理由もないのに、ふっと心細くなるときに

理由もないのに、ふっと心細くなるときに

記事
コラム
ふとした瞬間に、心細くなることがありませんか。

何か嫌なことを考えていたわけでもない。

昨日、何かあったわけでもない。

これから困ったことが起きると決まったわけでもない。

家事をしていたり、ぼんやりしていたり。
いつもの一日を過ごしている、その途中で。

ふっと。

「あれ? なんか心細い」

そんな感じが、どこからともなく立ち上がってくる。

先日、そんな瞬間がありました。

そして私は、ちょっと不思議に思ったんです。

「今、何か考えてたっけ?」

考えてない。

心配事を思い出していたわけでもない。

ただ、いつものように過ごしていただけ。

それなのに、先に「心細い」という感じがやってきた。

そこで気づきました。

不安や心細さって、いつも“考えた結果”として出てくるわけじゃないんだなと。



以前の私は、こういう感じが出てくると、

「なんで?」
「何が心配なんだろう?」
「何か気になることあったっけ?」

と、原因を探していた気がします。

そして探しているうちに、

「あれも心配」
「そういえば、これもどうなるんだろう」

と、頭が材料を集め始める。

最初は小さな「心細い」だったはずなのに、いつの間にか立派な心配事になっている。

人の頭って、なかなか優秀です。

頼んでもいないのに、ちゃんと理由を見つけてくれます(笑)



でも最近は、少し違います。

「あ。今、心細くなってるんだ」

そこで一度止まれるようになりました。

理由がわからなくてもいい。

原因を突き止めなくてもいい。

心細さが出てきたからといって、何か悪いことが起きる予兆でもない。

ただ、

今の私の中に、“心細い感じ”が浮かんできた。

まずは、それだけ。



私はこれを「プカプカさせておく」と呼んでいます。

消そうとしない。

追い出そうとしない。

でも、つかまえて大事件にもしない。

水面に葉っぱが浮いているみたいに、

「ああ、いるね」

くらいにしておく。

そしてコーヒーを飲んだり、洗濯物を干したり、少し歩いたり。

いつもの生活に戻っていきます。

すると、気がついたら流れていることもあります。

もちろん、何度も戻ってくることもあります。

そんな日は、また浮かべる。




これができるようになるまで、私はずいぶん時間がかかりました。

「気にしなければいい」
「考えすぎなければいい」

そんなことは、たぶん多くの人が知っています。

でも、

知っていることと、できることは違います。

簡単にプカプカできるなら、そもそも苦労しません。

だから私は、日々の小さなことで練習してきたんだと思います。

少し歩く。

手を合わせる。

身体を動かす。

「あ、今ズームしてる」と気づいたら、少し画角を広げてみる。

そして、今の自分にできることがなければ、一度そこに浮かべておく。

そうやって少しずつ、

「心配があること」と
「心配に全部持っていかれること」は違うんだと、

頭だけではなく、身体でも覚えてきたのかもしれません。




恋愛でも、同じことがあると思います。

返信がまだ来ない。

いつもより言葉が少なかった。

なんとなく相手の様子が違った気がする。

その瞬間に湧いた小さな心細さから、

「嫌われた?」
「気持ちが冷めた?」
「他に誰かいる?」

と、心が一気に走り出してしまうことがあります。

そんなとき、

すぐに答えを出さなくてもいいのかもしれません。

まずは、

「私、今ちょっと心細くなってるんだな」

そこまで戻ってみる。

相手の気持ちを推理する前に、自分の中で起きていることに気づいてあげる。

それだけでも、少し画角が変わります。

不安にならない人になる必要はありません。

心細さが浮かんだら、

「あ、来たね」

と気づいてあげる。

そして、すぐに答えを出さずに、少しだけ浮かべておく。

そんな時間があってもいいんじゃないかな、と思っています。

今日も私は、いろんなものを浮かべながら。

ぼちぼち、プカプカやっています。

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