大手SIerで働いていた頃の自分に、今ならこう言える。
「技術と向き合うって、そういうことじゃないよ」と。
当時の僕は、大規模プロジェクトの歯車の一つだった。
与えられた設計書通りにコードを書き、納期に間に合わせることが最優先。「動けばいい」「仕様通りなら問題ない」という空気の中で、
ただ手を動かしていた。
技術書は読んでいた。新しいフレームワークも触っていた。で
も、どこか義務的だった。「勉強しなきゃ」というプレッシャーに
追われていただけで、心から楽しんではいなかった。
独立してから、すべてが変わった。
自分の名前で仕事をするようになって初めて、コード一行一行の重みを
実感した。クライアントの課題に真剣に向き合い、最適な解決策を模索する。その過程で触れる技術は、もう義務じゃない。必要だから学ぶ。
面白いから深掘りする。
国分寺のカフェで開発しながら、ふと昔の自分を思い出す。
あの頃は「技術を学ぶこと」が目的になっていた。でも本当は違う。
技術は、誰かの課題を解決するための手段なんだ。
SIer時代の自分に言いたい。
「技術と向き合うっていうのは、技術書を読むことじゃない。
目の前の課題と、その先にいる人の顔を想像することだよ」
今、僕は技術と真摯に向き合えていると思う。
それは、ようやく技術の本当の意味を理解できたから。