自己PRを書こうとすると、何も書けなくなる理由

自己PRを書こうとすると、何も書けなくなる理由

記事
学び
「あなたの強みは何ですか?」
「自己PRを書いてください」

そう言われた瞬間、

「……何を書けばいいんだろう」
と、手が止まってしまったことはありませんか?

就職相談でも、
「自己PRに書けるような経験がありません」
「人に言えるような強みがありません」
というお話を聞くことがあります。

でも、お話を聞いていくと、本当に“何もない”ことは、ほとんどありません。

むしろ私は、
「自己PRを書こう」とするからこそ、見えなくなってしまうものもある
のではないかな、と思っています。

「ちゃんとしたことを書かなきゃ」が始まる

自己PRと聞くと、急にハードルが上がります。

「人よりすごい経験じゃないと」
「リーダー経験がないと」
「数字で示せる成果がないと」
「企業に評価される強みを書かないと」

そんなふうに、“自己PRとして正しそうな答え”を探し始めてしまうことがあります。

すると、
アルバイトや仕事で普通にやっていたこと。
友人との関わりの中で自然にしていたこと。
好きで続けてきたこと。
うまくいかなかったけれど、自分なりに考えて行動したこと。

そんな日常の経験を、
「こんなの普通だから」
と、自分で候補から外してしまいます。
でも、その“普通”の中に、その人らしさが隠れていることがあります。

「これって、私の強みなのかもしれませんね」

以前、ある就職相談で、
「自分の強みと言えるものが、よく分からない」
という方がいらっしゃいました。

とても謙虚な方で、ご自身が普段していることについても、
「これを強みと言っていいのかな」
という感覚をお持ちでした。

そこで、「強み」を直接探すのではなく、まず現在のお仕事についてお話を聞いてみました。

「今の仕事で、どんなときにやりがいを感じますか?」
「普段、どんなことを意識して仕事をしていますか?」
そんなふうにお聞きしていく中で、ある一つの行動が出てきました。

ご本人にとっては、特別なことではないようでした。
でも、私は少し気になったので、
「それって、自然とやっているんですか?」
と、もう少し聞いてみました。

すると、
「一度やってみたら、とても評価していただいて。それから続けています」
というお話が出てきました。

そこでさらに、
「どうして、それをやろうと思ったんですか?」
「どんなことを意識しているんですか?」
と、その経験を一緒に振り返っていきました。

すると、ご本人から、
「ああ……じゃあ、それって私の強みなのかもしれませんね」
という言葉が出てきました。

そして、さらに話していくと、
「そういえば、学生時代にも似たようなことがありました」
と、別の経験にもつながっていきました。

最初は、
「自分には強みと言えるものが分からない」
と思っていたけれど、
今の仕事にも、過去の経験にも、似たような“その人らしさ”が表れていたんです。

自分にとって「普通」のことほど、見えにくい

就職相談をしていると、こうしたことは珍しくありません。

本人にとっては、
「普通にやっていること」
「別に頑張っているつもりはないこと」
「これくらい、みんなやっているのでは?」
と思っていること。

だから、自分では“強み候補”にすら入れていない。

でも、
「なぜ、それをしたんだろう?」
「どうして、それを続けているんだろう?」
「そのとき、何を大切にしていたんだろう?」
「ほかの経験でも、似たことをしていないかな?」

と、一つずつ見ていくと、
「あれ? これって自分らしいのかも」
というものが見えてくることがあります。

強みは、何か特別な経験をして、新しく作らなければいけないものではありません。
すでにやっていることの中から、見つかることもあります。

まずは「材料」を集めるところから

だから、自己PRを最初から完成させようとしなくても大丈夫です。

いきなり400文字の文章にしようとする前に、
「どんなときが楽しかった?」
「逆に、どんなことが嫌だった?」
「なぜか覚えている経験は?」
「そのとき、自分はどうした?」
「どうして、そうしたんだろう?」
そんなところから振り返ってみる。

最初は、
「楽しかった」
「嫌だった」
「嬉しかった」
「なんとなく気になった」
くらいでも大丈夫です。

そこから少しずつ、
「なんでだろう?」
と自分に聞いてみる。
そして、別の経験も振り返ってみる。

すると、
「この考え方、前にも出てきたな」
「私って、こういうときに頑張れるのかも」
「こういうことを大切にしているのかも」
と、バラバラだったものが少しずつつながってくることがあります。

それが、自己PRを作るための“材料”になります。

最初から、ちゃんと書かなくて大丈夫

自己PRだけではなく、自分のことを知ろうとするときも同じだと思います。

最初から、
「私の強みはこれです」
「私はこういう人です」
と、完璧に言えなくても大丈夫です。

一つの経験を振り返ってみる。
少し気になる言葉を見つける。
別の経験も見てみる。

そして、
「あ、この言葉、また出てきた」
と気づく。

そんなふうに、少しずつ自分の輪郭が見えてくることがあります。

もし自己PRを書こうとして、
「自分には何もない」
と思ってしまったら、
いったん「自己PRを書かなきゃ」から離れてみてもいいかもしれません。

最初から、ちゃんと書かなくて大丈夫。
まずは、自分の中にある“材料”を見つけるところから。

あなたの中にも、
まだ自分では気づいていないものがあるかもしれません🌈

一人で考えていると「自分には何もない」と感じてしまう方へ。
対話を通して、経験の中にある“材料”を一緒に見つけるサポートも行っています。




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