喪中はがきが届いて、初めて訃報を知る。
冬のはじめには、そういうことがあります。
もう葬儀も終わっている。
今さら連絡したら、かえって迷惑ではないか。
そう思って、ペンを持ったまま時間が過ぎていく。
けれど、知らせを受けた側から届く一通は、
時間が経っていても、遺された人にとって小さな灯りになることがあります。
■ 遅れたことは、最初に一言だけ
あとから書くお悔やみでは、遅れたことへのお詫びを一言添えます。
長く言い訳をする必要はありません。
「存じ上げず ご挨拶が遅くなりましたことを お許しください」
これだけで十分です。
いつもの手紙のような季節の挨拶は省いて、すぐに本題に入ります。
■ 書くことは、三つだけ
・知らせを受けたときの気持ち
・亡くなった方との思い出を、一つ
・遺された方を気づかう言葉
思い出は、立派なことでなくてかまいません。
「あの日、こう言ってくださった」
そのくらいの小さなことのほうが、読む人の心に残ります。
■ 相手別の文例
友人のご家族へ
「お父様が駅まで車で送ってくださった日のことを 今もよく思い出します」
昔の同僚へ
「新人のころ 黙って仕事を手伝ってくださった背中を 忘れられずにいます」
遠い親戚へ
「子どものころにいただいた手紙を 今も大切にしまってあります」
結びには、こんな言葉を。
「寒さが続きますので どうかご自愛ください」
「落ち着かれたころに またお話を聞かせてください」
■ 避けたい言葉
・「重ね重ね」「たびたび」「再び」「続く」など、繰り返しを思わせる言葉
・相手の宗派が分からないときは、「ご冥福」のような宗教の色が強い言い方より、「心よりお悔やみ申し上げます」「安らかなお眠りをお祈りいたします」などのほうが使いやすいとされています
■ 遅れたことを、責めなくていい
知らなかったのは、あなたのせいではありません。
遅れて届く一通には、遅れて届く一通の役目があります。
慌ただしい時期が過ぎて、ひとりになったころに読まれる手紙だからです。
■ 一人で言葉が出てこない時は
それでも、何年も会っていない相手に、何と書けばいいか分からない。
そういう一通もあると思います。
ココナラで「年賀状じまいやお悔やみの、言いにくい手紙を作ります」という出品をしています。
お相手との関係や、思い出せることを少し教えていただければ、言い回しの違う3つの案でお届けします。
故人のお名前・漢字は、お届けの前にもう一度確かめます。
もちろん、ここに書いたことを頼りに、ご自身で書いていただくのがいちばんです。
書こうか迷っている時間も、その方を想っている時間です。
蒼井 灯