月曜日の幹部会。社長の怒号が響き渡りました。
「常々言っているのに、どうして製造本部は予定数より多く製造するんだ!!」
現場は「多めに作っておけば欠品しないしで安心」「機械の段取り替えが面倒だから、一気に作ってしまおう」と・・・良かれと思って予定数を超えた過剰生産をしがちです。
しかし、経営陣にとってこの「作りすぎ(過剰な加工)のムダ」は、さらなるムダの連鎖を呼ぶ最悪の事態なのです。
■ 作りすぎが引き起こす「3つの最悪な連鎖」
過剰に製造すると、以下のような恐ろしい連鎖が発生します。
加工のムダ(労務費の圧迫):
見積で計算している原価以外の、無駄な残業代や労務費が発生する。
在庫のムダ(保管料の発生):
置くためのパレットが余分に必要になり、社内の置き場がオーバーフロー。結果、高いお金を払って外部倉庫を借りるハメになる。
運搬のムダ(無駄な移動):
あふれた在庫を移動させるための、全く付加価値を生まない運搬作業が発生する。
「様々なムダが生まれて利益が飛ぶと言っているのに、なぜ現場は定数を厳守できないのか…」
頭を抱えた社長から、業務改善仕事人の私へ「何か良い仕組みはないか?」と打診がありました。
■ 解決策:スプレッドシート+GASによる「リアルタイム見える化(アラート)」
重厚長大なシステムを入れる必要はありません。私が進言したのは、スプレッドシートのクラウド機能を活かした「リアルタイムの製造実績の見える化」です。
仕組みは非常にシンプルです。
基幹システムとは別に、製造現場でスプレッドシートに「製造実績の出来高」をスマホやタブレットからサクッと入力してもらいます。
もし予定製造数を超えた(または超えそうになった)場合、GAS(自動プログラム)がその実績の%に応じて、画面上の行を「黄色➔オレンジ色➔赤色」と自動で塗りつぶして警告(アラート)を出します。
基幹システムから エクセルのデーターをスプレッドシートに落とし込めば
簡単に作り上げることが出来ます。
■ 最大の効果は「全社共有」による『心理的抑止力』
スプレッドシートはクラウド型なので、現場で入力された色付きのアラート画面は、社長はもちろん、全社員のパソコンやスマホに一瞬で共有されます。
当初は「過剰生産したら幹部へ自動メッセージを飛ばす」ことも考えました。
しかし、現場の画面が赤色に染まり、それが全社に見られているという「見える化による抑止力」が強烈に働いたことで、大幅に過剰製造が減ったのです。結果的に、鬱陶しいメッセージ配信システムは不要になりました。
■ 現場に負担をかけない運用ルール
もちろん、機械の不具合や不良品の発生など「どうしても過剰に生産しなければならない正当な理由」がある場合もあります。
その際は、スプレッドシートの備考欄から「プルダウン(選択肢)」で理由を選べるようにしました。
現場にテキストを手入力させると手間がかかり、入力自体が嫌がられます。
プルダウンやチェックボックスを活用し、「極力テキストを入力させない(現場の負担を減らす)」ことが、運用を定着させる最大のコツです。
「現場の作りすぎ・在庫の山をなんとかしたい」
「システムではなく、現場の心理とルールを含めた『生きた改善』をしてほしい」
そんなお悩みをお持ちの経営者様は、ぜひ「業務改善仕事人」にご相談ください。
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