【前嶋拳人】「買い物カゴの中に未来の自分が隠れていた」という話

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ビジネス・マーケティング
ある日スーパーで何気なくカゴを覗いたとき、ふと思った。そこに並んでいる商品は、まるで今の自分の鏡のようではないか。栄養ドリンクは疲れを隠すため、スナック菓子は小さなご褒美、安売りの野菜は節約心の象徴。まるで自分の生活や気持ちが、そのままカゴの中に並んでいるように見えてきて、思わず立ち止まってしまった。

そこから気づいたのは、買い物カゴは「未来の自分の宣言」になっているということだった。例えば、ランニングシューズを買った日から本当にランニングを始めたように、カゴに入れた選択が次の日の行動や気分を形作っていく。チョコレートを入れれば、夜に甘いものを食べる未来が待っているし、野菜をたっぷり買えば料理を頑張る自分に出会える。つまりカゴを覗くことは、今の延長線上にいる「明日の自分」と対話する行為なのだ。

この視点で考えると、買い物はただの消費ではなく、セルフプロデュースの場に変わる。例えば私は、あえて「未来の自分に会わせたいもの」を入れるようにした。ずっと先延ばしにしていた読書時間を作るために、雑誌や文庫本を買い物ついでにカゴへ入れる。すると「せっかく買ったし読もうかな」という気持ちが芽生え、習慣になっていく。何を手にするかで、自分の明日がちょっとずつデザインされていくのだ。

面白いのは、この方法をサービスやスキル購入に置き換えても同じことが言えるということだ。例えばイラストを依頼すれば、自分のアイコンや世界観が変わる。文章を整えてもらえば、人に伝わる力が一段上がる。誰かに相談を依頼すれば、今までとは違う視点で動けるようになる。それはまるで「スキル版の買い物カゴ」を持っているようで、何を入れるかによって未来の自分が決まっていく。

だから最近は、自分の買い物カゴを覗くたびに問いかけている。これは本当に未来の自分に渡したい贈り物だろうか。無意識に積み上がる日常の選択が、自分という物語の伏線になっていく。気づけば、カゴの中身が変わることで、自分の生き方そのものが少しずつ変化しているのを実感するようになった。

買い物カゴに入れる一つひとつは小さな選択かもしれない。でも積み重なれば、その人らしさを形作り、未来の自分をつくる力になる。だから今日、スーパーで何を手に取るかが、意外と人生を変えるきっかけになるのかもしれない。
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