転記作業を減らす方法|同じ数字の打ち直しはどこから

転記作業を減らす方法|同じ数字の打ち直しはどこから

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ビジネス・マーケティング
受注のメールが届く。件名と本文から会社名と品名を拾って、Excelの受注一覧に打ち込む。出荷の日が来たら納品書を作る。同じ会社名、同じ品名、同じ数量をもう一度打つ。月末、請求書にまた同じ数字を打つ。

三度目を打っているときは、もう中身を読んでいない。写すだけの作業になっている。だから桁がひとつ抜けていても気づかない。気づくのは先方から連絡が来たときで、そこから受注一覧と納品書と請求書を、三枚とも直すことになる。

当方はExcelや紙で回している業務を、小さなツールやWebアプリに移す仕事をしている。相談を受けて最初にやるのは、どんな機能が要るかの話ではない。一件の情報が社内で何回入力されているかを数えることだ。数えるとたいてい、本人が思っているより多い。そして減らす順番を間違えると、途中で止まる。

まず、何回打っているかを数える

手順は紙が一枚あればいい。直近で処理した一件を選ぶ。受注でも問い合わせでも修理依頼でもいい。その一件がどこから入ってきて、どこに書かれ、次にどこへ写されたかを、左から右へ並べて書く。十分あれば終わる。ソフトの名前ではなく、人が打ち込む動作をひとつのマスにするのがこつだ。

数えるのは二つだけ。何回打ち込んだか。そして、そのたびに書き方が変わったか。回数のほうはすぐ数えられるので誰でも書く。書き落とされるのは後者だ。ここを印しておかないと、あとで「どの転記から手をつけるか」を選べなくなる。マスとマスの間に、変わった項目を書き添えておく。

三回以上出てきたら、そこは減らせる余地がある。受注、日報、シフトの三つは特に出やすい。一件が受注一覧・納品書・請求書・売上集計と四回顔を出すのは、珍しいことではない。書き出してみると、途中に「担当者が自分用に作っている表」が挟まっていることも多い。これは本人しか知らないので、聞かないと出てこない。

間違いが出るのは、回数ではなく形が変わる場所

同じ形のまま写す作業は、退屈ではあるが意外に間違えない。目と手が機械的に動くからだ。落ちるのは、写しながら頭の中で変換しているところである。転記の回数そのものより、こちらのほうが効く。二回しか打っていなくても、その一回が変換を挟んでいれば間違いはそこから出る。

日付。メールには「11/10」とあり、Excelには「2025/11/10」で入れ、請求書には「11月10日」で出す。単位。現場は「3ケース」と書き、システムは「36個」で持っている。桁区切り。金額をカンマ付きのまま貼ると、あとで足せない。会社名の(株)と株式会社。変換を挟んでいる場所が、間違いの出る場所になる。

形が変わる場所を洗い出す

だから、どの転記から減らすかを選ぶときは、回数の多いものではなく形が変わるものから見る。回数が多くても、同じ形のまま素直に流れているところは後回しでいい。逆に、月に数件しかなくても単位や日付を人が読み替えているところは、件数のわりに事故が起きる。

減らす順番は、最後の一回から遡る

入り口から手をつけたくなる。最初の入力を整えれば、あとは全部きれいになるはずだと考えるからだ。ところが入り口を直しても、下流が手打ちのままなら現場の時間は一分も減らない。効果が見えないまま作業だけが増えるので、たいてい途中で止まる。

逆から行く。外に出ていく最後の一回、つまり請求書や月次の報告や先方に渡す一覧を、元のデータから出せるようにする。ここが自動になると、その手前の入力に正しく入れておく理由が生まれる。それまで自分の備忘だったメモが、請求書の元になるからだ。

もうひとつ、最後の一回はたいてい形式がいちばん厳しい。請求書は表記も桁も揃っていないと出せない。ここを先に作ると、手前で持っておくべき項目が自然に決まる。入り口から作ると、あとになって請求書に載せる項目が足りないと分かり、作り直しになる。

「元の一回」をどこに置くか、先に決める

転記を減らそうとして、いきなり二つの表をつなぐと失敗しやすい。片方を直したときにもう片方が古いまま残り、どちらが正しいのか分からない表が二つできる。手間だけ見れば減っているのに、写し先が増えただけという状態になる。
どちらの数字が正しいのか、誰も断言できない
先に決めるのはひとつでいい。この情報の元は、どこにあるか。決め方は、いちばん早く情報が入る場所ではなく、間違いを直す責任がある人が触る場所を選ぶ。受注なら受注を受けた人、単価なら値決めをした人。そのうえで、他の画面や帳票はそこから表示するだけにする。値を持たせない。

同じ値を二か所に持つと、いつかどちらかがずれる。ずれてから突き合わせるより、最初から一か所にしておくほうが安い。単価のように後から変わるものは、上書きせず「いつ時点の単価か」を持たせておく。そうすれば、去年出した請求書の金額が単価改定で後から動くこともない。

紙をやめずに、写す作業だけ止める

現場が紙に書いて、事務所で打ち直している。この形で「紙をやめましょう」と言うと、ほぼ止まる。手が汚れていても書ける、電波がなくても書ける、書きながら考えられる。紙が残っているのには理由がある。

やめるのは紙ではなく、打ち直しのほうだ。現場がスマートフォンから一回だけ入れて、紙は控えとして残す形でもいい。紙の様式を入力画面と同じ並びに揃えて、事務所側は考えずに写すだけにする形でもいい。写真で送って事務所が一回入れるだけでも、二度打ちは消える。

転記を一本消すまで

全部をつながなくていい

一本消すだけでも、戻ってくる時間はある。一件あたり二分の打ち直しでも、月に百件あれば三時間を超える。減るのは時間だけではない。三枚に同じ数字を打っていたときは、間違いを直すのも三枚だった。元が一か所になれば、直すのは一回で済む。

残りの転記は、消した一本が現場に定着してから選び直せばいい。一本消してみると、次にどこが重いかの見え方が変わる。最初に立てた計画のとおり全部をつなごうとするより、たいていこのほうが早く着く。

当方は元金融系のシステムエンジニアで、いまはExcelや紙で回している業務を小さなツールやWebアプリにしている。まず一本だけ転記を消したい、という始め方ができるように、一業務・一画面の小さなツールを作る出品も用意している。どの作業から手をつけるかが決まっていない段階でも構わない。その作業をいま何でどう回しているかが分かれば見当はつくので、まずはココナラのメッセージからご相談ください。
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