顧客対応で言葉に詰まらない|カスハラ初動で使える5つのフレーズ

顧客対応で言葉に詰まらない|カスハラ初動で使える5つのフレーズ

記事
ビジネス・マーケティング
2026年10月1日から、カスタマーハラスメントの防止措置が事業主の義務となります。

会社の方針や相談窓口を整えることも大切ですが、実際の現場では、担当者が最初に何と言うかで対応の進み方が変わります。

「とりあえず謝ってしまう」
「その場を収めるために、できない約束をしてしまう」
「強い言葉を受けて、何も言えなくなる」

こうした状況を減らすために、今回はカスハラが疑われる場面の初動で使いやすい5つのフレーズを紹介します。

なお、顧客からの苦情や要望が、すべてカスハラに当たるわけではありません。最初から決めつけず、事実を確認しながら、従業員を一人で抱え込ませないことが重要です。

↓ カスハラ初動対応フレーズ30|現場ですぐ使える対応カード



【1.まず受け止め、状況確認へつなげる】


「ご不快な思いをされた点について、まず状況を確認させてください」

相手の感情を受け止めつつ、すぐに会社の非を認めたり、補償を約束したりしない言い方です。

ここで大切なのは、「すべてこちらが悪いです」と断定することではなく、「話を聞き、確認する姿勢」を示すことです。

相手が興奮している場合は、短く、落ち着いた声で伝えます。

【2.事実を順番に確認する】


「正確に確認するため、いつ・どこで・何があったかを順にお伺いしてもよろしいでしょうか」

話が前後している場合や、要求だけが先に出ている場合に使える言い方です。

確認したい主な項目は、次のとおりです。

・発生した日時と場所
・相手が困ったと感じた出来事
・担当者が行った対応
・現在求めていること
・メール、録音、写真などの有無

担当者の推測を加えず、聞いた内容と確認できた事実を分けて記録します。

【3.その場で約束せず、判断を保留する】


「この場では判断できかねます。内容を確認し、担当者から改めてご案内します」

返金、無償提供、特別対応、担当者の処分などを求められた際に、その場で約束しないためのフレーズです。

回答時刻を伝える場合は、実際に連絡できる時間だけを案内します。

「必ずご希望どおりにします」
「何でも対応します」

といった言い方は、後から対応できなくなるおそれがあるため避けます。

【4.対応できる範囲を明確にする】


「ご案内できる範囲はこちらまでとなります。これ以上のご要望には対応いたしかねます」

会社として対応できる内容を説明した後も、過度な要求が続く場合に使います。

単に「無理です」と返すのではなく、先に対応可能な範囲や代替案を示すと、説明が伝わりやすくなります。

例:

「返金はできかねますが、商品の交換であれば対応できます」
「本日の対応は難しいため、明日の営業時間内に担当者からご連絡します」

【5.暴言などが続く場合は、警告して対応を終了する】


「同様の発言が続く場合は、対応を終了させていただきます」

侮辱、威圧的な言動、脅迫、長時間の拘束などが続く場合は、一人で対応を続けません。

可能であれば、管理者や別の担当者へ交代し、会社の方針に沿って警告します。それでも改善しない場合は、対応の終了や退去要請、警察への相談などを検討します。

緊急性や危険がある場合は、フレーズどおりに進めることよりも、従業員と周囲の安全確保を優先してください。

【初動対応は6段階で考える】


現場で迷ったときは、次の順番に整理すると対応しやすくなります。

1.相手の話を受け止める
2.事実を確認する
3.その場で約束せず判断を保留する
4.対応できる範囲を伝える
5.必要に応じて交代・終了する
6.対応内容を記録し、管理者へ共有する

すべてを一人で判断する必要はありません。会社として対応フローと交代基準を決め、現場の担当者が管理者へつなげられる状態を作ることが大切です。

【自社向けに調整するときの注意】

紹介したフレーズは、そのまま全業種で使えるとは限りません。

店舗、宿泊施設、医療・介護、電話窓口、ECなど、業種や顧客対応の方法に合わせて、次の点を決めておきましょう。

・誰がどこまで判断できるか
・管理者へ交代する基準
・対応を終了する基準
・録音や記録の方法
・警察や専門家へ相談する基準

生成AIで文章を調整する場合は、顧客や従業員の氏名、電話番号、メールアドレス、具体的な相談内容などの個人情報・機密情報を入力しないよう注意してください。

【まとめ】

カスハラ対策は、強い言葉で相手を拒絶することではありません。

正当な意見や苦情には誠実に対応しながら、対応できる範囲を明確にし、従業員を一人で抱え込ませない仕組みを作ることが大切です。

まずは、現場で迷いやすい場面の言い方を決め、スタッフ同士で共有するところから始めてみてください。

JIMU STOCKでは、初動対応で使える文例30種類をA4・全13ページにまとめた「カスハラ初動対応フレーズ30|現場ですぐ使える対応カード」を用意しています。

受止め・確認、対応範囲・代替案、境界提示、中断・終了、交代・連携、電話・メール・SNSの6場面を収録しています。A4・1枚のクイックリファレンスと簡易記録メモも付いています。

一から文例を作る時間を減らしたい方は、下記から内容をご確認ください。

↓ カスハラ初動対応フレーズ30|現場ですぐ使える対応カード


【参考】
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

※本記事は、2026年8月時点の厚生労働省公開資料を参考にした一般的な情報です。法令への適合や個別事案の判断を保証するものではありません。必要に応じて行政窓口や社会保険労務士、弁護士などの専門家へご確認ください。
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