納期を守った代わりに、顔面神経が壊れた話。

記事
学び
機械設計は、肉体労働ではない。
でも、
静かに体と心を削る仕事です。
私は機械設計を20年以上やってきました。
そしてある日、
顔の半分が動かなくなりました。
診断は、顔面神経麻痺。
約半年、治療が続きました。
最初は、たいしたことないと思った
朝、顔に違和感。
「寝違えたかな?」
家帰って風呂に入って
鏡を見て気づく。
笑えない。
片目が閉じない。
口がうまく動かない。
味噌汁が食べれない。
それでも、次の日会社に行きました。
なぜなら
「今、止まれない案件」があったから。
あの頃の状態
・大型案件が重なっていた
・仕様が二転三転
・人手不足
・部下のフォロー
・納期は動かない
昼は会議。
夜は図面。
家でも頭は仕事。
寝ているのに、休めていない。
今思えば、体はずっと警告を出していました。
医者に言われたこと
「強いストレスが原因の可能性が高いですね」
その瞬間、
自分は大丈夫だと思っていたことが
崩れました。
設計者は、我慢強い。
でも体は、正直です。
一番つらかったのは
痛みではありません。
“普通に笑えない自分”を見ること。
家族の前で、
部下の前で、
取引先の前で、
顔がうまく動かない。
口元もうまく動かないので
うまく食事もできません。
責任ある立場であるほど、
弱さを見せにくい。
それが、さらにストレスになる。
なぜ設計者は壊れやすいのか
✔ 正解がない
✔ 失敗は目立つ
✔ 成功は当たり前
✔ 感情を出さない
そして
「自分が止まれば、仕事が止まる」
そう思ってしまう人が多い。
私が学んだこと
図面より、体が先。
納期より、神経が先。
責任感は美徳ですが、
無理は設計ミスです。
今だから言えること
設計者は、仕組みを作れる人間です。
ならば、
自分が倒れない仕組みも作るべき。
・仕様を曖昧にしない文化
・抱え込まない体制
・相談できる空気
これは精神論ではない。
設計です。
最後に
顔面神経麻痺は、約半年で回復しました。
でもあの時、
「このまま治らなかったらどうしよう」と
本気で思いました。
図面は描き直せます。
でも体は、交換部品ではありません。
設計者のみなさん。
壊れる前に、止まってください。
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