、業種を問わずこうした作業は意外と多いです。
これもブラウザ自動操作の仕組みを使うと、決まった流れをある程度代わりに進めてもらうことができます。
たとえば、『ECショップの商品登録』。
商品名、価格、説明文、画像、在庫情報を1件ずつ管理画面に入れていくのは、件数が増えるほどかなり大変です。
一覧表にまとまっている情報をもとに、入力だけ自動で進めるようにすると、登録作業の負担は大きく変わります。
また、『毎朝の在庫や予約情報の確認』にも使えます。
問い合わせ件数、予約数、掲載状況、在庫情報など、「毎日見なければいけないけれど、見に行くこと自体は利益を生まない」作業があります。
こうした確認作業も、自動で開いて取得して、必要な部分だけ見やすくする流れを作っておくと、判断のための時間を確保しやすくなります。
では、自分で解決するにはどうするか。
情報収集ならPythonとBeautifulSoupやSelenium、ブラウザ自動操作ならSeleniumやPlaywrightなどがよく使われます。
最近はAIに「このサイトからこの項目を集めたい」「この画面のこの操作を自動化したい」と伝えると、かなり実用的なコード案を出してもらえます。
今は“プログラミングがわかる人だけの世界”ではなくなってきています。
ただし、ここにも注意点があります。
まず、サイトによっては利用規約で自動取得や自動操作が禁止されています。
この点を無視して進めると、アカウント停止やトラブルの原因になることがあります。
次に、画面やHTML構造の変更で動かなくなることがあります。
さらに、「作れても、自分では直せない」という状態に入ると、かえって不安が増えることもあります。
中小企業庁は、DXを進める上での主要課題として「費用の負担が大きい」「DXを推進する人材が足りない」を挙げています。
つまり、多くの事業者が感じているのは、“必要性はわかるけれど、自分の時間と知識だけでは進めづらい”という壁です。
だからこそ、情報収集や定型操作の困りごとは、「根性で続ける」か「全部外注する」かの二択ではありません。
自分でできる部分は試しつつ、設計や安全確認、使いやすい形への落とし込みは詳しい人に相談する。
そういう中間の進め方もあります。
特に、個人事業主や小規模事業では、「本業のすき間時間で何とかしてきた作業」が積み重なっていることが多いです。
でも、その“何となく続けている作業”こそ、整理すると一番インパクトが大きいことがあります。
毎日30分の確認作業でも、月にすれば相当な時間です。
毎回10分のコピペでも、積み上がれば本来の仕事の時間を確実に削っていきます。
もし今、
「調べものと入力で1日が終わる」
「営業の前にリスト作りで疲れてしまう」
「情報を集めているだけで本業が進まない」
そんな感覚があるなら、それは効率化を考えるタイミングかもしれません。
自分で小さく試してみるのも良いですし、最初から「この困りごとって減らせますか?」と相談するのもありです。
大切なのは、今のやり方を当たり前にしすぎないことです。
情報収集やコピペ作業は、工夫次第でかなり軽くできます。
もし気になるものがあれば、私のプロフィールからお気軽にメッセージください。
「こういう作業に時間を取られていて…」という段階でも大歓迎です。
難しい専門用語は使わず、今の作業をどう減らせそうかを一緒に整理しながら考えます。
業務ツールディレクター はせ