これは健常者にも言える事ですが、
アドバイスなどから、意識が変わるきっかけが生まれても、次の日には忘れてしまう、という現象がよく起きます。
これが心の病を抱えている方の場合になると、不安や悩みにすぐにまた苛まれて、病の苦しみが上回ってしまう、そして忘れて行く、と言った現象までプラスされます。
私はこの状態を「火垂るの墓状態」と例えています。
この言葉は、皆さんもご存知だと思いますが、太平洋戦争末期を舞台にしたアニメ映画のタイトルからの引用です。
これはまだ私が小学生の頃、年の離れた姉が「食べ物は大切にしないとダメだね(泣)」などと、泣きながらこの映画を見ていた事に始まります。
そして次の日の朝、姉は寝ぼけながら手を合わせる事もなく、ダラダラと食べ、そして僅かながらに食べ物を残していた姿を見ました。
その姿を見て、昨日のあれは何だったんだろう?と、子供ながらに漠然とした違和感を覚えていました。
その後も、おやつだとか、夕食だとか、大切の、たの字もないような姿を見続け、またその約1年後に、新聞で火垂るの墓がやると知った姉が「この映画は見なきゃいけない!」と言い、そしてまた同様の姿を見て、また同じことを繰り返していたのです。
「寝て起きたら忘れる」を繰り返すのです。
この経験から中学生の頃に「火垂るの墓状態」という言葉が、自分の中で作られました。
これは、映画だけでなく、本や、ドラマ、ドキュメント、自己啓発、誰かの言葉なども同様の事が言えます。
また、あらゆる人を見てきて驚いたのは、そこで得た学びや教訓を、口だけで偉そうに述べていた事です。この後、偽善者という言葉を覚えました。
要は、「言葉と行動に大きな矛盾」が生まれている人達です。
ですが、本人も周りも誰も気付かず、本人も自分を良い人間だと思い込み、また周りも騙され、その人を良い人間だと思い込んでいました。
また、この状態が長引いている人ほど、長年積み重ねている人ほど、否定されることを酷く嫌います。要は、謙虚さや素直さがない人です。
こういった場合は自分を変える事が困難になります。
この上記の内容を受け止め、日々、学びや教訓を思い出し心に染みつかせ、実際に行動で矛盾なく反映できるようにならなければなりません。
この感覚が身に付けば、如何に自分が次の日には忘れてしまっているのかを知り、考えや気持ちが変化するほどに人間性をも変化して行きます。
これは、病が改善されて行く上でも、重要な心のスキルになります。
”寝て起きても忘れない”