愛されているのに不安になるのは、愛が足りないからじゃなく『失う怖さ』まで一緒に受け取ってしまうからかもしれない
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優しくされている。
大切にされている。
ちゃんと気にかけてもらっている。
それなのに、
なぜか心のどこかが落ち着かない。
そんなことってありますよね。
相手の言葉はやさしい。
行動にも気持ちは見える。
冷たくされているわけではない。
それでもふとした瞬間に、
『本当に私でいいのかな』
『いつか離れていくんじゃないかな』
『今は優しいけど、ずっと続くのかな』
と、不安が出てきてしまう。
こういうとき、
人は自分を責めやすくなります。
こんなに優しくされているのに。
大事にしてくれているのに。
それなのに不安になるなんて、
自分は面倒なのかなって。
でも本当は、
愛されているのに不安になるのは、
愛が足りないからではないのかもしれません。
むしろ、
その愛を大切に感じているからこそ、
同時に
『失う怖さ』
まで受け取ってしまうことがあるんですよね。
人は、本当にどうでもいいものには
そこまで不安になりません。
失ってもいいものなら、
こんなに心は揺れない。
大切だからこそ、
失うことが怖くなる。
嬉しいからこそ、
それがなくなる未来まで想像してしまう。
愛を受け取るというのは、
ただ幸せを感じるだけではなく、
『これが壊れたらどうしよう』
という怖さにも触れることがあります。
ここが、
少し苦しいところです。
本当は嬉しい。
本当は安心したい。
本当は素直に受け取りたい。
でも、
心のどこかでブレーキがかかる。
こんなに信じて、
あとで傷ついたらどうしよう。
期待して、違ったらどうしよう。
この優しさに慣れてしまって、
もし急になくなったらどうしよう。
そんなふうに、
今ある愛情より先に
未来の痛みを想像してしまうんですよね。
だから、
優しくされても安心が長く続かない。
褒められても、素直に受け取れない。
大事にされているはずなのに、
どこかで疑ってしまう。
これは、
相手を信じていないというより、
過去に傷ついた自分を
もう一度守ろうとしている反応なのかもしれません。
人は過去の経験から、
『愛されること』と
『失うこと』を
無意識につなげてしまうことがあります。
優しくされたあとに離れられた。
期待したあとに傷ついた。
信じたぶんだけ苦しかった。
そんな経験があると、
今の恋でどれだけ優しさを感じても、
心はすぐに全部を受け取れないことがあります。
それは冷たいからではありません。
愛を拒んでいるからでもありません。
ただ、
『また傷つきたくない』
という心の防衛が働いているだけなんですよね。
だから、
まずは不安になる自分を
責めなくて大丈夫です。
『せっかく愛されているのに』
と責めるより、
『受け取りたいけど、少し怖いんだな』
と見てあげるほうが、
心はずっとゆるみやすくなります。
愛を受け取ることって、
実は思っているより勇気がいります。
相手を信じること。
今ある優しさを信じること。
そして何より、
『自分は受け取っていい存在なんだ』
と、自分を信じることでもあるからです。
ここが整っていないと、
どれだけ愛情を向けられても
心の中でこう思ってしまいます。
私なんかでいいのかな。
もっとちゃんとしていないとダメかな。
いつか幻滅されるかもしれない。
でも本当は、
愛されるために
いつも完璧でいる必要はないんですよね。
疲れている日があってもいい。
不安になる日があってもいい。
うまく受け取れない日があってもいい。
その全部を抱えながら、
少しずつ
『ありがとう』を受け取れるようになっていけばいいんです。
たとえば、
褒められたときに否定しない。
優しくされたときに
『悪いな』だけで終わらせない。
気にかけてもらったときに、
少しだけ
『嬉しかった』
を自分の中に残しておく。
こういう小さなことでも、
受け取る力は少しずつ育っていきます。
愛を受け取る練習は、
大きなことをする必要はありません。
相手の優しさを
疑いながら全部見張るのではなく、
まず一つだけ
『これは嬉しかった』
と認めてみる。
ありがとうのあとに、
『でも私なんか』を足さない。
嬉しい気持ちを、
すぐ不安で上書きしない。
それだけでも、
心の中に
安心が少しずつ残りやすくなります。
もちろん、
それで一気に不安が消えるわけではありません。
過去の痛みがあるなら、
受け取るまでに時間がかかることもあります。
でも、
その時間が必要な自分を
責めなくていいんです。
愛を受け取れない日は、
愛されていない日ではありません。
ただ、
心がまだ少し怖がっている日。
そう見てあげるだけでも、
自分へのまなざしは変わります。
恋の中で本当に大切なのは、
相手の愛情を完璧に信じ切ることではなく、
不安になった自分を
毎回否定しないことなのかもしれません。
信じたい。
でも怖い。
嬉しい。
でも失うのがこわい。
その両方がある自分を、
そのまま抱えてあげること。
そこから少しずつ、
愛は『怖いもの』ではなく
『受け取ってもいいもの』に変わっていきます。
愛されているのに不安になるのは、
愛が足りないからじゃなく
『失う怖さ』まで一緒に受け取ってしまうからかもしれない。
そう思えるだけでも、
自分を責める気持ちは少しやわらぎます。
今ある優しさを、
すぐ未来の不安で消さなくていい。
少しずつでいいから、
嬉しかったことを
ちゃんと自分の中に置いてあげてください。
その小さな積み重ねが、
愛を受け取る心の土台を
ゆっくり育てていくのだと思います。