夜に読む、恋の記憶 第4話

夜に読む、恋の記憶 第4話

記事
コラム
その人の結婚を知ったのは、
何でもない平日の夜でした。

なんとなく開いたSNSに、
見覚えのある名前が出てきました。

久しぶりに見た彼は、
少しだけ大人びて見えました。

隣には、白い服を着た女性がいました。

「結婚しました」

その短い言葉を見た瞬間、
胸の奥が、静かに止まったような気がしました。

もう終わった恋でした。

連絡を取らなくなってから、
ずいぶん時間もたっていました。

私にも私の日常があって、
彼のことを毎日思い出していたわけではありません。

それなのに、
その写真を見た瞬間だけ、
昔の自分に戻ってしまいました。

彼からの返信を待っていた夜。

会えただけで嬉しかった帰り道。

本当は聞きたかったのに、
聞けなかった言葉。

そんなものが、
一気に胸の中へ戻ってきました。

おめでとう。

そう思いたかった。

ちゃんと笑って、
よかったねって思える私でいたかった。

でも、その時の私は、
そこまで綺麗な気持ちにはなれませんでした。

どうして、私じゃなかったんだろう。

ほんの一瞬、
そんなことを思ってしまったんです。

もう選ばれなかったことなんて、
とっくにわかっていたはずなのに。

彼の未来に、
私はいなかった。

ただそれを、
写真の中で見せられた気がしました。

スマホを閉じて、
しばらく部屋の天井を見ていました。

泣くほどではない。

でも、平気でもない。

そんな夜でした。

誰にも言えない寂しさって、
少しだけ置き場所に困ります。

「まだ好きなの?」と聞かれたら、
たぶん違うと答えると思います。

でも、何も感じないほど、
簡単な恋でもありませんでした。

好きだった時間は、
ちゃんと私の中に残っていました。

一生懸命だったことも。

期待していたことも。

あの人の隣にいたかったことも。

全部、なかったことにはできませんでした。

その夜、私は
彼の投稿に「いいね」を押せませんでした。

おめでとうのコメントも、
送れませんでした。

ただ、心の中で小さく思いました。

幸せになってね。

そして、
私もちゃんと幸せになるから。

それは強がりだったかもしれません。

でも、その言葉を思えたことで、
少しだけ前を向けた気がしました。

彼の幸せを知った夜、
私は自分の恋が本当に終わったことを知りました。

痛かったけれど、
その痛みは、
ちゃんと好きだった証でもありました。

だから今は、
あの夜の私に言ってあげたいです。

泣きそうになってもいいよ。

綺麗に祝えなくてもいいよ。

それでもあなたは、
ちゃんと前を向こうとしていたよ。

心葉(ここは)♡

   *

これからもココナラブログで、
心に残っている恋の記憶を、少しずつ綴っていきます。

また夜に、心葉(ここは)♡の物語を読みに来てくださいね。

恋の気持ちを誰かに話したくなった時は、
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