「文字が多い画像」は本当にNGなのか——情報量と離脱率の実際の関係

「文字が多い画像」は本当にNGなのか——情報量と離脱率の実際の関係

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「商品画像は文字を少なくすべき」。これはEC制作の現場でよく耳にする定説です。私自身、クライアントに何度もそう伝えてきましたし、間違いではないと今も思っています。ただ、この言葉が独り歩きして「文字が多い=悪」という単純な図式になっているのを見ると、少し立ち止まりたくなります。

そもそも、この定説はどこから来たのかを考えてみます。多くの場合、根拠になっているのはスマートフォンでの視認性と、パッと見の第一印象です。サムネイル上で文字がびっしり詰まっていれば読みにくく、瞬間的に「うるさい」「怪しい」という印象を与えかねない。ここまでは実感としても納得できます。特に検討の入り口、つまり検索結果やSNSのフィードで最初に目に触れる1枚については、文字を絞ってビジュアルで惹きつける方が理にかなっています。

中盤以降の閲覧者には、情報不足こそが離脱を招く

一方で、購入者がすでに商品ページの中盤以降まで進んでいる場合はどうでしょうか。そこにいるのは「気になって詳細を見ている人」であり、「今すぐ離脱するかどうかを一瞬で決める人」ではありません。この段階では、情報が足りないことの方がむしろ離脱の原因になります。サイズ感がわからない、素材の詳細が書かれていない、他の商品との違いが伝わらない——そうした「知りたいのに書いていない」状態は、文字数の多寡以前の問題として購入を止めてしまいます。

私が「腑落ちドリブン」という言葉を使うのも、まさにここに関わります。購入というのは、最終的には「なるほど、これなら大丈夫だ」と腑に落ちて初めて起きる行動です。腑に落ちるために必要な情報量は、商材によっても、購入者の検討段階によっても変わります。日用消耗品であれば説明はごく短くて十分ですが、機能性の高いガジェットや、素材・工程にこだわった食品などは、情報が少なすぎることで逆に不安や疑念を生み、離脱につながることがあります。

本質は「文字の量」ではなく「読みやすさ」と「必要性」

つまり問題の本質は「文字の量」そのものではなく、「読みやすさ」と「必要性」のバランス設計にあります。文字が多くても、情報の優先順位が整理され、視線の流れに沿って配置されていれば、閲覧者はストレスなく読み進められます。逆に文字が少なくても、伝えるべき情報が欠けていたり、レイアウトが雑で目が滑るようであれば、それは「良い画像」とは言えません。

実務で意識している、3つの判断基準

実務での判断基準として私が意識しているのは、次の3点です。1つ目は、その画像が検討フローのどの位置にあるか。入口に近い画像はビジュアル優先、中盤以降の画像は情報優先という配分を基本にします。2つ目は、その文字情報が「なくても購入できるか、ないと不安になるか」という区別です。後者に該当する情報は、多少文字量が増えても削るべきではありません。3つ目は、情報を詰め込む場合でも、見出し・本文・注釈のように階層を明確に分け、読み手が自分の欲しい情報だけを拾い読みできる構造にすることです。

「文字は少ない方がいい」というのは、あくまで一つの局面における経験則であって、普遍的な正解ではありません。大切なのは、その画像が担っている役割を見極め、必要な情報量を過不足なく設計することです。少なくすることが目的化してしまうと、かえって購入者を置き去りにしてしまう——そのことは、制作者として常に頭の片隅に置いておきたいと思っています。

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