今のExcelのデータはそのまま移せるのか

今のExcelのデータはそのまま移せるのか

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手元のファイルはたいてい似た形をしている。「管理表.xlsx」の隣に「管理表_最新.xlsx」があり、その隣に「管理表_最新2.xlsx」がある。誰も消せない。消した人が責任を取ることになるからだ。行は数千、列は右へずっと伸びていて、端のほうに「備考2」「備考3」がある。
Excelから業務アプリへ移るとき、最初に確認されるのはたいていここだ。「今のExcel、そのまま移せますか」。何年も貯めてきたものだから、当然そうなる。
先に結論を書くと、移せる。ただし「そのまま」ではない。そして手間が読めるかどうかは、ファイルを開いた瞬間にだいたい決まる。今回は、その決まり方と、依頼する前に自分でできる整え方を書く。ここを先にやっておくと、見積りが早く正確に出せます。判断する列が減るぶん、作業そのものも軽くなります。

手間は行数より列で決まる

「5年分あります」「1万件あります」と、件数から話し始める人が多い。ところが件数だけでは決まらない。取り込む処理を1本書いてしまえば、行が増えても流す手間はさほど変わらないからだ。手間を作っているのは列のほうである。
列が増えるということは、判断が増えるということだ。この列は新しいアプリのどの項目にあたるのか。空欄はどう扱うのか。同じ意味の列がなぜ2つあるのか。1列につき最低1つ、人が決めることが発生する。40列あれば40回考える。これが工数の正体だ。
件数が効いてくるのは、移す作業ではなく移したあとに合っているか確かめる作業のほう。合計金額が一致するか、件数が一致するか。ずれたときに探す場所が、件数のぶんだけ増える。当方がデータ移行を有料オプション(10,000円〜・列数と件数により変動)にしているのはこのためで、量が特に多い場合は別途のお見積りになる。
大変さは件数だけでは決まらない。効くのは列の数と、書き方のばらつきのほうだ。
移行の手間が決まる場所

表記のゆれを先にそろえる

手が止まるのは、同じ意味のものが違う書き方で入っている列だ。日付の列に「11/10」「2025/11/22」「11月中」「済」が並んでいる、という形はよくある。人が読めば分かる。プログラムは読めない。「11月中」は日付ではないからだ。
やることは単純で、列を分ける。日付として確定しているものだけを日付の列に残し、「11月中」「未定」「先方確認待ち」のような書き込みは備考の列に逃がす。これは依頼者側でやったほうが速いです。当方が推測で振り分けると、あとから必ず「これは違う」が出る。
状態の列も同じだ。「完了」「かんりょう」「済」「OK」が混ざっていたら、使う言葉を3つか4つに決めて置換しておく。決めておくと、アプリになったあとの絞り込みがそのまま効きます。移行のためだけの作業ではない。

見出しは1行にする

Excelの表で厄介なのは、実は中身ではなく見出しだ。2行に分かれていて、上の行が結合セルになっているやつ。「4月」の下に「予定」「実績」がぶら下がっている、あの形である。印刷したときに見やすいので、長く使われている表ほどこうなっている。
これは機械から見ると、1行目も2行目もただのデータ行に見える。どこまでが見出しでどこからが中身かを判定できない。だから見出しは1行に直してもらう。「4月予定」「4月実績」でいい。見た目は悪くなるが、移し終われば元の表は使わなくなるので困らない。
ついでに、表の上に置いてあるタイトル行、途中に挟まっている小計行、いちばん下の合計行も抜いておく。小計行はデータ行の顔をして混ざるので、見落とすと件数も金額も合わなくなる。あとから気づきにくい場所だ。

様式が変わった年の扱い

何年も使っている表は、途中で形が変わっていることが多い。列が足されている。担当者が代わったところで書き方が変わっている。ある年からシートを分けている。開いてみたら年度の途中で列が2本増えていた、という形もある。
このとき、1つのファイルに無理やりまとめ直さないほうがいい。「2022年まで」「2023年以降」のように様式ごとにファイルを分けて渡してもらうのが、結局いちばん早い。分かれていれば、それぞれに読み込みの規則を1本ずつ当てるだけで済む。混ざっていると、1行ずつどちらの様式か見分ける処理が要る。手間が跳ねるのはここだ。
「途中で変わっていて恥ずかしい」と言われることがあるが、変わっていない表のほうが珍しい。商売のやり方が変われば管理表も変わる。素直に分けて出していただいたほうが、双方とも早く終わります。

過去分を移さない選択肢

ここまで書いておいて何だが、全部を移す必要があるかは一度考えたほうがいい。過去のデータの使い道は、たいてい2つしかない。日々の業務で参照するか、集計して眺めるかだ。
直近1年ぶんだけをアプリに入れて、それより古いものはExcelのまま「読むだけの保管庫」として残す。この分け方はよくはまります。3年前の案件を検索する場面が年に1回なら、そのときだけ元のファイルを開けばいい。移す範囲が狭くなるぶん、着手も早くなる。
逆に、過去分も含めて集計したい——前年比を出したい、得意先ごとの累計を見たい——のであれば、必要な列だけに絞って移す。全部の列は要らないことが多い。日付・得意先・金額・状態の4列があれば、たいていの集計は組める。

依頼前に渡せる形にする

渡せる形にする4つ
見積りの段階で実データを送る必要はない。列の構成が分かれば見積もれる。中身を架空の値に差し替えた1シートを見せてもらえば十分だ。顧客名や金額を外に出さずに済むし、こちらも余計な個人情報を預からずに済む。
1枚見せてもらえば、その場で「この列はそのまま移る」「この列は分けてほしい」「この列はもう要らないのでは」の3つに仕分けできる。ここまで来れば、移行の手間はだいたい読めている。整形そのものは、発注が決まってから取りかかっても遅くない。

当方は、Excel・紙で回している業務を、月額0円の買い切りWebアプリにする仕事をしている。今お使いのファイルを1枚(中身は架空の値でよい)見せていただければ、移せる範囲と手間をお伝えできるので、まずはココナラのメッセージからご相談ください。
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