「ジャンクフードを減らしたいのに、つい食べてしまう……」
「健康のために控えたいけれど、我慢するのがつらい」
「ストレスがたまると、甘いものや脂っこいものが食べたくなる」
こんな悩みはありませんか?
ジャンクフードをやめたくてもやめられないのは、意志が弱いからとは限りません。脳の仕組みなどさまざまな要因が関係しています。
なお、ジャンクフードというと、ポテトチップスやケーキなど脂っこい食べ物をイメージする方もいるかもしれません。
この記事では、それらに加えて、コーラやジュースなどの甘い飲み物も「ジャンクフード」として扱います。
この記事では、病院での勤務経験がある管理栄養士で、うつ病の経験もある私が、ジャンクフードをやめたくてもやめられない理由と、無理なく減らすコツを紹介します。
読み終えるころには、食べたくなるきっかけへの対策や、代わりに食べるものの選び方、食べる環境の工夫など、今日から試せる方法が見つかるはずです。
1.ジャンクフードをやめにくい理由
脳の仕組み
甘いものや脂っこいものなど、好みに合った食品を食べると、満足感や喜びを得られます。
脳には、食べ物のおいしさや報酬に関わる仕組みがあり、こうした食品を繰り返し食べることで、また食べたいという気持ちが強まる場合があります。
近年は、ジャンクフードなどを繰り返し食べることで腸内環境が悪化すると、さらにジャンクフードを食べたくなるように、腸が脳に働きかける可能性(腸脳相関)についても研究されています。
ただし、現在は動物実験の段階であり、人間で同じことが起こると証明されているわけではありません。
研究途上ですが、「また食べたい」と感じることは、こうした脳の仕組みも関係している可能性があるため、必ずしも意志が弱いというわけではないのです。
食べることが習慣になっている
例えば、次のような習慣はありませんか?
仕事や家事が終わったら、お菓子を食べる
動画を見るときは、スナック菓子を用意する
コンビニに立ち寄ると、決まったお菓子を買う
疲れた日には、ファストフードやインスタント食品を選ぶ
同じ状況で同じものを食べることが続くと、その状況がきっかけとなって、自然と食べたくなることがあります。
この場合は、我慢するだけでなく、食べるきっかけとなっている習慣を見直すことも役立ちます。
手軽に買えて、すぐに食べられる
忙しいときや疲れているときには、調理の手間が少なく、すぐに食べられるものが便利です。
コンビニなど身近な場所で購入できることや、日持ちして家にストックしやすいことも、食べる機会が増える理由の一つになります。
食生活を見直すときは、食品そのものだけでなく、買い方や保管場所など、食べるまでの環境にも目を向けてみましょう。
睡眠不足や疲れ
睡眠が不足すると、食欲に関係するホルモンなどに変化が生じたり、高カロリーの食品を好む傾向が強まったりすることがあります。
もちろん、睡眠不足だけで食べたくなるわけではありません。
しかし、寝不足が続いているときに、甘いものや脂っこいものがいつも以上に欲しくなる人もいるでしょう。
食べるものを見直すだけでなく、睡眠や疲労の状態も確認してみることが大切です。
ジャンクフードを摂りすぎる習慣が続くと、エネルギーや糖類、脂質などの摂りすぎにつながり、肥満や2型糖尿病などの健康リスクが高まるとされています。
こうした健康への影響は、すぐに自覚できるとは限りません。
将来の健康のためにも、気になる方は、次の章から取り上げる対策を無理のない範囲で取り入れてみてください。
2.まずは、どんなときに食べたくなるか振り返ろう
ジャンクフードを減らすために、最初に取り組みたいのは、自分がどんなときに食べたくなるのかを知ることです。
例えば、次のような場面が考えられます。
おなかがすいているとき
仕事や家事で疲れたとき
気分が落ち込んだり、ストレスを感じたりしたとき
寝不足の日
テレビや動画を見ているとき
コンビニやスーパーで食品を見かけたとき
思い当たるものはあるでしょうか?
すべてを細かく記録する必要はありません。
まずは「疲れた日の夜に食べたくなる」など、気づいたことを一つ挙げるだけでも十分です。
食べたくなるきっかけが分かると、自分に合った対策を考えやすくなります。
3.ジャンクフードを無理なく減らすコツ
ここからは、ジャンクフードを減らすための具体的な方法を紹介します。
すべてを一度に実践する必要はありません。
取り組みやすそうなものから試してみてください。
コツ①代わりに食べるものを用意する
ジャンクフードを減らしたいときは、代わりに食べられるものを用意しておくのも一つの方法です。
例えば
✅甘いお菓子
→バナナ、ヨーグルト、果物
✅スナック菓子
→素焼きナッツ、小袋のせんべい、和菓子
✅ファストフード
→具沢山の丼・パン・麺
+サラダ or 野菜スープ
✅インスタント麺だけの食事
豆腐、きのこ、海藻、冷凍野菜などを加える
ここで大切なのは、代わりの食品を選ぶことが、必ずしも「完全に健康的な食品に置き換える」という意味ではないことです。
例えば、菓子パンを食べる頻度を減らしたいなら、まずはバナナやヨーグルトなど、手に取りやすい食品を用意する方法があります。
ファストフードを食べることが多い場合は、コンビニやスーパーでサンドイッチやサラダ、スープなどを組み合わせる方法もあります。
こうすることで主食、主菜、副菜をそろえやすくなります。
疲れている日に、一から料理を作る必要はありません。
自分が食べたいものや、準備できる手間に合わせて選んでみましょう。
コツ② 食べたくなったときの行動を決めておく
ジャンクフードを食べたくなってから、その場で我慢する方法を考えるのは難しいことがあります。
そこで、食べたくなったときにどうするか、あらかじめ決めておくのもおすすめです。
例えば、次のような方法があります。
✅まず水やお茶を飲み、食べたい気持ちが減らないか試す
✅それでも空腹なら、①で挙げた食品を食べる
✅疲れているなら、数分休んでから考える
✅買いに行きたくなったら、少し時間を置いてから決める
✅どうしても食べたいときは、量や頻度を自分で決めて楽しむ
自分に合った方法を一つ決めておくだけでも、行動を変えるきっかけになります。
コツ③ 買い方や保管場所を工夫する
食べたくなったときに、すぐ手に取れる場所に食品があると、食べる機会が増えやすくなります。
そこで、食べるものを我慢するだけでなく、食品との付き合い方を少し変えてみるのもおすすめです。
例えば、次のような方法があります。
✅買い物に行く時間をおなかが空いていない時間帯にずらす
✅お菓子をまとめ買いせず、次の分だけ購入する
✅大袋ではなく小分けタイプを選ぶ
✅家に置いておく場合は、手の届きにくい場所に保管する
こうした工夫は、食べたい気持ちを完全になくすためのものではありません。食べるかどうかを、少し落ち着いて選びやすくするための工夫です。
自分の生活に合う範囲で試してみてください。
コツ④ ストレスで食べたくなったら、リラックス方法を試す
ストレスや疲れがたまると、気分転換に甘いものや脂っこいものが食べたくなることがあります。
そんなときは、食べること以外にも、気持ちを落ち着ける方法を用意しておくとよいでしょう。
例えば、次のような方法があります。
筋弛緩法
筋弛緩法は、筋肉に数秒間力を入れたあと、ゆっくり力を抜くリラックス方法です。
例えば、肩をぎゅっとすくめて5秒ほど力を入れ、10秒ほどかけてゆっくり力を抜きます。これを数回繰り返してみましょう。
椅子に座ったままでもできるため、仕事のあとや自宅でくつろいでいるときにも取り入れやすい方法です。痛みが出るほど力を入れる必要はありません。
好きな音楽や落ち着く音楽を聴く
お気に入りの曲や、聴くとほっとする音楽をすぐに再生できるようにしておくのもおすすめです。
あらかじめスマートフォンにプレイリストを作っておけば、疲れているときにも選ぶ手間を減らせます。
1曲だけ聴くなど、短い時間から試してみましょう。
こうした方法を試しても食べたい気持ちが続くことはあります。
必ず食欲を抑えられるわけではありませんが、ストレスを感じたときの選択肢を増やすことにつながります。
コツ⑤ 睡眠環境を見直してみる
④までの対策をとってもジャンクフードに手が出やすい場合は、睡眠を見直すと改善するかもしれません。
例えば、次のような点を確認してみましょう。
動画やスマートフォンの使用で、寝る時間が遅くなっていないか
寝室が暑すぎたり、明るすぎたりしないか
就寝時刻が大きくばらついていないか
日中の強い眠気が続いていないか
一度にすべてを改善する必要はありません。
例えば、動画を見ているうちに寝る時間が遅くなってしまうなら、まずは寝る前に視聴を終える目安を決める方法があります。
寝室が暑い場合は、室温や寝具を調整してみましょう。
ただし、眠る時間を確保するために、ほかの生活上の負担を増やしすぎないことも大切です。
4.それでもやめられないときは
ここまでのコツを試して、ジャンクフードの量や頻度を減らせたとしても、やめるには至らないこともめずらしくありません。
「1.ジャンクフードをやめにくい理由」で、腸内環境が悪化するとさらにジャンクフードを食べるように腸が脳に働きかける可能性があることに触れました。
このような仕組みがあるとすれば、量や頻度を少しずつ減らすだけでは、
腸内環境が悪いまま
=腸が脳にジャンクフードを食べるように働きかけている状態のまま
になるため、食べたくなる気持ちがなかなか減らない場合も考えられます。
そこで、少しずつ減らす方法が難しいと感じる場合は、まずは2日間を目安に、ジャンクフードを控えてみる方法も選択肢の一つです。
控える期間をもつことで、ジャンクフードを食べるように腸が脳にはたらきかけることを減らすことにつながり、量や頻度を減らすよりも、やめやすくなるかもしれません。
これまでの章で紹介した工夫のなかから特に取り入れやすいものだけでもよいので連続で控えることを目標にしてください。
とはいえ、もし途中でジャンクフードを食べてしまっても、自分を責める必要はありません。
大切なのは、そこで終わりにするのではなく、「なぜ食べたくなったのだろう?」と振り返えることです。
例えば、寝不足だった、仕事や人間関係のストレスが多かった、お腹が空いていた、すぐに食べられるものがほかになかったなど、理由が見つかるかもしれません。
理由が分かれば、次に試せる工夫も考えやすくなります。
睡眠を優先する、リラックスする時間をつくる、代わりに食べられるものを用意するなど、自分に合った対策を一つずつ試してみましょう。
数日間控えることができた場合は、そのときの食欲や気持ちの変化を振り返り、負担が大きくなければ、次はもう少し長い期間を試してみる。
これを繰り返し、少しずつ控える期間を長くしてみましょう。
ただし、数日間控える方法が、少しずつ量や頻度を減らす方法よりも効果的だと確立されているわけではありません。
そのため、連続して控える方法が合わない場合は、食べる量や頻度を少し減らす方法に戻してもかまいません。
おわりに:自分に合った減らし方を見つけよう
ジャンクフードを減らす方法は、人によって合うものが異なります。
連続して控える方法が合う人もいれば、食べる量や頻度を少しずつ調整するほうが無理なく続けられる人もいます。
大切なのは、自分に合わない方法を無理に続けることではなく、生活や体調に合わせて工夫することです。
もしジャンクフードを食べてしまったとしても、それだけで取り組みが失敗したことにはなりません。
「どんなときに食べたくなったのか」「次はどんな工夫ができそうか」と振り返ることで、次の対策を考えることができます。
また、うつ病などで気分が落ち込んでいるときや、疲労が強くて料理が難しいときは、食事を整えること自体が負担になる場合もあります。
そのようなときは、まず食事を確保することや、手軽に食べられる食品を活用することを優先しても大丈夫です。
まずは、できそうな工夫を一つ選ぶところから始めてみませんか?
少しずつ、自分の生活に合った方法を探していきましょう。
本ブログでは、この記事以外にも
うつ病の方の体調や気持ちを前提にした
食事・栄養に関する記事をいくつか書いています。
ブログで取り上げてほしいテーマや、深堀りしてほしい点があれば、下記のプロフィール画面右上の✉マークより受け付けていますので、お気軽にお寄せください。
記事を読んで「私の場合はどうすればいい? 」と感じた方へ。
「まず何をすればいい?」
をさらに具体的に整理した記事も書きました。
睡眠で意識したいことなど、
「頑張りすぎず健康的な食事を続ける工夫」
をまとめています。
さらに、今のあなたの体調に合わせて、無理のない「小さな一歩」を一緒に見つける個別アドバイスも始めました。
※現在「受付休止中」となっていますが、
「ご購入いただけない」という意味ではありません。
事前相談の後、サポート可能な場合は
【あなた専用の購入枠】として受付を一時再開いたしますので、
そのままご購入いただけます。
(他の方の誤購入を防ぐための措置です)
まずは「✉出品者に質問」よりお気軽に事前相談をお寄せください🌱
参考にした資料
・山本隆:おいしいとなぜ食べすぎてしまうのか?一脳内報酬系の働き一. 日本味と匂学会誌. VoL.13 (2) ,PP119 −124, 2006.8
・厚生労働省 e-ヘルスネット 睡眠と生活習慣病との深い関係
(2026/10/11 閲覧)
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)」
(2026/10/11 閲覧)
・管理栄養士養成課程で学んだ基礎知識および筆者の実務経験をもとに執筆しています。
※本記事は一般的な情報をもとに、筆者の経験も交えながら「無理なく続けること」を目的としてまとめています。
治療中の方や医師・管理栄養士から個別の指導を受けている方は、その内容を優先してください。