テトリスというパズルゲームがあります。
調べたら1984年に当時ソ連のコンピューター科学者が制作したものがその起源だそうです。
今でも世界中で愛され、スマホやニンテンドースイッチなどでも手軽に遊ぶことができます。
私はテトリスが「ちょっとだけ」得意です。
受験生の時に息抜きでやっていた頃があり、その時にコツを学びました。
テトリスの一般的な仕様だと最初はピース(テトリミノ)がゆっくりと落ちてきますが、スコアが伸びて時間が経つごとに段々と速くなってきて最後は目にも止まらないスピードで次々に降ってきます。
自分の今の状態を把握しながら落ちてくるテトリミノの形を認識し、回転させ、列を作って消す。
単純作業なのですが脳ではものすごいスピードで情報処理されています。
今、ニンテンドースイッチでは「テトリス99」というゲームが配信されています。インターネットを介して99人のプレイヤーが同時にテトリスを開始し、ゲームオーバーになった人は退場していきます。
そして最後の1人が「テト1」の栄誉に輝く、テトリスとバトルロワイヤルを掛け合わせたゲームになっています。
初心者の方も同時に繋がるので、最初の50人くらいはさほど時間もかからずふるい落とされてしまいます。
段々と手練れのプレイヤーだらけになり、落ちるスピードも音楽のテンポも上がってきて緊張感が走ります。
一つミスをしたら一瞬でゲームオーバーという極限の緊張感。
ライバルの攻撃を受けながら自分が列を消して応戦します。
(ざっくりいうと1列消すと1列ライバルの盤面にお邪魔テトリミノが現れます)
そのプレッシャーの中、いかに冷静に自分の盤面を淡々と消し続けられるか…
調子のいいとき、ここでゾーンに入ります
よく野球選手が「ボールがゆっくりに見えた」というふうにゾーンを表現します。
テトリスでも全く同じ感覚かというと少し違うのですが、ものすごいスピードで落ちてくるテトリミノを冷静に捌く自分に気づく感覚です。
完全にゾーンに入った時にはテト1を取ることができます。
私はテトリスがちょっとだけ得意なので、よっぽど上手く行った時でなければテト1がなかなか取れません。
本当にうまい人なんかはゾーンなんて大仰なものがなくてもテト1が常に取れるのでしょう。
そこに至らない私にとって集中力を測るのにちょうどいい基準なのです。
逆に言えばゾーンに入っていた時はそういった達人の方々を倒して1位をとっているわけですから、やはりゾーン体験の力強さを実感します。
そして集中していると、「あること」にも気づけます。
このブログでも何度も触れている究極の価値観。
「今この瞬間」に触れることができています。
極限の集中状態であれば「今」しか感じることができませんでした。
過去や未来が鋼鉄の扉で閉ざされ、その隙間にある燦然と輝くこの瞬間に浸ることができます。
集中力を極限まで上げるとある種の瞑想状態になることが私も腑に落ちています。受験生時代、瞑想なんて概念は知りませんでしたが空き時間にやっていたテトリスが瞑想の役割を果たしてくれていたのかもしれません。
(その後志望校に合格することができました)
本日はゲームでゾーンを体験したお話を書いてみました。
eスポーツをやられているアスリートのみなさんも同じような感覚があるのではないでしょうか。
ゲームをすると頭が悪くなると言われたのはもう過去の時代。
やりすぎは良くないかもしれませんが、たまに触れてみるとまた新たな刺激になるかもしれませんよ。