宵灯をひとつ。
本日も魂の案内人〈シリス〉とのお話をお届けしていきます。
「混乱を極めた状況は、ひとつの言葉で整理される」
そう言って〈シリス〉は、先を指さしました。
混乱を極めた状況というのは、本当に苦しいものだと思う。
仕事も、家庭のことも、自分のことも。何もかもうまくいかない。
何か糸口を見つけようと動いてみるけれど、ぷつりと糸を切られてしまい、さらに落下していくような感覚。それでも落ちないように必死にもがくけれど、何もつかめるものがなく、底の見えない暗闇へ落ちていくように感じることもあるかもしれない。
その時、「もうだめだ」と引かれる力に身を任せてしまうと、そこから抜け出すのはとても大変になる。
けれど、大変ではあるけれど、抜け出すことはできるんだ。
そのためには、ひとつ言葉を見つけること。
今、この混乱した状況の中で、あなたが一番なりたくない状況を言葉にしてみる。
そうしたら、次は今ある現状をゆっくり見ていこう。ゆっくりだよ。
突然すべてを見ようとすると、余計に苦しくなるからね。
まずは、手を伸ばした先に何があるのか。足は浮いているのか、それとも何か平らな場所に立っているのか。
現実の例でいうなら、時間にどれくらい余裕があるのか。お金はどれくらい残っていて、どれくらい使えるのか。仕事は何を抱えていて、誰かに分担できるものはないか。
家庭のことなら、家族に頼れる部分はないか。一人暮らしなら、まずは目につくゴミを捨てるところから始めてみるのもいい。
混乱の一番の敵は、言葉として名前をつけられることなんだ。
名前がつけられた瞬間、それは混乱や混沌ではなくなり、少しずつ調和という均衡を取り戻し始める。
だから、混乱している時は紙とペンが最強の武器になる。
そして、それは今すぐにでもできることだ。
もし苦しいと思うのなら、まず「苦しい」と書いてみる。
次に、その苦しさはどこから来ているのか。体に例えるなら、どこが苦しいのかを書き出してみる。
そうすることで、少しずつ混乱から抜け出し、次に何をすればいいのかが徐々に見えてくるようになる。
本日は、「混乱を言葉にする」というお話でしたね。
中国神話には「渾沌(こんとん)」という存在がいます。目も鼻も口もない存在だったため、そこへ穴を開けたところ、渾沌は消えてしまったと伝えられています。
形のなかったものが形を得た瞬間、それはもはや混沌ではなくなりました。
今日のお話も、それとどこか似ているのかもしれません。
不確かなものが恐ろしく感じるのは、正体が分からないからです。だからこそ、目を背けるのではなく、少しずつ見つめ、言葉にしながら向き合っていくことが大切なのでしょう。
いつも、
魂の案内人〈シリス〉と
守護者〈アスル〉と共に、お待ちしております。
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