自分が悪いとわかっていることほど、人には話せなかった

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昔の僕は、人に相談するのが苦手でした。

夫婦関係がうまくいっていなくても、ほとんど誰にも話さなかった。

最初の離婚のときもそうです。

会社には毎日行っていました。

社員もいました。

仕事の話はいくらでもする。

でも、夫婦のことは話さない。

「実は、うち今かなりヤバいんだよね」

そんなことを言った記憶はありません。

じゃあ、一人で抱え込みたかったのか。

今考えると、たぶん違います。

聞いてくれる人がいたら、僕は話していたと思う。

ただ、誰に話せばいいのかわからなかった。

友達も少なかったし、会社の人には話しづらい。

親にも夫婦の細かいことまで話そうとは思わなかった。

それに、夫婦の話って難しいんですよね。

自分に都合の悪いこともあるから。

相手にされたことだけなら話せる。

「あんなことをされた」

「こんなことを言われた」

それなら話しやすい。

でも、自分がやったことまで話そうとすると、途端に言いにくくなる。

僕自身、今振り返れば、人の気持ちがわかっていなかったことがたくさんあります。

浮気もしました。

人を傷つけたこともあります。

そんなことまで含めて話したら、

「それ、お前が悪いじゃん」

と言われるかもしれない。

まあ、実際に僕が悪いこともたくさんあるんですけどね。

でも、人って不思議なもので、

自分が悪いとわかっているときほど、誰かに話せなくなることがある。

正論を聞きたいわけじゃない。

自分でもわかっている。

ただ、

「そうか。そんなことがあったんだ」

と聞いてほしい。

僕にも、そんな相手がいたらよかったのかもしれません。

これは今だから思うことです。

当時の僕は、そんなふうに自分の気持ちを整理していませんでした。

「寂しい」

とも思っていなかった気がします。

ただ黙っていた。

そして、自分で決めて、自分で動いていた。

最初の離婚もそうでした。

一度気持ちが切れたら、もう戻らなかった。

誰かに相談していたら離婚しなかった、とは思いません。

そんなことは今さらわからない。

でも、誰かに話していたら、少なくとも自分が何を感じているのか、もう少しわかったのかもしれません。

最近、僕自身が人に話しながら、

「ああ、俺、本当はそう思っていたんだ」

と気づくことがあります。

話すって、答えをもらうためだけじゃないんですよね。

自分の口から出た言葉を、自分で聞く。

それだけで初めて気づくこともある。

だから今、誰にも言えないことを抱えている人に、

「誰かに相談したほうがいいですよ」

と簡単には言いたくありません。

昔の僕だったら、きっとこう返すからです。

「だから、誰に話せばいいんだよ」

相談したくないんじゃない。

話せる相手がいない。

そんな人もいるんだと思います。

僕も、そうでした。
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