相談の現場で、いちばん多く聞かれる質問
昨年は400件を超えるキャリア相談を受けてきました。40代から50代の方が多いのですが、年代を問わず、必ず相談者の方に問いかける質問があります。
「あなたの強みは何ですか」
すぐに答えられる方もいれば、しばらく黙り込んでしまう方もいます。
黙り込む方の多くは、強みがないわけではありません。
「これで合っているのか」「何個言えばいいのか」という、答え方そのものへの迷いに引っかかっているケースがほとんどです。
私自身、答えられなかった
これは、相談者だけの話ではありません。
私自身、30代後半のとき、金融機関以外の企業の人事部への転職活動を経験したことがあります。
面接官から、同じ質問をされました。「〇〇さんの強みは何ですか」
頭の中には、いくつか浮かびました。けれど、浮かんだ瞬間、別の迷いが始まりました。
「これは、いくつ言えばいいのだろう」
1つだけでは物足りなく見えないか。
5つも6つも並べれば、自己アピールが過剰に見えないか。
強みがなかったのではなく、いくつ言えば正解なのか、その基準が分からなかったのです。
今も、正解の数がいくつなのか、私自身はっきりとは分かっていません。
分かったのは、志望先の仕事に活かせる強みであればいい、ということでした。強みの手札を何枚も持ち、応募先に応じて使い分ける。そういう発想に変わってから、答え方に迷わなくなりました。
一人で考えると、堂々巡りになりやすい理由
強みや自分らしさは、一人で机に向かって考えているだけでは、なかなか輪郭が見えてきません。
理由は単純で、自分にとって当たり前すぎることほど、自分では気づけないからです。
先を見通して準備することが当たり前な人は、それを「計画性」と呼べることに気づいていません。相手の立場で考えることが自然にできる人は、それを「共感力」と呼べることに気づいていません。
日常の違和感や、ふとした怒りの裏側にも、同じことが言えます。「なぜ相手の立場で考えないのだろう」と感じるなら、そこにこそ自分の強みが隠れていることがあります。
一人で考えると、答えの正解探しに意識が向いてしまい、この「当たり前すぎて見えないもの」にたどり着く前に止まってしまいやすいのです。
「いくつ言えばいいか」で迷っているなら
強みの数で迷う。何を大切にしたいのか、言葉にできない。
そういう状態は、能力の問題ではなく、一人で考えることの限界であることがほとんどです。
もし今、同じように迷っているなら、一度、誰かと一緒に言葉にしてみることをおすすめします。
国家資格キャリアコンサルタントとして、これまで400件を超える面談で、同じ迷いに向き合ってきました。証券会社に31年勤め、独立してからはこの「言葉にする」作業そのものを仕事にしています。
ご興味があれば、プロフィールから相談の詳細をご覧いただけたらと思います。