AI研修を発注する前に知っておいてほしいこと。130人に教えて、使い続けているのは10人です

AI研修を発注する前に知っておいてほしいこと。130人に教えて、使い続けているのは10人です

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ビジネス・マーケティング
「スタッフにAIの使い方を教えてほしい」

こういう相談を受けることが増えました。研修やレクチャーを外に頼む前に、知っておいてほしいことを先に書いておきます。

先に結論です。AIの研修を受けても、ほとんどの人は使い続けません。 それは講師のせいでも、受けた人のせいでもありません。ふつうに起きることです。

130人のうち、使い続けているのは10人

私は、AIに関心のある人を集めたコミュニティを運営しています。メンバーは130人ほど。毎週、最新のAIの使い方を伝える勉強会を、1年半ほど続けています。

それでも、毎回参加してくれるのは20〜30人ほどです。そのなかで、実際に自分の仕事や生活でAIを使い続けている人は、10人くらいという感覚です。

AIに関心があって、自分から集まってきた人たちでさえ、この割合です。会社の研修で「受けてください」と言われた人なら、さらに少なくなると思っておいたほうがいいです。

週1回、対面で教えても使えるようにならなかった

1対1で教えて、うまくいかなかったこともあります。

知人に、月2万円でAIの使い方を教えていたことがありました。本人は「AIを使って、新しい仕事の軸を作りたい」という気持ちがとても強い人でした。週1回、対面で教えていました。

それでも、なかなか使いこなせるようにはなりませんでした。

AIは、何もしなくても勝手に動いてくれる道具ではありません。何をさせたいかを考えて、指示を出して、出てきたものを直す。この「使い方を覚える労力」のところで、気持ちが折れてしまったのだと思います。

ただ、無駄だったとは思っていません。対面で話を重ねるうちに、本人がどんな業務をしていて、そのうちどこをAIで効率化できそうか、という話ができるようになりました。どの業務を、どう変えられそうかのイメージは、はっきりしたのです。あとは、それを実際に使えるかどうかの段階だと思っています。

研修の成果は「使えるようになること」だけではありません。自分の業務のどこにAIが入るのかが見えるだけでも、ひとつの前進です。

使い続ける人は「好きな人」

では、使い続けている10人には、何か共通点があるのか。

私の答えは、とにかく好きで、没頭できる人です。使いこなせているかどうかは関係ありません。触ること自体が楽しい人、知的好奇心が強い人は、放っておいても使い続けます。

子どものころ、寝たふりをして、布団の中で朝までゲームをしていたことがあります。いまAIを触っているときの感覚は、正直あれとほとんど同じです。

逆に言えば、好きになれない人に「使ってください」と言っても、なかなか続きません。全員がAIを使えるようになる研修は、たぶんありません。 研修を発注する側も、「全員が使えるようになる」をゴールにしないほうが、がっかりせずに済みます。

おすすめは、最初から全員を対象にしないことです。まずは、職場のなかで「ちょっと触ってみたい」と言っている人を1〜2人選んで、その人たちに集中して教える。その人が使いこなせるようになれば、周りの人は、研修よりもその人のやり方を見て覚えていきます。身近な人が楽しそうに使っている姿のほうが、講師の説明より何倍も伝わるからです。

ゴールを「何人が使えるようになったか」ではなく、「職場に1人、AIに詳しい人ができたか」に置く。そのくらいの期待値で始めたほうが、結果的に長く続きます。

講義を聞くだけでは、ほぼ残らない

私の勉強会は、講義を聞くだけの時間はほとんどなく、その場で実際に触ってもらう形で進めています。上達のいちばんの近道は、自分の手で触ってみることだからです。

それでも、聞くだけで終わってしまう人は多くいます。理由のひとつは、有料プランに課金することへの抵抗です。

ただ、いまは月3,000円ほどで、十分に便利なAIを使えます。一方で、上位のプランはすでに月2万円ほどになっていて、私自身も払っていた時期があります。昔なら考えられない金額です。AIの利用料は、これから上がっていくと私は考えています。安く触れるうちに、少しでも触っておくことが大事です。

講師を選ぶときに聞いてほしいこと

発注する側が事前に確認しておくと失敗しにくいのは、講師自身がどれくらいAIを好きで、毎日触っているかです。

AI業界は、毎週のように新しい機能や新しい道具が出てくる世界です。半年前のやり方より、もっといい方法がもう出ている、ということがふつうに起きます。最新の情報を追えていない人は、いまは教えられても、すぐに古くなります。

具体的には、次の3つを聞いてみてください。

1.AIを毎日どれくらい触っているか
2.AIの情報を、どこから仕入れているか
3.学んだことを、何人に、どれくらいの頻度で伝えているか

2については、無料の動画やSNSだけでなく、お金を払って情報を取りにいっている人のほうが、新しい情報に早い傾向があります。私自身も、有料のコミュニティで学んだことがかなり多いです。

3は、意外と見落とされます。インプットだけしている人より、人に伝え続けている人のほうが、教えるときに迷いません。

「やめたほうがいい研修」は、特にない

最後に、「この研修はやめたほうがいい」という型があるかと聞かれたら、特にないと答えます。

むしろ、いろいろな研修を受けてみることをおすすめします。何人かの話を聞くと、みんなが共通して使っている道具や使い方が見えてきます。それが、いまのトレンドであり、いま実際に使いやすい方法です。

情報は、多ければ多いほど使い方の精度が上がります。1つの研修で全部を身につけようとせず、たくさん触れて、自分に合うものを残していく。それが、AIと長く付き合ういちばんの近道だと思います。

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