十一月に入ると、喪中はがきが一枚、二枚と届きはじめます。
読んで、しばらく手に持ったまま。
返事を出したほうがいいのか。出すなら、何と書けばいいのか。
迷っているうちに、年の瀬が近づいてくる。
返事は、出さなくても失礼にはなりません。
それでも、何か一言届けたいと思った相手がいるなら、その気持ちを形にする方法があります。
■ いつ出すかで、名前が変わります
・年内に出すなら「喪中見舞い」
はがきが届いてから、あまり間をあけずに出すのが目安とされています
・年が明けてから出すなら「寒中見舞い」
松の内(一般に1月7日まで。地域によっては15日まで)が明けてから、立春(2月4日ごろ)までに
どちらでも大丈夫です。
年末の慌ただしさの中で書くより、年が明けて落ち着いてから書きたい。そう思うなら、寒中見舞いを選んでかまいません。
年賀はがきは使わず、ふつうのはがきに、短くまとめます。
■ 書く順番は、四つ
・お知らせをいただいたことへのお礼
・亡くなった方へのお悔やみ
・遺された方をいたわる言葉
・寒い季節の体を気づかう言葉
長い文章はいりません。四つを一行ずつで、一通になります。
■ 文例(年内に出す、喪中見舞い)
ご丁寧なお知らせをいただき ありがとうございました
お母様のこと 心よりお悔やみ申し上げます
穏やかで いつも笑顔の方でしたね
寂しさの中でのご心労 いかばかりかとお察しいたします
寒さが厳しくなりますので どうぞ温かくしてお過ごしください
真ん中の一行に、亡くなった方の思い出を小さく一つ入れると、
「ちゃんと覚えていてくれた」という一通になります。
思い出せることが無ければ、その行は省いてかまいません。
■ 文例(年が明けてから出す、寒中見舞い)
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と伺い 年頭のご挨拶は控えさせていただきました
遅ればせながら お父様のご逝去を悼み 心よりお悔やみ申し上げます
春はまだ先ですが どうかご無理をなさいませんように
■ 喪中と知らずに、年賀状を出してしまったら
喪中はがきが年末近くに届いて、もう年賀状を出したあとだった。
そういうことは、どの家にも起こります。
その時も、寒中見舞いで一言お詫びを添えれば十分です。
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中とは存じ上げず 新年のご挨拶をお送りしてしまい 失礼いたしました
心よりお悔やみ申し上げます
寒さの中 どうかお体を大切になさってください
責める人は、ほとんどいないと思います。
むしろ、気づいてもう一度書いてくれたことのほうが、相手の心に残ります。
■ 避けたい言葉
・「重ね重ね」「たびたび」「再び」など、繰り返しを思わせる言葉
・「新年」「おめでとう」など、お祝いの言葉
・相手の宗派が分からないときは、「ご冥福」より「心よりお悔やみ申し上げます」のほうが使いやすいとされています
■ 一人で言葉が出てこない時は
親しかった相手ほど、短い一通にまとめるのが難しいものです。
何を書いても足りない気がして、ペンが止まる。
ココナラで「年賀状じまい・喪中はがきの言いにくい手紙を作ります」という出品をしています。
お相手との関係や、思い出せることを少し教えていただければ、言い回しの違う3つの案でお届けします。
故人のお名前・漢字は、お届けの前にもう一度確かめます。
もちろん、ここに書いたことを頼りに、ご自身で書いていただくのがいちばんです。
返事を書こうか迷っている時間も、その方と相手を想っている時間です。
蒼井 灯