【読書ログ】マルチ・ポテンシャライト〜好きなことを仕事にする方法〜

【読書ログ】マルチ・ポテンシャライト〜好きなことを仕事にする方法〜

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学び
ぷれぜん仙人です。

今日は久しぶりにブログを書いてみたいと思います。最近読んだ本の中に、なかなか面白いものがあったので、その紹介という感じです。

タイトルは『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』。エミリー・ワプニックという方が書いた本です。

長年消えなかったモヤモヤ


まず、私がこの本を手に取った背景には、長年ずっと消えなかった課題があります。

それは、「自分は何のスペシャリストなのか?」という問いです。

私はこれまでのキャリアの中で、大学院で専門的な経営学を学び、その後、日本の大企業で事業計画の仕事を10年以上やってきました。その中で、プレゼン資料作成の専門家として2012年にココナラで副業をスタートさせ、その後はコピーライティングやコーチングを学び、さまざまな仕事に携わってきました。

企業のコンサルタントのようなことをやっていた時期もあれば、セミナー講師としてコピーライティングやマーケティングを教えていたこともあります。プレゼン資料作成という点では、いろいろな会社の営業資料を作ったり、事業計画書を書いたりもしてきました。最近では、学んできたコーチングの知識を生かして、クライアントさんのためにアファメーションを作ったり、コーチングそのものをしたりもしています。

はっきり言って、自分でも「一体、俺は何をやっている人なんだ」と思うことが多々あったわけです。

「専門家」と名乗ることへの違和感


これはサラリーマン時代からそうなのですが、「俺は〇〇の専門家だ」と名乗ろうとすると、何とも言えない息苦しさ、違和感をずっと感じていました。なぜそう感じるのかもうまく言語化できなかったし、どうすればいいのかもわからなかった。

世間的に考えれば、「〇〇の専門家である」と言ったほうが、はるかにわかりやすいし、普通です。常識的に考えても、それが正しい。

雑多なことをやって「何をやっているのかわからない人」になってしまったら、ブランディングなどできるわけがないし、そもそもわかりづらい。わかりづらいというのは、マーケティングにおいて非常に大きなマイナスで、デメリットしかありません。特に、私のように1人で個人事業をやるうえでは、「いろいろなことができます」と言うより、「これの一流のプロです」と言い切ったほうが、はるかに受けがいいでしょう。

しかし私は、それをなぜかやりたくない、やるべきではないとずっと感じたまま、今に至っています。独立してから丸8年。それでもいまだに、「私は何の専門家なのか?」という問いを抱えて生きてきたわけです。

「マルチ・ポテンシャライト」という言葉との出会い


この本を読んで、悩みそのものが解決したわけではありません。ただ、一種の整理と、安心感のようなものが得られました。

本書では、私のように専門を1つに絞ってキャリアを積むことに違和感を覚える人を、「マルチ・ポテンシャライト」と呼んでいます。複数のポテンシャル(潜在能力)を持ち、さまざまな専門性を学び、開発していこうとする傾向のある人たちのことです。

「こんな生き方では一流になれないんじゃないか?」——私のようなキャリアを持つ人が感じやすいこのテーマに、本書は真正面から向き合ってくれています。

4つのアプローチ


本書では、マルチ・ポテンシャライトには4つのタイプがあるとして、それぞれ具体的な事例を交えながら解説しています。

1. グループハグ・アプローチ
ある1つの多面的な仕事に就き、その中でいくつもの分野を行き来する働き方。

2. スラッシュ・アプローチ
複数のパートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、精力的にその間を飛び回る働き方。

3. アインシュタイン・アプローチ
1つの安定したほどよい仕事をしながら、情熱を捧げる取り組みを別に持つ働き方。これは、アルベルト・アインシュタインが特許庁で働きながら、その仕事のあとに物理学の研究を続けていたことに由来します。

4. フェニックス・アプローチ
一度に複数を掛け持ちするのではなく、数カ月から数年ごとに仕事内容を絞って興味を掘り下げ、それをいったんゼロクリアしてまた別の分野へ移っていく、連続起業家的なアプローチ。

5つのスーパーパワー


また本書では、マルチ・ポテンシャライトという働き方で得られる「スーパーパワー」も5つ挙げられています。

マルチ・ポテンシャライトの人は、私もそうだったのでよくわかりますが、不安を抱えています。いろいろなものに手を出すことで「二兎を追う者は一兎をも得ず」の状態になり、すべてのスキルや知識が二流・三流になってしまうんじゃないか、と。この本を読むまで、私もその不安がありました。

しかし、ここで描かれるスーパーパワーを読むことで、この働き方もあながち悪くないんじゃないかと感じられたのです。

1.アイディアを統合できる
異なる分野の知識を組み合わせることで、1つの業界の中だけでは出てこない発想が生まれやすい。また、その業界では当たり前とされている前提を、外から疑うこともできます。

2.学習速度が速い
さまざまな分野を学んできた経験があるため、新しいことを学ぶときにも「どう学べばいいか」がわかっている。過去の知識と結びつけながら理解できるので、習得も速くなります。

3.適応能力が高い
興味の対象や仕事内容が変わることに慣れているため、環境の変化にも対応しやすい。変化そのものをストレスではなく、刺激として捉えられる人も多いのでしょう。

4.大局的な視点を持っている
1つの専門領域だけに深く入り込むのではなく、複数の視点を持つことで、物事を全体から捉えやすくなる。細部だけでなく、「そもそも何のためにやるのか」を考えやすいのも強みです。

5.さまざまな分野をつなぐ通訳になれる
専門の違う人同士は、意外と同じ言葉を使っていても話が通じません。複数の分野を知っている人は、それぞれの立場や言葉を理解し、間に立って橋渡しをすることができます。

歴史的に見ても、レオナルド・ダ・ヴィンチやベンジャミン・フランクリンといった天才たちが、マルチ・ポテンシャライトとしてさまざまな分野を縦横無尽に統合し、才能を発揮した人物として描かれていました。

「成功」ではなく「幸せ」の探究


この本を読んで感じたのは、これは資本主義的な意味での成功の探求というより、むしろ自分らしいライフスタイル、自分が望む人生を生きるための指南書、「幸せの探究」という観点で価値があるということです。

お金がないと生活はできないし、大事なものだとは思います。1つの分野でスキルと専門性を高め、企業やお客さんを取り込んでいくことは大切だし、資本主義的な意味ではそちらのほうが成功しやすいのではないか、と私自身も思っています。

しかし、それだけでは測れない価値がある。そして、死ぬときにお金は持っていけない、というのもまた事実です。

加えて、AI技術がどんどん進歩し、専門的なスキルの価値が下がっていくという時代背景も、大きく関係していると思います。磨き上げてきた自分のスキルが、AIによって簡単に、ものすごいスピードで再現されるのを見て、不安を感じている人は少なくないでしょう。私もその1人です。

だからこそ、さまざまな分野に横断的な知見を持つマルチ・ポテンシャライトという働き方が、これからの時代にこそ大きな価値を発揮する可能性を秘めているんじゃないか——そんな期待もあったりします。

言葉が与えられることの意味


この本を読んで、私の人生課題が解決したわけではありません。それでも、ぼんやりと悩んでいたものに「マルチ・ポテンシャライト」という記号、言語が与えられたことで、それが見えるようになった。これは大きな進展でした。

そして、自分1人だけが悩んでいると思っていた問題を、世の中では実はたくさんの人が同じように悩んでいて、それに対してこうした本がある——それ自体が一種の発見であり、救いでもありました。

引き続き、継続的に考え、試行錯誤していかなければならない問題ではあります。ただ、もし私と同じような悩みを抱えている方がいれば、この本は1つのヒント、きっかけになり得るのではないかと思い、紹介しました。

ぷれぜん仙人




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