社長から「得意先の役員から私に直接クレームの電話が来たぞ!なぜ私のところに報告が上がってこないんだ!!」
社長の激しい叱責。現場は凍りつき、社長から業務改善仕事人の私へは「クレーム発生時、速やかに社長スマホへ第一報のメッセージが届くシステムを作成してくれ!」という厳命が下りました。
そもそも営業 製造ともクレーム対応を放置していたわけではなく 現状把握及び対策を行っている最中でした。
しかし得意先の役員から クレームの連絡があり それを知らない社長が
「連絡がわるいね!」と注意されたことが発端でした。
本日は、スプレッドシートとGAS(Google Apps Script)を使ってクレーム報告の『情報のムダ・対応の遅れ』を解決した、生々しい現場事例をお話しします。
■ システム構築の前に立ちはだかる「現場の猛反発」
社長の指示を受け、私はすぐに「スプレッドシートにクレーム内容が入力されたらGASでメッセージが自動通知するシステム」のプロトタイプを作成しました。技術的には簡単なことです。 メッセージ配信は 専務 営業 製造の部課長及び関係者 多数です。
しかし、そのプロトタイプを見ながら 運用に向けての打ち合わせをすると専務や製造・営業の各部門長から猛烈な反発(ひと悶着)が起きました。
・「現状把握もできてない段階で、社長に第一報を入れるべきではない!」
・「社長に通知がいけば、我々管理職に『どうなってる!?』と怒りの電話が
来る。まだ細かい説明なんてできない状態だぞ!」
・「状況把握〜対応策が決まってから報告しないと、また『お前ら何やってる
んだ』と叱られるだけだ」
・「忖度のできないシステム(AI・GAS)に自動送信などさせるべきではな
い!」
現場の言い分 想定される状況も痛いほど分かりました。
すべてのクレームを即座に社長へ通知すれば、現場は「社長からの矢継ぎ早
の質問(スズメバチの巣をつついたような状態)」に対応するだけで疲弊
し、社長自身も鳴りやまない通知にうんざりするはずです。
まさに、打開策が見えない 本末転倒の事態になりました。
■ 解決策:「IT」を入れる前に「ルール」を作る
ここで重要なのは、システム(GAS)をどう組むかではなく、「どういう条件なら通知するのか」というビジネスルールの構築です。
私は現場と話し合い、以下のルールをスプレッドシートに組み込みました。
① 顧客のランク分け
得意先マスタを別シートに作成し、お客様を「S・A・B・C」の4段階にランク分けしました。
② クレームの震度(重要度)設定
地震の震度のように、クレームのヤバさをルールに基づいて「レベル5〜1」に数値化しました。 これは 新しく作成したクレーム台帳に レベルを入力できる セルを作成しました。
【導き出した運用ルール】
「Sランク(最重要)の得意先」からのクレームは、震度(内容)に関係なく、発生した瞬間(スプレッドシートのクレーム台帳に入力された時 これは速やかに記載されます)にAIが社長へ即時メッセージを自動配信する。
それ以外のランクは、震度レベルに応じた所定のルールをマスターに作成、
AIがそれを分析 段階的にメッセージを配信する。
■ 「第一報だから静観してくれ」という社長との約束
運用開始にあたり、社長・専務・管理者にはこう釘を刺しました。
「これはあくまで『第一報』の通知です。この段階で現場をせっつくと、スズメバチの巣を潰したように現場が混乱します。順次対応策を報告するので、まずは静観してください」 同時に スプレッドシートで作成したクレーム台帳
を見れば状況がわかるようにしました。
■ 導入後の成果:社長の「即座の謝罪」が会社を救う
運用を始めてすぐは、案の定スズメバチの巣のようになることもありました(笑)。
しかし、このシステムとルールが定着したことで最大の効果が生まれました。
Sランクの得意先でトラブルが起きた際、社長が即座に事態を把握し、社長自らお客様へ速やかに詫びを入れることができたのです。
結果として、得意先からは「トラブル時の連絡と初動が素晴らしい会社だ」と逆に高く評価されることになりました。
■ まとめ:ツール(GAS)とルール(運用)の両輪
スプレッドシートとGASを使えば、自動通知システムは一瞬で作れます。
しかし、現場の人間関係や忖度、社長の思いを汲み取った「運用ルール」がなければ、システムはただの迷惑な道具になってしまいます。
「ITを導入したいが、現場が反発しそうで進まない」
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