「モノ」を追うのをやめたら、本当の豊かさが手に入った

「モノ」を追うのをやめたら、本当の豊かさが手に入った

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コラム
キャンプを始めた頃は、カタログやネットの海を眺めては、「もっと広いテントがいいかな」「こっちの軽いギアに買い換えたほうが快適かも」と、次々に新しいものが欲しくなっていました。あれこれとリサーチして、手に入れるまでのワクワクも含めてキャンプの醍醐味だと思っていたし、実際に新しい道具が届いたときの高揚感もありました。

だけど、ひと通り道具が揃った今の自分をふと見渡してみると、以前あんなにあった「新しいギアが欲しい」という物欲が、スーッと消えていることに気づきます。「もう欲しいものなんて何もない」と無理に悟りを開いたわけでもありません。ただ、純粋に「今の装備で十分すぎるほど満たされている」と感じているのです。

振り返ってみると、キャンプに行き始めた頃の私は、どこか「外側の基準」に引っ張られていた気がします。「もっと快適に過ごさなければならない」「まわりのキャンパーみたいに、洗練されたギアを揃えていないと格好がつかないかもしれない」。そんなふうに、「モノ」を揃えることで安心感を得ようとしていたから、常に頭のどこかで「次はあれが欲しい、これが足りない」とソワソワしていました。確かに、新しい道具を導入すれば便利にはなります。でも、本当にその焦りや物欲は、自分の心が心から求めていたものだったのだろうかと、今なら思います。

道具が一通り揃って、自分のキャンプのスタイルが自然と定まってきたころから、心の向きが変わってきました。最新の軽くて便利なギアを揃えることよりも、「ただその場所でコーヒーを飲む時間」「何もしないまま焚き火の炎を眺めている時間」そのものに、自然と意識が向くようになったのです。

以前は「道具を使うためのキャンプ」だったのが、いつの間にか「そこで流れる時間を味わうためのキャンプ」にシフトしていました。便利な道具や新しいモノが増えなくても全然困らない。今はこの時間や空間そのものに価値を感じるようになったと、心からそう実感しています。

キャンプに限らず、私たちはつい「もっと新しい成果を」「もっと良い環境を」「もっと便利な方法を」と、外側の何かを足すことばかりを追いかけがちになってしまいます。だけど、何かを無理に買い足さなくても、すでに手元にあるもので人生は十分に満たされています。

外側の結果やモノを追いかけるのではなく、目の前の時間をじっくり味わうこと。「小さく始め、深く味わい、長く続ける」というリズムを大切にしながら、キャンプのときだけでなく、日々の暮らしの中でも、この満たされた感覚を一つひとつ丁寧に重ねていきたいと思います。

豊かさの捉え方や外側・内側の扱い方は、コンテンツマーケットにまとめています。


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