「すごいね」と言われると、すぐ否定したくなる
仕事を褒められても、「いや、たまたまです」と答えてしまう。
「よく頑張ったね」と言われても、「全然ですよ」と返してしまう。
本当は少しうれしいはずなのに、素直に「ありがとう」と言うのが妙に恥ずかしい。
それどころか、褒められたあとに「次も同じくらいできるかな」と不安になることがあります。
褒め言葉はうれしいもののはずなのに、なぜか緊張する。
そんな人は案外少なくありません。
褒められると、“次もできる自分”を求められた気がする
臨床心理学では、相手の言葉そのものだけでなく、その言葉を自分がどう受け取るかも大切にします。
「すごいね」が、「次も期待しているよ」に聞こえる人もいます。
「頼りになるね」が、「これからも頑張ってね」に聞こえることもあります。
すると、褒められることが安心ではなく、新しい宿題のようになります。
期待を裏切りたくない人ほど、評価された瞬間から次の失敗を心配してしまうのです。
だから、褒め言葉を小さくして受け取ることで、自分を守ろうとすることがあります。
まずは「ありがとう」だけで止めてみる
褒められたとき、自分の実力を証明する必要はありません。
「そんなことないです」と打ち消す代わりに、「ありがとうございます」とだけ返してみてください。
心の中では、「でも大したことない」と思っていても構いません。
相手の言葉を全面的に信じ込む必要もありません。
ただ、否定せずに一度受け取ってみる。
それだけでも、「褒められたら次も完璧にやらなければ」という流れに、小さな間をつくることができます。
“褒められるのが怖い”ことも、話していい
褒められると苦しくなる自分を、「面倒くさい」と責める必要はありません。
もしかすると、期待を背負うことにずっと慣れすぎてきたのかもしれません。
失敗したときにがっかりされることが怖いのかもしれません。
そんなときは、「褒められるとうれしいより不安になる」と、そのまま誰かに話してみてもよいでしょう。
話しているうちに、褒め言葉そのものではなく、そのあとに何を求められるかが怖かったと気づくことがあります。
褒められた今日の自分と、明日うまくできるかどうかは別の話です。
今日もらった言葉くらいは、今日の自分のところに置いておいてよいのだと思います。