自動化したい仕事を聞くと、よく出てくるのが「入力」「転記」「集計」です。
もちろん、この3つは自動化しやすいです。
でも実際の現場では、その後にもう1個あります。
確認です。
集計した数字が合っているか確認。
前月から変な変更がないか確認。
数式が壊れていないか確認。
CSVの件数が合っているか確認。
この「確認作業」が最後まで人に残っているケース、かなり多いんですよね。
Excel、VBA、Python、GAS、Webシステムを使った業務改善を長くやってきて、最近かなり強く感じることがあります。
自動化した後ほど「確認の設計」が重要になる、ということです。
自動化しても、毎回全部確認していたら楽にならない
たとえば集計マクロを作ったとします。
ボタンを押せば1000行のデータを集計してくれる。
これは便利です。
でも担当者が不安で、出力された1000行をまた目で確認していたらどうでしょう。
処理は速くなったのに、人の仕事はあまり減っていません。
こういうことは普通にあります。
「自動化したものを信用できない」からです。
気持ちは分かります。
自分で1件ずつ処理していたときより、ボタン1つで一瞬で終わる方が逆に怖かったりします。
必要なのは「全部正しいと信じること」ではない
ここで「プログラムだから間違いません」と言うのは雑です。
プログラムにもバグはあります。
入力データがおかしいこともあります。
想定外の形式が入ることもあります。
だから信用するのではなく、チェック方法を変えます。
たとえば、
・前回と件数が大きく違う場合だけ警告
・金額が一定以上変化した行だけ抽出
・数式が周囲と違うセルだけ表示
・旧CSVと新CSVの変更箇所だけ一覧化
・空欄や重複がある行だけ表示
こういう「例外だけ見る」仕組みにします。
人は全部を確認しなくていい。
怪しいものだけ確認する。
確認作業は、実はかなり自動化しやすい
入力や転記と違って、確認はルールが曖昧そうに見えます。
でも実際に担当者へ聞いてみると、ちゃんと基準があります。
「この列が空欄ならダメ」
「前月より30%以上増えたら確認」
「商品コードが重複していたら確認」
「この範囲には全部数式が入っているはず」
「旧データから削除されたものがあれば確認」
これ、全部プログラムが得意です。
むしろ人が毎月やる方がつらい。
同じ条件をずっと見続ける作業は集中力が落ちます。
そして集中力が落ちた頃に限って、本当に変なデータが来ます。
クッッッソ意地悪です。
私がよくやるのは「警告一覧」を作る方法
業務システムを作るとき、私は正常データをずらっと見せるより、警告一覧を作ることがあります。
たとえば、
警告1:商品コードが重複
警告2:金額が前回から大きく変更
警告3:必須項目が空欄
警告4:数式が周囲と異なる
のようにします。
担当者は警告だけ見ればいい。
問題なければ処理を続ける。
これだけで「全部確認しなきゃ」という不安をかなり減らせます。
自動化は作業時間だけではなく、確認の不安を減らす設計も重要なんですよね。
Excelだけでも小さく始められる
いきなり業務システムを作らなくても、Excelファイル単体から始められます。
私は現在、確認作業に使える完成品ツールを2つ出しています。
Excelの数式抜け・数式ミスを確認したい場合
▼ Excelの数式抜け・数式ミスを自動診断するツール
毎月使うExcelで、数式抜けや周囲と違う数式を確認したい場合向けです。
### 2つのExcel・CSVの変更箇所を確認したい場合
▼ Excel・CSV差分比較ツール|追加・削除・変更を自動抽出
旧データと新データを比較して、追加・削除・変更を確認したい場合向けです。
どちらも「全部自動で直すツール」ではありません。
確認すべきところを絞るツールです。
私はむしろ、このくらいから始めるのがいいと思っています。
使ってみて足りないところが、個別開発する場所
完成品を使うと、自分の会社に必要なものも見えてきます。
「この列もチェックしたい」
「複数ファイルをまとめて比較したい」
「チェック後に自動でPDFを作りたい」
「エラーがあったらメールやChatへ通知したい」
「そもそもCSVをダウンロードするところから自動化したい」
ここまで来たら個別開発です。
▼ Excel/Python/GASの自動化相談・開発
Excelを捨てる必要はありません。
今使っているファイルを残したまま、確認部分だけPythonで補助することもできます。
GoogleスプレッドシートならGASで処理することもできます。
必要なところだけWeb画面にする方法もあります。
「作業」より先に「確認」を見直してみる
毎月同じExcelを使っている会社なら、一度だけこの質問をしてみてください。
「この作業が終わったあと、何を確認していますか?」
ここに自動化候補が隠れていることがあります。
入力を5分短縮するより、30分の目視確認を5分にする方が効くかもしれません。
全部を自動化する必要はありません。
人が判断するところは残す。
機械は、探す・比べる・警告するところを担当する。
この分担にすると、既存Excelでもかなり改善できます。
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