フォームを作って回答を集めたあと、スプレッドシートを開いて「これ、このままじゃ集計できないな」となる。よくある場面です。
原因は回答した人ではなく、ほぼフォームの作り方にあります。集めたあとに直すのは時間がかかるし、回答が増えるたびに毎回発生します。集める前に決めておけば、そもそも発生しません。
自分の事業でも、フォームの回答をGASで管理表に自動転記しています。最初は毎回手で直していましたが、原因は次の5つに集約されました。
■1. 選択肢にできるものを、自由記述にしている
一番大きい原因です。
「ご希望のプラン」を自由記述にしただけで、「Aプラン」「A」「aプラン」「Aコース?」が混ざります。集計しようとすると全部別の値扱いです。
選ばせられるものは全部選択式にします。プルダウン、ラジオボタン、チェックボックス。どうしても例外が出る場合は「その他」を一つ置いて、そこだけ自由記述にします。
■2. 表記がゆれる欄を、そのままにしている
会社名、電話番号、日付。この3つは必ずゆれます。
会社名:株式会社○○ / ○○ / (株)○○ / ○○株式会社
電話:090-1234-5678 / 09012345678 / +81 90 1234 5678
日付:10/15 / 2026年10月15日 / 来週の水曜
日付はフォームの「日付」形式を使う。電話は「ハイフンなし」と書いて入力規則で数字のみにする。会社名はゆれを完全には防げないので、あとで名寄せする前提で考えておきます。
■3. 一つの欄に、複数の情報を入れさせている
「ご住所」を一行で聞いていると、都道府県で絞り込めません。「お名前」を一行にすると、姓と名の間がスペースだったり無かったりします。
あとで分けたくなるものは、最初から欄を分けてください。逆に、分ける必要がないものを細かく分けると回答率が落ちます。「この欄で並べ替えるか」「この欄で絞り込むか」を基準にすると判断しやすいです。
■4. 必須の決め方が雑
必須にしていないと、あとから追いかけることになります。連絡先が空の回答が届いても、もう連絡できません。
逆に全部必須にすると、途中で逃げられます。判断はこうです。
・それが無いと次の行動ができない → 必須
・あったら助かる → 任意
・あとから聞けばいい → 欄ごと消す
3つ目が大事です。使わない欄は、置いてあるだけでデータを汚します。
■5. 重複送信を想定していない
同じ人が2回送ってくるのは普通に起きます。送信後の画面を見そこねて、もう一度押しただけです。
メールアドレスや電話番号など、重複を見分けるキーになる欄を必ず入れておくと、あとから機械的に整理できます。キーが無いと、人が目で見て判断するしかなくなります。
■フォームで防ぐか、あとで直すか
全部をフォーム側で縛ると、今度は回答する側が面倒になって送ってくれなくなります。線引きはこう考えています。
・フォームで防ぐ:選択肢、日付形式、数字のみの入力規則、必須指定
・あとで直す:会社名の表記ゆれ、前後の空白、全角半角の混在
あとで直す側は、一度GASか関数で整形処理を作ってしまえば、次からは自動です。毎回手で直す必要はありません。
■作る前のチェックリスト
・その欄で並べ替えるか、絞り込むか
・選択肢にできないか
・重複を見分けるキーはあるか
・その欄が空だったら、本当に困るか
・集めたあと、どの表にどう並ぶのか
最後の一つが決まっていないと、欄の順番も型も決まりません。フォームを作る前に、完成した表のイメージを先に書いてみるのが一番早いです。
■まとめ
フォームのデータが汚れる原因は、回答した人ではなく設計にあります。選択肢にできるものは選択肢に、ゆれる欄は形式で縛る、分けたいものは欄を分ける、必須は行動に必要なものだけ、重複を見分けるキーを入れる。この5つで、あとの手直しはかなり減ります。
Webの公開情報を調べて一覧表にまとめる仕事をお受けしています。集めるだけでなく、どの欄をどう持つかを決めるところからご相談いただけます。項目が固まっていない段階でも構いません。