一通の手紙を見て、僕の気持ちは切れた

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コラム

最初の結婚が終わる少し前のことです。

あるとき、一通の手紙を見ました。

その手紙に何が書いてあったのか。

ここで細かく書くつもりはありません。

もうずいぶん昔のことですし、相手のことでもあるからです。

ただ、その手紙を見たときのことは覚えています。

僕の中で、

「もう無理だ」

となった。

それまでにも、夫婦の間にはいろいろなことがありました。

うまくいっていたとは言えなかった。

僕にも悪いところはたくさんあったと思います。

それでも、それまでは夫婦として一緒にいた。

でも、その手紙を見たところで、僕の気持ちは切れました。

本当に、プツンという感じだったんだと思います。

そこから僕は、妻が何を言っても聞こうとしなくなりました。

説明されたこともあったと思います。

言いたいこともあったでしょう。

でも僕は、

「もういい」

となっていた。

一度そうなってしまうと、何を言われても入ってこない。

僕は昔から、一度気持ちが切れると戻れないところがあったのかもしれません。

ただ、これも今の僕が昔の自分を見て思うことです。

当時の僕が、

「自分は今、気持ちが切れたんだ」

なんて冷静に考えていたわけではありません。

ただ、

「もう無理だ」

と思った。

「もう終わりだ」

と思った。

たぶん、それくらいだったんじゃないかな。

今振り返ると不思議です。

それまで一緒に暮らしていた人です。

結婚した相手です。

楽しかった時間だってあったはずです。

それなのに、一つの出来事を境に、相手の言葉を聞かなくなる。

今振り返っても、あのとき自分の気持ちがあそこまで一気に切れたことは覚えています。

だからといって、

「手紙が悪かったから離婚した」

と全部をそこに持っていくつもりはありません。

それまでの夫婦関係があった。

僕自身の問題もあった。

いろいろ積み重なったところに、その手紙があった。

今なら、そんなふうに考えます。

でも当時の僕には、そんな整理はできませんでした。

僕の中では、

「これで終わり」

だった。

それだけです。

今だったらどうするんだろう。

ちゃんと話を聞くのか。

相手に聞きたいことを聞くのか。

自分が何に傷ついたのかを話すのか。

正直、わかりません。

同じことが起きたら、今の僕だって冷静ではいられないかもしれない。

ただ一つ言えるのは、

あのときの僕は、相手の話を聞く前に、自分の中で結論を出してしまったということです。

一通の手紙を見て、

僕の気持ちは切れました。

そして、そこから先は、何を言われても聞こうとしませんでした。
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